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映画『ライフ・オブ・パイ』についていろいろ書いてみようかと(ネタバレしまくりです!) (2)

2013-02-12 13:00:25 | 映画!
早速ですが、「映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』についていろいろ書いてみようかと(ネタバレしまくりです!) (1)」の続きを。ここで書いていることはあくまでも私個人の作品の解釈であって、物語の原作者や映画製作者の公式見解ではありませんので、あらかじめご了承ください。あと、本当にしつこくて申し訳ありませんが、完全にネタバレしていますので、まだ作品をご覧になっていない方はご注意を!

6. 誤訳?
子供時代のパイが再びカソリック教会に行ったシーン。パイの質問に対して神父さんが「神は我々のためにひとり子を与えてくださった」という説明をしたのですが、その字幕が「神は我々のためにキリストを創造した」という内容の訳になっていたように記憶しています。もし私の記憶が正しければ、これは完全に誤訳です。キリスト教の考え方ではキリストは被造物ではないからです。が、私も自分の記憶に100%の自信がないので、もう1回観に行って確認するかもしれません。もし、本当に「神はキリストを創造した」という内容になっていたら、字幕の修正を配給会社に依頼したいと思います。

7. 私の考え
書くべきかどうか迷ったのですが、ここで自分の考えを明らかにしておかないとこの先が書きづらくなるので、はっきりさせておきます。パイが話した2つの物語のうち、私は2つ目の話が真実なのではないかと考えています。その理由は2つ。「映画『ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日』のここがおかしい、よくわからない(要注意:ネタバレしまくりです)」シリーズでも書きましたが、映画を観る限りでは最初の話にはやはりおかしい点がいくつかあるからです。もう1つの理由は、壮絶すぎる2つ目の物語を実際に経験した上に、この漂流生活をトラであるリチャード・パーカー(もちろん救命ボートにはいない)と生き抜く物語にした、ということの方がすごいと思うからです。1つ目が実際に起こっていたら確かにドラマティックではありますが、2つ目の方が実はより困難でまさに究極の試練だと私は考えます。

8. 日本人の船員はなぜシマウマに例えられたのか?
映画『ライフ・オブ・パイ』のここがおかしい、よくわからない(要注意:ネタバレしまくりです) (3)」の「11. 映画で登場する日本人について」で、「うわべだけ取り繕おうとする、どっちつかずの中途半端な人物」として日本人を登場させる必要があった」と書きました。で、3回目を観て気がついたのですが、シマウマって見た目が白いのか黒いのかどっちつかずじゃないですか? さらに、ちょっとググってみると「シマウマは草食動物だけど、クジャクは食うらしい」という記事も見つけました。いろいろな動物がいる中、あえて日本人をシマウマにしたのは上記の理由からかもしれません。

9. パイがぶるぶる震えた理由
話が前後して申し訳ありません。パイが救命ボートの覆いを少し上げて、中にいるリチャード・パーカーを覗き込むシーン。リチャード・パーカーはパイを睨んで吠え、パイはぶるぶる震えます。3回目を観た時に私はやっと気がついたのですが、トラの斜め後ろにシマウマとハイエナの死骸が転がっていました。2回目まではパイはリチャード・パーカーを恐れて震えているのだと思っていたのですが、3回目を観てから私の考えは変わりました。パイはシマウマ(日本人の船員)を救えなかったことで自分を責めると同時に、ハイエナ(フランス人コック)を殺してもなお荒ぶるリチャード・パーカー(今まで知らなかった自分の真の姿)の恐ろしさに震えたのではないでしょうか?

10. 嵐について(1)
映画『ライフ・オブ・パイ』のここがおかしい、よくわからない(要注意:ネタバレしまくりです) (2)」の「5. 救命ボートの謎」で、嵐の話を書きましたが、3回、4回と作品を観て私の記憶がずいぶん間違っていたことに気がつきました。大変申し訳ありません。嵐が始まったのは夜ではなく昼で、パイがリチャード・パーカーに見せようとしたのは激しく波打つ海ではなく、空からの不思議な光でした。その光をパイは神だと認識したわけですが、パイのその態度に対して神の怒りが下されたように私は思いました。つまり、神としては今初めてパイの前に現れたのではなく、ずっと彼のそばで彼を守ってきたのに、パイはそのことを認識していなかったことに怒ったのではないかと。さらにパイは「なぜトラを怖がらせるのです?」と口ごたえ(!?)するわけですが、神ご自身はトラを通してではなく、パイ自らが神と向き合うことを望んでおられたように思いました。パイがそのことに気がついたのかどうかは正直わかりません。ただ、この嵐の後、パイとリチャード・パーカーの関係がかなり変わったように思えました。

ふー、長くなってしまいましたが、今回はこの辺にしておきます。この続きはまた後日ということで。

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