ムーの悲劇

まあ年末やし散髪行っておこうという人は、少なくないだろう。


うちの店でもまるりん父さんとムーがさっぱりとした頭になっていた。


ややや？ムーの様子が…


今日散髪行ったら耳切られちゃいました。（なぬ～！）

ムーの耳はバンドエイドで固められていた。

散髪行って耳切られたなんて４３年間聞いた事ないし…



私ならブチ切れていたかもしれない。


ムーも言うてやろうと振り返ったら耳切った若い女の子は、

自分のした事にビビッて手が震えていたと…

闘争心が失せたムーは、なんとか落ち着かせようと


「落ち着きや～そうそう、何の話してたんやった？クリスマス何してた？の続き話して～や」

なんて心優しい我が息子。ママは涙が出そうやった。


そして散髪終了～女の子は耳のバンドエイドを新しいのと変えようと剥がした瞬間～



耳の血は止まっておらず着てる服にポタポタと落ちた…


しかし、黒い服やし血がついても、わからないんでって～


どこまでお人よしなんや。その女の子と、もしかして恋が芽生えるかも～


いや、つめが甘いしメアドとか聞いてないやろ…


それより店の責任者の応対はどやねん！

もちろん、散髪代金は受け取らなかったと。当たり前や。

なんかありましたらとか、店に飲みに来るとか、うちの息子傷つけてからに…

だんだん腹立ってきた


しかし本人は、血が止まれば問題ありませんしと、いつものように仕事をしていた。

大将に言うたら、苦笑いしてた。ムーらしいと思ったんかな？



きっと、まるりんなら震える女の子の手を握りかえし微笑み、

責任者が男で対応悪かったなら怒り狂っていただろう。

むらっちなら、素早く連絡先を交換してそうやな。

たにおは、きっとニコニコしているだろう。

悦郎なら、大丈夫やで～って散髪代金無料になった事にすんませんって誤りかねないやろう。

マスター阪本はあ～やっちゃっいましたか…と悠長に話てるやろう。



あなたなら、どうします？


多分、この出来事は今年のムーの災難ベスト１だろう。（間違いない・・・）