地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

うろつきアーカイヴス 2004年初冬・新疆ウイグル&四川&山西&北京の巻(その2)

2009年04月24日 00時00分56秒 | うろつきアーカイヴス
新疆ウイグル自治区の主都ウルムチでの3日目。

午前中いっぱい、かの地2軒目の代理店にて表面処理技術説明と
PR活動・新疆ウイグル全域での自然条件に応じた営業展開手法
などヒアリング。

全世界に名前轟くタクラマカン砂漠が広がる地域です。硬質クロム
めっき被膜、すぐに摩耗していくんだとか。

さもありなん、です。

2軒目の代理店でも「飯、喰いに連れて行ってやる」とのお申し出を
頂戴しましたので、おっかなびっくりで出かけました。

連れて行ってもらったのはウイグル料理レストランでした。


(店内、壁は基本的にイスラムブルー。天井の高い1階とそれに面し
た中2階があり、僕を含めた一行はチャージがいかにも高そうな中2
階席へ。余計な出費させました。代理店さん、ありがとう)


(1階ではウイグル楽曲の演奏が)

食材はやはり羊がメインでしたが、良さげな店構えであることから知
れる通り、辛い中にもやや上品さが。ラストに出たオアシスフルーツ
数々の写真を撮っていなかったのが悔やまれます。


(トイレへの通路、天井はドーム。タペストリーが見事でした)

長~い昼休みタイム、レストランを出てモスクとバザール周辺に出向
きました。


(バザール入口です。左奥にはモスク。11月末のウルムチの気温は、
昼間でも零度ちょっとでした)


(でかいドームのモスクです。周囲の尖塔も見事)

写真左手前のバザール棟に入ってみました。


(スナック菓子としてたくさんの種子が山盛りに売られていました。
漢族と思われる店主の人相・眼つきこそ最悪ではありますが、
商品は美味そうでした。後ろに写っている女性が前面に立って販売
なさるならばきっと良い売上となることでしょう)


(ウイグル被服売りのおばちゃんが愛想よく色々と話しかけてきま
したが、当方、ウイグル語は一言も解しません。返事出来ず申し訳
ないことでした)


(バザールを反対側に出ると、薄緑のタイルで飾られたモスク。この
手の小振りなモスク、中心市街地のあちこちにありました)

午後は、ウルムチ3軒目の代理店を訪問。中国全土の5分の1を占
める広大な新疆ウイグル自治区を代理店3社で管轄しているとのこと。
分公司を数ヵ所ずつ保持し、出来る限り最大限キメ細かいサービスを
行なっている模様でしたが、百数十万平方㌔の広大な地に、総計10
や15の拠点を構えているのみでは、いき届くはずもなかろーと思わ
れました。

で、夕刻になり、またもや晩飯喰いに連れだされることに。

晩飯にお付き合い下さったのは3軒目の代理店の屈強な面々多数。
中にはウイグル的タルキッシュな面構えの方もおいででした。

ここからがオオゴトでした。

3晩連続となる羊を中心とした食材は、この際まあ仕方ないとして、
最悪に困るのはアルコール度数50度を軽く超える白酎(バイヂュウ)を、
同席していただいている酒豪ヅラした先方スタッフ一人ひとりと「カン
ペー(乾杯)」せにゃならんこと。中国の乾杯にはグラスのアルコール
を一気飲みせにゃならん鉄の掟が含まれています。先方は5名、こち
らは2名(うち、Lさんは朝のうちから体調悪の予防線張っていますの
で実質1名の孤立無援)。グラスは150cc程度の中の小サイズ。そ
れに3分の2ぐらい注いじゃあ、プーヤオ(不要)と言っても断りきれぬ
カンペーの繰返しでした。

早く宿に帰って布団に倒れ込みたい、と思っているうちに2杯3杯とカ
ウントが進み、意識水準が低下し始めました。

5杯だったか6杯だったかで不覚にも撃沈となり、意識不明に。代理店
の若い衆2人に両肩を担がれ宿まで連れて帰らされたと、後日ヒアリン
グ。

数時間後に意識が戻ってから後は、全く止まらない吐き気を制御でき
ず、ベッドとトイレを往復すること数十回でした。

翌朝、ウルムチ発10時半の飛行機で次の目的地成都へ向かわねば
なりませんでしたので、何としても体力を回復させねばならぬ、と気持
ちを奮い立たせても内臓が全くついてこない状態のままでしたが、
それでも何とか空港行きの車に乗り込みました。途中、何度も路肩に
嘔吐しつつ空港についてみると、朦朧とした意識の元でさえ通常とは
やや空気が違う出発フロアの雰囲気に気が付きました。

聞いてみると、「極く細かい氷霧が発生し空中を漂っている為、エン
ジン保護を目的として全ての離発着を見合わせている」とのこと。

日本ではまず聞いたことの無い「空中に滞留する氷霧」っちゃー何じゃ
ろ、とも少し考えましたが、こちらは未だ吐き気がとれない身。とりあ
えずロビーに座りこんでへたばりポーズを決め込んでも誰からもクレー
ムつけられない周辺環境となったことを、その時点ではむしろ喜ばしく
思っていました。

氷霧が空港周辺を漂う状態、10時半の出発予定時刻を遥かに過ぎ
ても離陸見合わせは解消されず、空港ロビーは後から後から入って
くる搭乗予定客で溢れんばかりに。

12時13時14時と、だんだんとアセトアルデヒドの影響下から脱出し
ていった僕でしたので、15時も廻る頃には大騒ぎとなっているターミ
ナルビル内のルポルタージュ作成宜しく、カメラパシャパシャしておりま
した。


(ご覧の通り、見た目は立派で近代的なターミナルビルなのですが、
サービス水準は極めて低位)

飛ぶとして、いつになったら各地行きの離陸が始まるのか、それとも
キャンセルとなってしまうのか、全くアナウンスがありません。その上、
手荷物だけは何時間も前に預けてしまっていますので、迂闊にターミ
ナルビルを離れることも出来ません。

17時を過ぎる頃にはかなり殺気だった雰囲気となり、預けた手荷物
を返せ、とカウンター上に登る搭乗客が出始め、「これ、もうちょっと
ヒートアップすると暴動になるんでないかい?」と、高見の見物を決め
込みながらも緊張の水準線を少し高くしておりました。


(カウンター奥に向かって「預けた手荷物を返せ!」と詰め寄り始め
た群衆。カウンター内の係員たちは知らん顔で無視を通しているか、
気の弱い係員は別室に避難しているかのどちらか)

19時を過ぎ、空港長からのアナウンス。「今日はもう飛ばない。
行先別に預かった手荷物は、今から荷物仕分け室を開放するので、
勝手に持ち帰ってもかまわない」との、何とも無責任でびっくりな
内容でした。

さて、それから、普段は部外者厳禁なはずの荷物仕分け室への
専用通路を、他人の手荷物をもかっさらってしまうかもしれぬ他の
搭乗客たちと猛ダッシュで競争し、幾つもうず高く積み上げられた
目的地別各種手荷物の山群の中から「成都行き」の山を見い出し、
己の手荷物を他人にふんだくられぬ様に素早く分別し、なんとか無
事に回収することが出来たのでした。

二日酔い明けで身体が重い、なんてな悠長なことを言っている余裕
など微塵も無し。

おまけに、ターミナルビルを後にするまでの間、荷札と荷物チケット
の照合など一切ありませんでしたこと、付けくわえさせていただき
ます。預けた手荷物を回収出来なかった方々がまず間違いなく続出
したであろうこと、容易に想像出来ます。僕は運良く取り戻せまし
たが。

で、朝、嘔吐しながら後にした宿に、冷たい霧の中逆戻りし、もう
一泊したのでした。

翌朝、改めて空港へ行くと、またしても氷霧の影響で離陸叶わず。
ひと冬このままウルムチ居住となるかもしれぬ、洒落にならないに
もほどがある、と思い始めた午後、前日よりは少しは気温が上がっ
て氷霧が薄れてくれたのか、ようやく、離陸が開始されるので早く
用意しろ、とのつっけんどんなアナウンスとなりました。

結局、遅延トータル時間は実に28時間。おそらく、この地のヘビー
な気象条件に対応出来る様に設計されていない脆弱なハードウェ
アが根本的な原因だったのではないか、と考えられます。氷霧の
中、有視界飛行では危なくて離発着出来やしないよ、と。

常々、中国のアバウトぶりにやられ放題の僕ですが、数あるイレ
ギュラー群の中でも、この回のウルムチ二日酔い&氷霧延発
事件こそがとりわけ特筆すべき最悪の大騒ぎでした。

前日の昼過ぎには着いていなければならない成都にやっとこさ着
いたのは、翌日の宵の口でした。この時点で、当初立てておいた
代理店訪問予定はボロボロに。

                    (断続的不定期に続きます)



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   所在地:福岡県久留米市津福本町1978-1 へお願い致します。

● シリンダーロッド・シャフト・ピストン・フロントフォークインナーチューブ
    ・ロール等円筒形状機械部品のクロムめっき再生(クロムメッキと
   全部カタカナ書きするのではなく「クロムめっき」または「クロム鍍金」
   と書くのが日本語的には正解)が得意です。

● 窒化クロム・窒化チタンアルミ・酸化クロム・窒化チタンクロム・
    窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティング
    生成します。
● 無電解ニッケル-リンめっきの軽金属上への析出、他被膜との積層処理
    可能です。被膜の付加価値向上にお役立て下さい。

● ローター・ファン・クランクシャフト等のバランシング(回転体釣合せ)
● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
    平面研削も行います。
 フレーム溶射による、短納期での寸法・形状・機能の復元加工開始
    しました。

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