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映画『選挙2』を観て思ったこと(ネタバレしまくりですので要注意!)

2013-07-10 21:43:59 | 映画!
一昨日、今話題の観察映画『選挙2』を観てきました。私が「2012年に観た映画(下半期総集編 + 下半期マイベスト20+2012年マイベスト10)」で邦画ベストに選んだ『演劇1』の監督、想田和弘氏による観察映画です(ちなみに『演劇1』の感想はこちらに書いています)。

この『選挙2』、その名前からも明らかなとおり、『選挙』という映画の続編です。この『選挙』、私は6月21日に東京大学で開催された無料上映会で観させていただいたばかりでした。2005年10月の川崎市議会議員選挙宮前区選挙区補欠選挙を舞台に、政治経験がまったくない山内和彦氏が自民党公認の候補者となり、ドブ板戦術を繰り広げるという内容です。で、この『選挙』を観て思ったのが「こんな選挙運動をやっているなんて恥ずかしい」ということでした。私は有権者になってすでに20年以上で、この『選挙』に描かれていることもある程度は知っていたつもりですが、不思議なもので映画の観客という形で選挙活動の様子を観せられると、それがいかに滑稽で無駄が多いかが客観的に見えてくるのです。たとえば誰かれ構わず有権者と握手しようとする立候補者。政策などは訴えずにただただ候補者の名前を連呼する選挙カー。確実に票を集めるために電話作戦などに動員される同じ党に所属する政治家の後援会の人々。こういうことにお金やエネルギーを使うくらいなら候補者どうしで公開討論会を開き、有権者の判断材料にしてもらう方がよほど意義があると思います。非常に喜ばしいと同時に残念なことでもあるのですが、この作品はベルリン国際映画祭などさまざまな映画祭で上映されており、日本の無駄だらけの恥ずかしい選挙が世界に知れ渡ったことになります。海外の観客の中にはこの映画がドキュメンタリーではなく、フィクションだと勘違いした人もいたとか。

そしてこの『選挙』の続編にあたる『選挙2』も舞台は川崎市。今回は補欠選挙ではなく、東日本大震災直後の11年に告示された川崎市議会選挙。立候補者が原発問題を積極的に取り上げていないことに憤りを感じた山内氏が突然無所属で立候補し、前回とは完全に異なる方法で選挙運動をするという内容。山内氏のキャラは以前と同じでも、政治に対する姿勢がまったく変わったことにまず驚きました。そして、私が一番衝撃を受けたのは山内氏が政府のことを「大本営」、選挙を「チキンレース」と言っていたこと。まさに的確な表現だと思いました。この作品の一番のみどころが『選挙』の山内氏と『選挙2』の山内氏の違いなので、『選挙』を観てから『選挙2』をご覧いただくことをお勧めします。でも、『選挙2』だけでも現在の日本の選挙制度の問題点のいくつかは見えてきますし、投票することの重要性も訴えられているので、観る価値は十分にあります。有権者の方々にはぜひ参院選の投票日までにこの『選挙2』をご覧いただき、しっかり投票していただきたいと思います。
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