地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

グリーゼ581c

2007年05月04日 20時07分34秒 | 大気圏外ネタ


先月末に発見され、報道される機会が多くなっているSuper Earth 
(巨大地球型惑星)に分類されるグリーゼ581cについてまとめ
てみました。

母恒星であるグリーゼ581から0.07天文単位(AU)しか離
れておらず、13日という非常に短い周期で公転しているものの、母
恒星の質量が我等が太陽の3分の1、明るさは50分の1の極く低温の
赤色矮星(スペクトル分類 M2.5V)なのが幸いし、グリーゼ581c
の推定表面温度は摂氏0度から40度と見込まれています。

かてて加えて、グリーゼ581cの直径は地球の1.5倍、質量は約5
倍程度しかなく、これまで発見された220個以上の系外惑星のなかで
は最も小さいものです。


(グリーゼ581cと地球との大きさ対比。木星サイズの系外惑星しか
探知できなかった当初の測定精度に較べ、ここ1~2年の精度向上
には目を見張るべきものがあります)

欧州宇宙機関が先ほど打上げたコロー(Corot)や、来年NASAが打
上げる地球型系外惑星探査機ケプラー(Kepler)、さらにはTPF
(Terrestrial Planet Finder)なんかの観測で、地球類似サイズ
の系外惑星が、今後続々と発見されることと思います。

Wikipediaによれば、このグリーゼ581cの大気成分や厚さ、表
面に水が存在するか否かは現在のところ不明。表面の重力は地球の
2.2倍、と我々にはあまり芳しいとも思えない部分もあるにはある
のですが、このぐらいの重力ならば対応可能な動植物はいくらでも
いそうです。

そうした中、少し懸念されるのは、グリーゼ581のスペクトル分類が
M2.5Vであること。

恒星の分類法の一つ、スペクトル分類では、表面温度による分類で
O>B>A>F>G>K>M、の順に恒星表面の温度が低くなっていきま
すので、このグリーゼ581、もっとも低温の部類にカテゴライズ
されているわけです。

で問題は、その最後の記号「v」についてです。この記号の意味は、
恒星内での核融合反応が不安定で「閃光星」であることを意味して
います。

あまりにも小さく弱々しい恒星なので、やっとこさ核融合反応して
はいるものの、吹き上がりの悪いエンジンが時々エンストしてしま
いそうになる状態と似ており、安定感の無い反応を繰り返している
のではないか、と思われます。

この恒星、発見されたのはかなり早く、西暦1863年には、既に
ドイツの天文学書籍に記載されておりまして、140~150年の
間に1度以上閃光した事実を観測されたものと思われます。

母恒星の燃焼が安定しないことにより、惑星表面の環境が激変する
ことは容易に想像できます。

地球にも幾度となく訪れた氷期程度の環境変化ならば、生命が
グリーゼ581cに存在したとして何とか生き延びることは可能か
もしれぬとも思いますが、そんなものとは桁違いの激変が、度々
惑星表面を襲うとするならば、継続的生命存在は難しいのではない
か、と考えたりもします。

ま、そのあたりは、これから天文学者たちが色々考察してくれるで
しょうから、楽しみにしていれば良いわけで。



(グリーゼ581cから母恒星グリーゼ581越しに、背後の天球を見た
と仮定した、図。我らが太陽は「Sol」として、おうし座の向かっ
て右前足つま先に冴えない暗い星として見えるらしいです。ふたご
座のポルックスからおうし座のアルデバランを結ぶ線を更に伸ばし
た所に見えるはずだとのこと。20.4光年(およそ200兆㌔)
離れた場所で見たと仮定すると、おうし座もオリオン座もふたご座
もやや歪むんだとか)


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ハビタブル・ゾーンで初の発見

sorae.jp April 27 - 2007 - RSS

欧州南天天文台(ESO)は2007年4月25日、「グリーゼ(Gliese)581」
と呼ばれる恒星のハビタブル・ゾーン(注1)から、地球型惑星を発見
したことを発表した。恒星系のハビタブル・ゾーンから地球型惑星が発
見されたのは今回が初めて。

「グリーゼ581」は太陽よりも小さく、赤色矮星に分類される恒星で、
てんびん座方向、地球から20.5光年離れた場所に位置している。一方、
今回発見された惑星は、「グリーゼ581」から約0.07AUしか離れておら
ず、13日という非常に短い周期で公転している。半径は地球の1.5倍、
重さは約5倍、地球と同じく岩石でできていると考えられている。さらに、
推定表面温度は摂氏0度から40度で、もし水が存在しているのであれば、
液体として存在することができる。

もちろん、今回の観測で、直接液体の水を検出したわけでもなく、生
命の存在も確認されていないが、観測チームのザビエル・ドルフス
(Xavier Delfosse)氏は「生命にとって液体の水は重要な物質で、
今後、太陽系外生命を探査する時、この惑星は最も重要な対象となる
だろう」と述べ、生命の存在に期待している。

なお、今回の観測はチリにあるESOの3.6m望遠鏡に搭載された観測機
器「HARPS(High Accuracy Radial Velocity for Planetary Searcher)」
を使用したもので、同装置を用いた観測で、2006年5月にも、海王星
に似た太陽系外惑星が発見されている。

注1)ハビタブル・ゾーン:恒星系の中で、水が液体状態で存在でき
る領域のこと。そのような領域に惑星があると、生命誕生の可能性が
高いと言われている。恒星の種類、大きさなどによって、ハビタブル・
ゾーンの範囲は変わってくる。

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地球に最もよく似た系外惑星

日本惑星協会 ホット・トピックス 5月2日号

最も地球によく似た系外惑星が発見された。Gliese581cと呼ばれる
この系外惑星は、地球から20.5光年離れたてんびん座の方向に位置
する赤色矮星(Gliese581)の周囲を回っている。直径は地球の1.5
倍、質量は約5倍で、これまで発見された220個以上の系外惑星のな
かでは最も小さい。Gliese581cの表面は地球のように固い岩石で覆
われていると考えられている。

Gliese581cは、南米チリにある欧州南天天文台(ESO)の口径3.6m
の望遠鏡で観測した、ジュネーブ天文台(スイス)のステファン・
ユドリー博士及びミカエル・メイヤー博士を中心とするスイス、フ
ランス及びポルトガルの天文学者からなる国際チームにより発見さ
れた。

ESOの望遠鏡は、周囲を回る惑星の引力で生ずる主星のゆらぎ(惑星
が主星の前を通過する際に起こる主星の光の波長の非常に微妙な変
化)を測定出来るHARPS(High Accuracy Radial Velocity for
Planetary Searchers)と呼ばれる超高感度の分光計を搭載してい
た。ガス状の巨大惑星に比べ、地球型惑星は小さく明るさが極めて
低いため、地上の観測は非常に難しいと考えられていた。

Gliese581cは13日間の周期で公転している。表面の平均温度は0~
40℃で、周回軌道は生命の誕生に不可欠な液体の水が存在し得るハ
ビタブル・ゾーン(habitable zone)に位置している。主星の
Gliese581は、質量が太陽の3分の1、明るさは50分の1に過ぎない。

Gliese581の周囲には、更に二つの惑星が存在する。一つは非常に
近い軌道を5.4日間の周期で公転し質量が地球の15倍ある海王星並
みの大きさの惑星で、もう一つは質量が地球の約8倍で主星からは
遠く離れた最も外側の軌道を84日間で公転している。

太陽型の星と比較すると、光がはるかに弱くしかもハビタブル・
ゾーンが近い赤色矮星は、地球型惑星探査の最も重要な対象となる。
また、Gliese581cのように公転周期が短い惑星は、主星のゆらぎ
を測定する機会が増すので、地球型系外惑星を発見する可能性は高
まる。

「今回の発見は、地球サイズの系外惑星探査に向けた大きな前進で
ある」とユドリー博士は述べている。NASAは2008年10月、史上初
の地球型系外惑星探査機ケプラー(Kepler)を打ち上げる予定であ
る。

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グリーゼ581

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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グリーゼ581 データ
分点 J2000.0
星座 てんびん座
赤経 15h 19m 26
赤緯 -0.7° 43' 20"
視等級 (V) + 10.55
距離 20.40 光年 (6.26 パーセク)
特徴
スペクトル分類 M2.5V
他の名称
HO Librae, HIP 74995, Gl 581, BD-07°4003
グリーゼ581(Gliese 581)は、太陽系から約20.40光年離れたM2.5V
型の赤色矮星である。1863年にBD-07°4003として、フリードリヒ・
ヴィルヘルム・アルゲランダーによって出版されたBD catalogueで
初めて知られる。ドイツの天文学者、ウィリアム・グリーゼ
(Wilhelm_Gliese)にちなんで名づけられた。


グリーゼ581b
地球より17倍の大きさ。


グリーゼ581c
ハビタブルゾーン内の軌道を持つ可能性が高く、生命が存在する事が
可能な表面温度(推定0~40 ℃(32~104 °FF))を持つ岩石型の惑
星(地球型惑星)と期待されている。但し大気の成分や厚さ、表面に
水が存在するか否かは現在のところ不明である。表面の重力は地球の
2.2倍である。
また惑星質量が地球の5倍と、太陽系の地球型惑星と比較してやや大
きい為、グリーゼ876dと同じくスーパー・アース;Super Earth 
(巨大地球型惑星)に分類される。


グリーゼ581d
地球の約8倍の大きさで、周期は84日。



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