昨日21時からの
NHKスペシャル 『黄金のアルキン~中国・天上の大秘境を行く~』
を見ました。新疆ウイグル自治区の最南端、西蔵自治区・青海省との省境付近にある
ほぼ無人に近い平原(平均標高4000m)を本邦初公開するとした番組でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/33/34ce85d9cf73ff48a50b584922e0c5d3.png)
(チャルリクの町からさらに南の3省境に近いあたりがアルキンです。九州よりやや
広い面積の土地に、居住者は約20人。砂漠と湿原と崑崙山脈が全て)
番組を見ていて、僕が去年10月に上海のお客様と一緒に営業活動していた、青海省
の格尓木(ゴルムド)にかなり近い地域の特集であることに気づきました。
近いと言っても直線距離でおおよそ300km。あくまで中国西域の距離感覚として、
近いわけですが。
アルキンほどではありませんが、ゴルムドも平均標高3000m。やはり乾燥し尽く
した砂漠・塩漠・崑崙山脈が特徴の未開の地です。
これは、僕の体験も書かねばなるまい。写真もあることだし。
という、かなり強引な入りで、青海省の格尓木(ゴルムド)と柴達木(ツァイダム)
盆地について、昨年末に一度サラッと流した内容を、もう少し掘り下げて書いてみま
す。
上海から西安→青海省の省都 西寧(シーニン)まで、まず飛びました。ここで格
尓木行きに乗り継ぎです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/67/5403ab58bca3b14d38b8eee6fc7d04f5.png)
(青海省の位置図です。省の北東端に近いところに西寧市があります。ここから、省
の西北側に位置する格尓木まで、入り込みました)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/27/734e614d83dbe1c62a027d98e8a7efa0.jpg)
(西寧空港。すぐそばまで黄土の禿山が迫っています)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/35/eadc955725fb0bd6da2b642dc43f802a.jpg)
(空港ビル、というか空港棟。極々小さいですが、地上係員がお辞儀しているのが
驚きです。中国のこんな田舎でも、サービス業の何たるか、がとうとう理解され始
めたのかもしれません)
乗り継ぎ待ち時間が数時間ありましたので、空港棟の外をうろうろしていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/7a/2c034254d7d9cbd34d7967e68eed4e91.jpg)
(空港のすぐ外には別世界が広がっていました。煉瓦造りの民家)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/e6/1885a70dff6161b3d56f42e6b0be920e.jpg)
(極度に乾燥しており、風の強い日には粉塵がすごいだろうと、容易に想像できます)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/81/6a4a9758afca5a08ffe51d9e498daf45.jpg)
(学校です。子供達が縄跳びをしていました。五星紅旗が掲揚されています)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/aa/edfc12badb3c0ef69f32f775c9f209bc.jpg)
(学校のさらにずっと向うの方角には、重畳たる山並みが。ここから南はずっとヒマ
ラヤまで続く世界の屋根です。平地は、数千キロ先のガンジス川沿いまでいかねばあ
りません)
出発までの時間を無為に過ごし、ようやく離陸です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/a3/9d4c5993ed9b8abe28c7ff1e04735470.jpg)
(30分も飛ぶと左手眼下には崑崙山脈が見え始めました)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/fe/cda10c11402b4228edb4fb9b4241c9c5.jpg)
(手前に見える砂漠の標高が3000mぐらいですから、山頂は5000mぐらいは
ありそうです)
標高3000mの砂と塩の平原がひろがる柴達木(ツァイダム)盆地の南端に、
格尓木(ゴルムド)はあります。市街地人口は7万人ほど。青海省西部最大の
都市です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/81/929b46a4343814f739669289c50ffec3.jpg)
(格尓木空港。西寧空港よりよほど立派です。こんなに立派なのに定期便は週にたっ
たの2便しかありません)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/48/b09069925310e3d0dd0de8df02038e19.jpg)
(東南方向に、崑崙山脈の前山が見えます)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/6b/f6235da0dcb3aec2f3265a4cb8d27f47.jpg)
(真南に、西蔵(チベット)自治区の省都拉薩(ラサ)へ向かう道路と建設中の鉄道
が延びる谷あいが見えました)
連絡バスで格尓木市街地へ入ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/cc/7ea8230aef37193fa62b01acacc1fb19.jpg)
(道路標識です。左へ行くと「鉄道駅 1km」、右は「江源路」、そして直進は
「拉薩(ラサ) 1158km」。スゲーッ、普通こんな大きな数字の距離表示しま
す?)
翌朝、柴達木(ツァイダム)盆地のど真ん中まで車で乗りつけます。街から120
キロぐらいありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/ec/45fd2e003fd75a4425ca3bcaac5da247.jpg)
(盆地の中央部です。向うの方遠くに見える山地は、盆地の北側を縁取る祁連
(チーレン)山脈。最高峰は5800mを超えます。二千年前は、匈奴の隠れ家
だったとか。乾燥した空気越しに見ていますので近くに見えますが、実際は100
キロ以上離れています)
(ちなみに写真左に小さく見えるトレーラーハウスは、ここで土木作業をしている方
のお住まいだそうです。たった一人で数箇月、ここに寝泊りするんだとか。大した精
神力です。よほどの高給を貰っているものと思われます)
あたり一面、塩の砂漠です。大昔の塩湖が干上がってしまったものです。
ここに産出するナトリウムやカリウム・カルシウムを精製する工場がこの近所に
あります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/0b/a518505b2ebdaf776960e99d16ee9894.jpg)
(土中にはまだ大量の水を含んでいますので、排水用の溝を掘っていました。溝と
いっても大きいです。池町川や高良川よりずっと広くて深いです)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/4c/4883ed10762cafc725db305eb37d2752.jpg)
(その水の色といったら! 塩分濃度が極く濃いので、あやしげな緑色をしています。
水分が抜けるといきなり塩の結晶となります。「土」というものがほとんど見えません)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/42/f5e8bbb036f2926c4dc60887ae10b896.jpg)
(このあたりは塩の産地として開発されています。祁連山脈まで、ずーっと塩の砂漠
なんだそうです)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/08/cb6f90171b4eae4de15e7be9b616cea7.jpg)
(ツァイダム盆地の西の方角を望みます。今、考えるとこちらがアルキンの方向。
300kmほど移動すれば、昨日の番組の地点だった訳です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/cd/70cee6a5cd68e1e481d54f94898bed85.jpg)
(全て塩の地面ですから草木は全く生えていません。異様な光景です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/fe/11d3e11d98816a6f9711273af1851d4e.jpg)
(帰り道。地平線の果てまで真っ直ぐに伸びた道路)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/38/bbc9bc3af40d3c37334cc7a8ea3c391a.jpg)
(格尓木市街地へ戻ってきました。人里です。ほっとします)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/ad/fbe70086b7daf65bcd03eb8090d47032.jpg)
(植えてまだ幾らも経っていないので、まだ小さいポプラたち。街全体が新しい殖民
都市です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/20/c0d63be2e77bfc6c8c194c7bf1869bfb.jpg)
(街中にイスラム料理屋がありました。羊料理を食べました)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/6c/59dfe3db5be9c7a02cf93045d6cf59f0.jpg)
(週2便しかない飛行機を待っている訳にもいかないので、夜行列車で西寧まで戻り
ます。標高4000mの峠を越えて行きます)
実際、深夜の峠越えで、息が苦しくなって目が醒めてしまいました。
翌朝からの西寧→蘭州→西安は、また、次の機会に書きます。タール寺でチベット帽
を買った時のエピソードなど。
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