地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

Gliese 581系に最軽量の惑星がまたまた発見された、と

2009年04月26日 23時47分58秒 | 大気圏外ネタ


4月24日付報道。既に3つの惑星が発見されている「グリーゼ
(Gliese)581」系に4つ目の惑星が発見されたとのこと。新たに発見さ
れた惑星もこれまでに発見されていたグリーゼ581を公転している3つ
と同様に「スーパー・アース;Super Earth(巨大地球型惑星)」にカテ
ゴライズされるものです。

この発見は、HARPS(High Accuracy Radial Velocity for Planetary
Searchers)と呼ばれる超高感度の分光計により、周囲を回る惑星の
引力で生ずる主星のゆらぎ(惑星が主星の前を通過する際に起こる主
星の光の波長の非常に微妙な変化)を測定することによってなされま
した。HARPS自体の性能を少しずつ向上させ続けた欧州南天天文台
の地道な努力の結果が具現しているものと思われます。

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AstroArts天文ニュース4月23日『もっとも軽い系外惑星を発見』より

【2009年4月23日 ESO(European Organisation for Astronomical
Research in the Southern Hemisphere=欧州南天天文台)】

恒星Gliese 581は太陽よりもはるかに暗いが、興味深い天体だ。これ
までに3つの惑星が見つかっていて、そのうち1つはGliese 581から適度
な距離にあるため、液体の水が存在するかもしれない。さらに、今回新た
に見つかった4つ目の惑星は、質量が地球の1.9倍。系外惑星の最軽量
記録を塗り替えた。


Gliese 581は、てんびん座の方向約20.5光年の距離に位置する、太陽
よりも小さな恒星(赤色矮星)である。Gliese 581のまわりには、これまで
に3つの惑星が発見されている。発見順に、Gliese 581 b(質量は地球の
16倍)、Gliese 581 c(同5倍)、Gliese 581 d(同7倍)である。

スイス・ジュネーブ天文台のMichel Mayor氏らの研究チームは、ヨーロッ
パ南天天文台のラ・シーヤ天文台3.6m望遠鏡に備え付けられた分光器
「HARPS」を使って、Gliese 581のまわりに4番目の惑星「Gliese 581 e」
を発見した。惑星の公転にともない、Gliese 581が人間の早歩き程度の
速さでわずかに震えているのを検出したのである。


(太陽系とGliese 581系のハビタブルゾーン(帯状の領域)の比較。縦軸
が恒星の質量、横軸が恒星からの距離(AU=天文単位)。(提供:ESO,
Franck Selsis (Univ. of Bordeaux)))

Gliese 581 eの質量は地球の約1.9倍と、これまでに知られている系外
惑星のなかではもっとも軽い。岩石惑星である可能性が高いと見られて
いる。公転周期は3.15日で、恒星に近すぎて生命が存在する可能性は
低い。

一方、2007年に発見されたGliese 581 dは地球よりもはるかに重いもの
の、液体の水が存在するかもしれない。Mayor氏らはGliese 581 dの軌道
をより正確に求め、公転周期が従来の計算値よりも小さい66.8日であると
発表した。Gliese 581が太陽よりもはるかに冷たい星であることを考えれ
ば、これは水が蒸発せず凍りもしない範囲(ハビタブルゾーン)である。

研究チームの一員でジェノバ天文台のXavier Bonfils氏は「赤色矮星のま
わりで、ハビタブルゾーンに位置する地球のような惑星の検出は可能な
はずです」と、今後の成果を確信している。

Gliese 581の惑星のデータ
惑星名    質量(地球=1) 公転周期(日) 公転距離(AU) 離心率  発見年
Gliese 581 b    15.6       5.37       0.041    0      2005
Gliese 581 c    5.06      12.9       0.07    0.17     2007
Gliese 581 d    8.3      66.8       0.22     0.38    2007
Gliese 581 e    1.9      3.15       0.03     0       2009

(質量は、見積もられる最低値。1AU(天文単位)は、地球と太陽の平均
距離)


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さて、4つものスーパーアースを持つグリーゼ581系について少し考えて
みることにします。

まず、最も主星グリーゼ581に近い位置に公転軌道を持つ今回発見された
グリーゼ581eです。地球の1.9倍の質量しかなく、サイズ的(重力的)には
最も生命保持の可能性が高いのですが、如何せん主星に近すぎです。
光がはるかに弱いM型の赤色矮星であるとは言え、グリーゼ581eの地表
は数百度に熱せられているのは確実で、生命保持の可能性は低いものと
思われます。

次に主星に近い位置を回っているグリーゼ581bも、やはり主星に近すぎ
ます。質量が地球の15.6倍以上あり、おそらく分厚い大気を持っている
はずで、その大気も暴走する温室効果で数百度になっていることかと。

3番目に主星に近いグリーゼ581cは、数年前の時点では最小の系外惑星
のレコードを保持しており、このブログの記事にしたこともありました

公転軌道の位置は、液体の水が存在し得るハビタブル・ゾーン(habitable
zone)の内縁ぎりぎりにあり、質量は地球の5.06倍。生命保持の可能性
を考えるに非常に面白い惑星ではあります。ただ、やはり温室効果が暴走
しているかもしれません。

発見されている惑星の中で最も外側を回っているグリーゼ581dは、ハビタ
ブル・ゾーンの外縁部に近い場所に公転軌道を持っています。かなり冷た
い表面温度でありそうな印象ですが、質量は地球の8.3倍。考えるにかなり
厚めの大気を保持している可能性が高く、我が太陽系の火星などよりよほど
暖かい地表であるのかもしれません。このd惑星は内側の3つ以上に面白そ
うですが、生命保持可能性に対しての欠点が一つ。軌道離心率が0.38と大
きく、公転軌道が真円からはかなりかけ離れた長円形であるということ。公
転する中で、ある時点では主星に近づき温暖な気候となるが、反対に主星
から離れたタイミングでは激しく寒冷な気候となるということを示します。地
球上の緯度ごとの差異などとは桁違いの気候変動となっているはずです。
ただし、地球よりはるかに大きく重い惑星ですから、濃く厚い大気を持ってい
るのもまず確実。大気が気候変動をかなりの比率で緩和してくれるでしょう
から、よりマシな地表温度であることも充分考えられます。

このグリーゼ581、我等が太陽系からは比較的近い位置(20.4光年(およ
そ200兆㌔))にあり、観測しやすい恒星の中のひとつです。今後の精査が
待たれる処です。



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    平面研削も行います。
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    しました。

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