皆さんのご家庭にトランプ(プレイングカード)があれば、見てもらえば一目瞭然ですが、スペードのエースだけ、複雑に描かれています。
これは、スペードのエースがトランプ52枚のうちで、一番強いカードだから、というわけではありません。
15世紀前半、ドイツで生産された木版刷りのトランプが、イギリスに多く入ってきました。それに対しイギリス政府は、輸入禁止や輸入関税を設けて対抗していたが、1628年には国内で生産されたトランプにもカード税を課すようになったのです。
1710年、イギリスで、管理局のスタンプが押してないカードは、発売禁止という法律ができました。そして、押し場所が、どういうわけか、スペードのAceだったのです。
さらに1765年、「このトランプは、確かに税金を納めています」という納税証明として、スペードのAに製造者の名前を記入することを義務づけました。
その後、スペードのAceだけを国家で印刷し、それを業者が買って一組をそろえるという方法にかわりました。
こうした状況によりスペードのエースは「デューティーエース(duty ace税金のエース)」と呼ばれていたそうです。
しかしながら、税金があれば必ず脱税する者が現れるのは世の常です。
政府が市販品と同じようなエースを印刷しているうちに偽札ならぬ偽エースが出回りはじめました。
そこで政府がとった行動は偽札対策と同じで、複雑で簡単には偽造できないようなデザイン模様にしたのです。
いまでも、スペードのエースが大きく描かれていますが、大きく描かれているのは複雑な模様のなかに偽カード対策をもりこんだ結果の名残なのです。
ちなみに日本でも、課税されています。1902年に施行された骨牌税(こっぱいぜい)法により税が課されるようになり、1957年には同法が改正されトランプ類税法となったそうです。
この法律の規定により、パッケージに証紙を貼る事が義務化されていましたが覚えている方も多いと思います。しかし、これは1989年の消費税導入時に統合廃止されました。
尚、先日の「トランプの絵札」の記事に関する補足ですが、ハートのキングだけにヒゲがないのは、ドイツの木版職人が誤って削ってしまったという説もあるそうです。
したっけ。
行き着く先はみんな同じだけど、生きているうちは元気に頑張っていきましょう。
スペードのエースってなんかかっこよくて好きでした。
こんな意味があったんですね。
この画像、
なかなかいいですね。
また都月さんが作ったのね。じょうず