四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

晩秋の野山へ

2014-11-06 16:07:00 | 南多摩
10月30日

アサギマダラ探索にまた別の低山地を歩きました。ススキの穂が斜面に揺れていました。




キタテハが1頭静かにアザミで吸蜜中。


アザミとキタテハ

日向斜面のベンチで昼食を摂っていると、林からルリタテハが舞い降り、さらにテングチョウが3頭続けて下りてきて日光浴をし、飛び去って行きました。

歩みを進めると、ようやくアサギマダラにばったりと出会い、足元から飛び立って樹木の葉に止まりました。角度が悪く、触覚が隠れてしまいましたが、そこそこきれいなメスでした。


アサギマダラ♀

その近くで別のメスにも出会う。やはり足元から飛んで林床で食草探索していました。昨年の同じ時期(11月3日→こちら)には、その日と同じように咲いていたコウヤボウキでの吸蜜シーンをあちこちで楽に撮影出来ましたが、この日出会った3個体は吸蜜せず敏感で撮影が難しく感じました。日によって随分様子が異なり戸惑いました。

コウヤボウキでは、今回はキタキチョウの吸蜜が目立ちました。


コウヤボウキとキタキチョウ♂


コウヤボウキとキタキチョウ♂(別個体)

この日、キタキチョウが極めて多く、オス18頭、メス7頭、不明5頭の計30頭目撃しました。性別判定は、翅の色の目視(オスでは鮮やかな黄色、メスでは淡黄色)によるものです。

ムラサキシジミが葉の表に止まっては飛ぶのを繰り返していましたが、日光浴の開翅シーンは午前中しか見せないのでしょうか、翅を閉じたままでした。


ムラサキシジミ(12:25)

翅を閉じた別個体を内蔵フラッシュ撮影しました。今回の撮影条件(シャッタースピード優先モード、※参照)では、フラッシュ撮影の同調速度が250分の1秒に設定されます。その250分の1秒のシャッターが閉じる直前に瞬間的に閃光が発せられ(後膜発光)、ムラサキシジミがその光に反応して翅をわずかに開く動作が写り込まれていました。体全体も揺れています。目視では驚いたように翅を少し開き直ぐに閉じているのが見えました。ものすごい素早い反応に驚くばかりです。


別個体(12:33)

「小畦川便り」のダンダラさんはさらに大きい反応、すなわち閉じた翅が開いて飛び立つ瞬間を観察しています(→こちら)。何回もストロボ発光を繰り返すと、段々慣れてきて今回のように少し翅を開くだけになったとのことです。
「みき♂の虫撮り友人帖」のみき♂さんは、開いた翅がストロボ光で閉じるという逆の反応を撮影しています(→こちら)。
それぞれ微妙に異なった反応を撮影したことになりますね。

サラシナショウマ、ヤクシソウも咲いていました。


サラシナショウマ


ヤクシソウ

※カメラ : NIKON D7000
レンズ : AF-S Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED + Kenko N-AF 1.4X TELEPLUS PRO 300

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クロマダラソテツシジミ

2014-11-01 17:01:00 | 
10月24日

クロマダラソテツシジミは南アジア~東南アジアに分布する蝶で、日本には見られませんでしたが、近年、南西諸島や九州南部では定着しているようです。神奈川県では2009年、2011年に発生しましたが、厳冬期を乗り切れないため途絶える運命になっています。今年は3年ぶりに発生。あまり数は多くありませんでしたが、新鮮な♂が良いモデルを努めてくれました。

最初は、半開翅の写真から。すべて同一個体(だと思う)。
前・後翅の外縁寄りでは、太陽光の反射角度から外れると淡紫色を呈していました。






クロマダラソテツシジミ♂

裏面には波模様があり、尾状突起があります。
ウラナミシジミに比べると小さく、動きが活発ではありません。地面に下りることもありますが、ヤマトシジミのように地面をはうように飛ぶことはありません。



翅表を上向き、横向き、下向きで撮った写真です。
太陽光の反射角付近になると、前翅の前縁や翅の基部周辺が輝く水色を呈していました。







クロマダラソテツシジミは2011年に見損なっており今回が初見です。なかなかきれいですね。次回は低温期型を見たいものです。

※撮影場所のお問い合わせにはお答えしかねるのでご了解ください。
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