地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

冥王星は「準惑星」にカテゴライズ

2007年03月21日 20時54分44秒 | 大気圏外ネタ


冥王星は「準惑星」=新分類の日本語表記を決定-日本学術会議小委員会


3月21日14時1分配信 時事通信

 日本学術会議の小委員会は21日、国際天文学連合(IAU)が昨年8月に開
いた総会で決めた冥王星の新分類「ドワーフ・プラネット(Dwarf・Planet)」
について、日本語では「準惑星」と表記することを推奨すると決めた。仮訳の
「矮(わい)惑星」は推奨しない。4月に開く同会議の幹事会での承認を経て、
正式決定する。

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おそらく『矮』の字に差別的印象を感じるだとかいう理由で「準惑星」との
カテゴリー和訳になったのでしょうが、「矮惑星」だっていいやん、と思った
のは僕だけか?

Dwarfを「矮」や「小」ではなく「準」と捻じ曲げて訳出するのはいかにも苦
しげです。


現時点でIAU(国際天文学連合)が準惑星としている天体は以下の通り。

IAUが決議案採択の時点で「Dwarf・Planet(準惑星)」の例として示したのは
以下の3つです。

冥王星 天体の細分類:冥王星族 直径:2306±20km 質量:~1.305×10の22乗kg
    軌道傾斜角:17.14175° 軌道離心率:0.24880766 軌道長半径:39.52944AU
    公転周期:248.54年 自転周期:6.387日(逆行) 衛星数:3

エリス 天体の細分類:散乱ディスク天体 直径:2400±100km 質量:~1.5×10の22乗kg
    軌道傾斜角:44.177° 軌道離心率:0.4416129 軌道長半径:67.7091AU
    公転周期:557年 自転周期:不明  衛星数:1

ケレス 天体の細分類:メインベルト小惑星(アステロイド) 直径:975×909km
    質量:9.5×10の20乗kg 軌道傾斜角:10.581° 軌道離心率:0.080
    軌道長半径:2.767AU 公転周期:4.60年 自転周期:0.377日 衛星数:0


天体の細分類については以下の通り。

※冥王星族(プルーティノ族):エッジワース・カイパーベルト(EKBO)天体
 の中の1種で、公転周期が、海王星の公転周期と3:2の関係にある。軌道長
 半径は39~40.5AU。

※散乱ディスク天体:エッジワース・カイパーベルト(EKBO)天体の中の1種
 で、海王星などの惑星の影響を受けて、軌道の離心率が大きくなった天体。
 離心率が大きく、遠日点ではエッジワース=カイパー・ベルトの外縁を超える。
 EKBOとは一線を画した天体群として分類すべきと唱える学者もいる。

※メインベルト小惑星(アステロイド): 木星軌道と火星軌道の間に存在し、
 太陽からの距離が約2~4AU(天文単位)の範囲に集まっている。この
 領域を小惑星帯 (asteroid belt) と呼ぶ。現在では太陽系外縁部の小惑
 星帯と区別するためにメインベルト (main belt) とも呼ばれる。


他にも太陽系小天体を分別するカテゴリーが数々あります。

トゥーティノ族…軌道長半径が48.0~48.5AUで、海王星の公転周
期の2倍の周期を持つもの。

キュビワノ族…軌道長半径が41AU以上で、離心率が0.15以下のもの。
族名は、この群を代表する小天体:(15760)1992 QB1(キュービーワン)に
ちなむ。

ケンタウルス族…軌道長半径が30AU以下。木星軌道と土星軌道の間にあり、
彗星起源と考えられている。木星などの摂動を受けやすく、軌道は不安定。

さらに、「拡張散乱ディスク天体」や「内オールト雲天体」など、標準的EKBO群
よりもずっと遠方を公転する小天体もありまして、それこそ「キラ星のごとく」
多種多様です。


今後、さらに以下の天体が準惑星に分類される可能性があります。

名称       細分類      サイズ(直径または長径)   公転周期

ベスタ    メインベルト小惑星      468.3km        3.63年

ジュノー   メインベルト小惑星      233.9km        4.36年

パラス    メインベルト小惑星    570×525×482km     4.6167年

ヒエギア   メインベルト小惑星      407.1km        5.56年

イクシオン   冥王星族           822km以下      248.6269年

オルクス    冥王星族          840~1880km       247.94年

カロン     冥王星族            1186km       248.54年 
                   ※冥王星の衛星というか二重惑星というか

2005 FY9(通称イースターバニー)
        キュビワノ族        1600~2000km      309.87年

2003 EL61(通称サンタ)
        キュビワノ族      1960×1520×1000km     285.4年

クワオアー   キュビワノ族         1250±50km      285.92年

ヴァルナ    キュビワノ族          ~936km       283.20年

2002 UX25   キュビワノ族          ~910km       277.31年

2002 AW197  キュビワノ族          700±50km     327.2468 年

2002 TX300  キュビワノ族          900km以下     282.84年以下

2002 TC302  散乱ディスク天体        1200km以下     408.03年

セドナ     内オールト雲天体      1180~1800km      12050年



今現在の太陽系天体、かなり複雑です。惑星名9つと少しの衛星・彗星・小惑星を
覚えておけばよかった3~40年前の初等中等教育の頃とは訳が違います。



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高度290㌔まで噴き上げる火山

2007年03月07日 08時08分01秒 | 大気圏外ネタ


ニューホライズンズは、木星に最接近した5時間後に、3つの火山が
同時に噴火している第一衛星イオの写真を送信してきました。


(北極に近い場所にあるツバシュター火山の噴出物は表面から290㌔
の高度にまで噴き上がっています)

月より一回り大きなイオですが、地球より引力が弱いとは言え、290
㌔もの高さにまで噴いている恐るべき火山活動。人間がイオに降り立つ
のは、かなり危険かと思われます。

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木星に最接近(2月28日)した約5時間後、探査機ニュー・ホライゾンズ
は、衛星イオで噴火している三つの火山の同時撮影に成功した。搭載カ
メラがイオから250万km離れた位置から太陽光を背に明るく浮かび上がる
噴火の様子を撮影した。

この画像は、イオの夜の面(右)を際立たせるために昼間の面(左)を
意図的に長時間露出過多にした状態で撮影された。イオの北極に近いツ
バシュター火山からはプリューム(噴出物)が290km上空まで達していた。
イオの火山の噴火がこれほどはっきりと撮影されたことは今までに例が
ない。ツバシュター火山の噴火は1999年11月、木星探査機ガリレオによ
り発見された。

昼間の面の縁の中央には、噴火するプロメテウス火山が約60km上空へプ
ルームを噴き上げている。夜の面の南ではマスビ火山が噴火している。
また、中央の明暗境界線に沿って、幾つかのエベレスト級の火山が並ん
でいる。ガリレオ衛星の中で木星に最も近い軌道(木星の中心から約42
万km)を回るイオは、強力な木星の重力で引き起こされる潮汐力の影響
でゆがめられる。火山活動はこのゆがみの作用で生ずるエネルギーで起
こると考えられている。

イオ(直径約3640km)は、太陽系で火山活動が最も活発な天体で、高温
の液状のプリュームが火口や地表の裂け目から噴出する。噴出した液状
の物質はガス化するが、地表に降り注ぐと再び液化すると考えられてい
る。暗い噴火口の周囲は、硫黄を含んだ白色や暗赤色の堆積物で覆われ
ている。 

スイングバイで加速したニュー・ホライゾンズは、今後3ヵ月間にわたり
木星を観測し、数百枚の画像や科学データを地球に送ってくる。冥王星へ
の到着は2015年7月の予定

日本惑星協会 ホット・トピックス 3月7日号 から

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もし、肉眼で見ることができたならば、火口から290㌔も噴き上がる
噴出物の眺め、さぞや物凄いことでしょう。

そのうち探査機が着陸するんやろね。



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ニューホライズンズの木星最接近、終りました

2007年02月28日 23時28分56秒 | 大気圏外ネタ


数時間前に「ニューホライズンズ」が木星に最接近しました。

スイングバイにて増速し、冥王星に向けて若干進路を変えています。


(木星にはおよそ220万㌔までしか近づきませんでした。スイングバイ
により23.08㌔/秒まで増速しています)

昨夕の段階では21.63㌔/秒でしたから1.45㌔/秒のスピード
アップを27.5時間のうちにしたことになります。

木星の引力、恐るべし。


「ニューホライズンズ」からみえている木星とその衛星たちの写真をアップ。


(氷の層のしたには液体の「水」の存在が確実視される第2衛星ユーロパ)

地球の月よりほんのちょっとだけ小ぶりの大きさ(直径3,130㌔)で
す。月と違ってクレーターをほとんど視認できません。木星の引力による潮
汐作用で星自体が大きくたわむ為、液体の水が存在し、表面の氷の層も絶え
ず流動するので、表層の氷も更新されているものと思われます。

いずれ、探査機が着陸し、表層の氷を溶かして内部の液体水部分を潜水探査
する、などとNASAは構想しているらしいです。



(第3衛星にして太陽系最大の衛星、ガニメデ)

今回の「ニューホライズンズ」の木星系接近に際し、もっとも位置関係
が良かったガニメデの写真です。といっても350万㌔の距離からの
撮影ですが。

およそ5270㌔の直径を持ち、第4衛星カリストや土星最大の衛星
タイタンなどとともに、惑星である水星なみのサイズです。

ガニメデはユーロパほどには木星からの潮汐作用の影響を受けていない
為、表面が「生きて」いる様には見えません。

泥と水の氷の混合物が表面から数百㌔の深さまで続いているのではない
か、と思われます。

最初に人類が足跡を残す木星の衛星はこのガニメデではないか、と一人
勝手に考えています。イオは頻繁に噴火する火山が多々あって危険だし、
ユーロパは内部の液体の水の中に生息しているかもしれない生命体に配
慮して慎重に研究しなけりゃならないので、一種の隔離病棟状態におか
れる可能性が高いだろうし、カリストはガリレオ衛星の中では最も木星
から離れているので木星研究に不向きという理由で。

もっとも、今からそんな予想したって、どうせ僕の生きているうちに木
星の衛星に人類が降り立つシーンを見られることもなかろう、と最近は
かなり悲観的になっています。

で、このガニメデ、若干の大気を持っているらしいです。タイタンには
遠く及ばない気圧ではあるらしいのですが。



(10年ほど前に木星大気中にできた「小赤斑」です)

有名な大赤斑は200年以上も前からずっと存在し続けている「太陽系
最大の大渦巻」ですが、この「小赤斑」はまだ新参者です。数年もすれ
ば無くなるものと思われます。そういえば海王星の大青斑もなくなっちゃっ
たらしいですね。

木星の写真と言えば大赤斑はつきものなのでしょうが、いずれかの将来、
大赤斑も消えうせることになるものと考えられているみたいです。

大赤斑の無い木星っちゃー、ちっと寂しいかも。


上記いずれの写真も、ニューホライズンズ積載の
Long Range Reconnaissance Imager(LORRI)にて撮影されたものです。

現在も刻々とニューホライズンズに蓄えられつつある木星系のデータは、
木星系から遠ざかり観測がひと段落した3月から4月にかけて、ぼちぼち
地球に送信されてくるとのこと。

木星スイングバイし、さらに数箇月後以降は、2010年に土星軌道と
天王星軌道の中間あたりで小惑星「クラントル」の観測を行なうまでの間、
特にするべきこともなくなります。

木星系のデータ送信終了後は、電力を喰う大容量の測定機器は休眠に入り、
「クラントル」観測の際を除いて、冥王星系遭遇まではただやみくもに
宇宙空間をすっ飛んでいくだけの存在になるらしいです。

冥王星系到着というか通過まで、あと3057日です。 いやはや...



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ニューホライズンズ、もうすぐ木星最接近

2007年02月27日 18時05分07秒 | 大気圏外ネタ
これからの24時間ぐらいが、冥王星までの道程でもっともエポックメイク
な木星最接近タイムです。

つい先ほどの「ニューホライズンズ」の位置図です。そろそろ木星に
最接近です。木星まで277万㌔強のところにいます。


(第4衛星カリストの軌道にかなり接近しますが、残念ながらカリストは
木星の向こう側。他のガリレオ衛星も位置関係が悪いです)

地球から38万㌔離れた、直径3500㌔弱の月を見るのと、277万㌔
離れた地点から直径143000㌔弱の木星を見るのとでは、後者が
見た目5.6倍の大きさとなります。

仮に、「ニューホライズンズ」に人が乗っていたとして、1時間ほど前の
段階では、地球上から見る月の5.6倍の直径の木星がおがめていたわけ
です。

スピードも、木星に引っ張られて21.63km/秒にまで上昇しています。

最接近後はまた少しずつダウンし、ずっと減速していくばかり。



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「木星接近・スイングバイ」って、もはやありふれたことなんだろうか?

2007年02月25日 00時04分31秒 | 大気圏外ネタ
数時間前の時点で、「ニューホライズンズ」の木星までの距離は、665万㌔
でした。

地球⇔月 間距離の17倍ぐらいの位置まで近づきました。


(速度は19.96km/秒です。数週間前より500㍍/秒ほどスピードが上がりました。
木星の引力のおかげです。まだまだ速くなっていきます)

木星最接近時のガリレオ衛星との位置関係はどんなもんでしょうか?

良好な角度で撮影・観測できれば良いのですが。

ちなみに、木星⇔イオ 間距離は約42万㌔、木星⇔ユーロパ 間距離は約67万㌔、
木星⇔ガニメデ 間距離は約107万㌔、木星⇔カリスト 間距離は約188万㌔です。

「ニューホライズンズ」は、カリストの軌道のさらに外側を通過しますので、
木星接近とは言っても、かなり遠い所を通過していくわけなのですが。


過去、木星に接近・スイングバイ・周回した探査機は以下の6機です。


①1973年12月に木星まで約13万キロメートルまで最接近したパイオニア10号

②1974年12月4日に木星に最接近し、3万4千㌔まで近づいたパイオニア11号

③1979年3月5日に木星に34万9千㌔まで近づき、スイングバイしたボイジャー1号

④1979年7月9日に木星に最接近し、スイングバイしたボイジャー2号

⑤1995年7月から2003年9月まで、木星を周回しつつ観測を続けたガリレオ

⑥2000年12月30日に木星をスイングバイし土星へ向かったカッシーニ
 その際、木星を周回していたガリレオと木星の磁気圏を共同観測する
 「ジョイント・ミッション」を行ないました。


で、今回の「ニューホライズンズ」の木星接近は、史上7回目となるわけです。


はっきり言って、エポックメイクな意義はもはやあまりありません。天文学・
惑星学的意義も、冥王星探査の途中にスイングバイの為に立ち寄ったものです
ので、長期間周回したガリレオほどには見込めません。

だもんで、最接近を数日後に控えたこの時期でさえ、報道機関は大きくとり上げ
ておりません。

もはや、無人探査機の木星接近程度では、マスコミへのアピール度は高くはなら
ないのか?


ここである種の感慨。

子供の頃(1970年前後)には夢想の中にしかなかった木星系の光景も、ロボット
探査体の度重なる訪問により、当たり前の、あまりびっくりすることでもない
現実として、世間一般に認識される様になってしまっている2007年。これからは、
この傾向が一段と強まっていくことでしょう。


数日後に「最速の探査機が木星系を通過」と小さく地味に報道されるはずですの
で、各報道機関がどの様にアナウンスするのか注視しておこうと思っています。



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ニューホライズンズが撮影した木星系

2007年02月07日 22時41分52秒 | 大気圏外ネタ
久しぶりの「ニューホライズンズ」ネタです。


今、どのへんを突っ走っているかというと、


(数時間前の位置図です。秒速19.51㌔と、遅~くなってきました)


(で、木星までの距離、3400万㌔あまり。後20日ぐらいで木星に
最接近します)

と言っても、最接近時でも第4衛星カリストの軌道よりさらに外側を
かっ飛んで行くだけなのですが。

脇をすり抜け様、木星の運動エネルギーをほんの少しだけお裾分けして
もらい、増速します。



(数時間前に「ニューホライズンズ」が撮影した木星とガリレオ衛星の
映像です。ガリレオ衛星が4つとも鮮明に見えています)

火山活動が活発なイオは無理だとしても、ユーロパ・ガニメデ・カリスト
に人間の足跡が刻まれるのはいつ頃なのでしょうか?

まだ50年以上はかかることやろねー


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史上最速の木星接近

2007年01月25日 06時38分44秒 | 大気圏外ネタ
昨日現在で木星までの残り距離5500万㌔となった人類史上最速の人工物、
「ニューホライズンズ」ですが、木星接近を1ヵ月後にひかえ、そろそろ
マスコミにもとり上げられ始めました。


AstroArts より

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【2007年1月22日 New Horizons News】
2月に木星へ接近するNASAの冥王星―エッジワース・カイパーベルト探査機
「ニューホライズンズ」が撮影した木星の画像が地球へ送られてきた。人類
史上最速で木星を通過するニューホライズンズは、スイングバイによってさ
らに加速する。軌道修正と機器の調整がおもな目的だが、木星やガリレオ衛
星の観測にも期待が集まる。

2006年1月19日(米東部標準時)に打ち上げられたニューホライズンズは2015
年7月に冥王星に到着するまで、太陽系の中を飛行し続ける。その長い旅路で
最大級のイベントと言えるのが、木星への接近だ。

ゴールが遠いだけに、ニューホライズンズはこれまでにないほど速く飛んでい
る。木星最接近は2月28日と、打ち上げから1年1か月強。これに対し、外惑星に
次々と接近通過したNASAの惑星探査機パイオニア10号は、1年9か月かかった。
パイオニア11号は1年8か月、ボイジャー1号は1年6か月、ボイジャー2号は1年
11か月ほど。1989年に打ち上げられた木星探査機ガリレオは到着まで6年かかっ
ているし、土星探査機カッシーニの木星接近通過も打ち上げから3年2か月後の
ことだった。これまでの「最短記録」は、1990年10月に打ち上げられ、太陽周
回軌道に乗る過程で木星への接近を利用したESAの太陽探査機ユリシーズによる
1年4か月である。


(接近に先立ち、ニューホライズンズの撮像装置LORRIが撮影した木星と衛星イオ(右))

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ニューホライズンズが木星に近づく理由は3つあります。

もっとも肝心な目的は、スイングバイです。スイングバイとは、探査機が大
きな天体の近くを通過することで重力場を利用して軌道を曲げた上、加速す
ることです。ニューホライズンズは木星スイングバイによって現在の秒速
19㌔に加え、さらに4㌔の速度を得て、太陽から毎秒23㌔で遠ざかるこ
とになります。スイングバイがなければ、冥王星到達は早くて2018年に
なってしまいますが、スイングバイ効果で、到達予定は2015年。
3年もの時間が節約できます。

2つ目の目的は、動作確認。実際に天体へ接近したときに機器は正常に稼働
し、観測装置は予定どおりデータを取得し、地球へ無事に送信できるかどう
か、予行演習します。

そして最後の目的は、木星とその衛星の観測。探査機が木星に接近するのは
2003年にガリレオが役目を終えて以来のことで、しかもニューホライズ
ンズの次は2016年木星到達予定の探査計画「ジュノー」を待たねばなり
ません。木星にもっとも近いときで230万㌔の距離を通過するニューホラ
イズンズは、その前後、1月から6月までの5ヶ月間で700回にもおよぶ
観測を行います。観測時間と取得するデータの量は、主目的である8年後の
冥王星探査にも匹敵するとのことです。今回の木星探査には決して「事のつ
いで」と言えないほどの価値があります。

もっとも注目を集めそうなのが、2005年12月に出現した「中赤斑」を
はじめとした木星の大気構造の観測です。有名な大赤斑とほぼ同じ色で地球
ほどの直径を持つ木星の嵐、中赤斑に探査機が迫るのは初めてです。最接近
時に望遠撮像装置LORRIを使えば、ハッブル宇宙望遠鏡の10倍もの解
像度が得られるとのこと。

他にも、木星のオーロラの観測、木星を取り巻く環の観測、4つのガリレオ
衛星の観測などが予定されています。


(木星の横を通り抜けるニューホライズンズの想像図)



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2006年の言葉「プルート(冥王星)」って他動詞なんですか

2007年01月13日 10時49分45秒 | 大気圏外ネタ


数日前の報道から。

「プルート(冥王星)」が、2006年の言葉として米方言学会で選ばれたらしい
です。

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asahi.com 2007年01月09日 から

 「あまり仕事をさぼっていると、プルート(冥王星)されちゃうぞ」――。米方言
学会は、昨年夏に従来の惑星から矮(わい)惑星となった「プルート」を、「06年
の言葉」に選んだ。米国では、「プルート」が「降格させる」、受動態にした「プルー
テッド」が「降格させられる」という、新たな意味で使われているという。

 冥王星は1930年の発見以来、太陽系の9番目の惑星とされていたが、昨年8月
の国際天文学連合(IAU)総会で惑星の「新定義」が決議され、矮惑星となった。
以後、「プルート」は「降格させる」「価値を減らす」という意味の動詞として使わ
れ始めた。

 冥王星は従来の9惑星の中で唯一、米国人が発見した。このため、冥王星発見の年
にディズニーアニメ「ミッキーマウス」に登場したミッキーの飼い犬が「プルート」
と名付けられるなど、米国では冥王星への愛着が極めて強い。それが、言葉の意味の
変化に即座に表れた形だ。

 同学会の新語委員会委員長のウェイン・グロウカ教授(米ジョージア州立大)は今
回の選考結果について「宇宙からの指名だった」とジョークを交えてコメントした。

 学会は1889年創設で、言語学者、辞書編集者、歴史学者、作家ら、北米大陸の
英語や方言の研究者が会員。17年前の1990年から、その年を象徴する新語や造
語の中から「今年の言葉」を選んでいる。

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昨年8月に「惑星」の座からふるい落とされ、「矮惑星」さらにその中で「トランス
・ネプチュニアン天体(海王星以遠天体)」というカテゴリーに分類される様になっ
た冥王星ですが、何と!、「降格させられる」という他動詞として2006年を代表
する言葉となってしまいました。

自国の天文学者が発見したただ一つの惑星だったのに、その実績が無くなった米国人
が半分かた悔し紛れに、後半分は洒落で選定したものです。

ちなみに、『冥王星発見者→トンボー(米国)』 『海王星発見者→アダムス(英国)、
ルベリエ(フランス)、ガレ(ドイツ)』 『天王星発見者→ハーシェル(英国)』 です。


その代わりと言ってはなんですが、「あんたがた米国人は国力と科学技術力に物を言
わせて、冥王星とカイパーベルトにまで探査機飛ばしているんだから充分でしょー」
とか、さりげなく米国人を慰めたりします。

「冥王星」を惑星の座からひきずり降ろす原因となった、冥王星より10%も大きな
カイパーベルト天体である「エリス(2003UB313)」を発見した(してしまった?)
のも米国人です。ま、いいやん、ということで。

これから先、冥王星より大きな「矮惑星」はまだまだたくさん見つかるはずですし、
今後は、『特別ないきさつのある、最も有名で、最も愛されている矮惑星』の座こそ
が永久に冥王星のもの、という部分に満足するべきでしょうね。



で、その冥王星に向かって飛び続けている「ニューホライズンズ」の現在位置ですが、


(数時間前の位置図です。スイングバイする予定の木星まで、0.5天文単位(約7500万㌔)
のところまで来ています。来月終わり頃に、「冥王星行きの最速の探査機が木星接近」
とのタイトルの元、ニューホライズンズによって撮影された木星の近接写真がたくさ
ん披露されることと思います)

現在のスピードは19.89km/sec。地球を離れた1年前に較べ、太陽に引き戻されて毎秒
10㌔も遅くなっていますが、木星スイングバイによって幾分かスピードアップします。

スピードをどのぐらい取り戻せるのかは、その時点でのお楽しみ。

冥王星までの距離は26.81天文単位です。こっちの数字はなかなか減った様な気になり
ません。まだ8年もかかるんか~



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「ドップラー遷移法」と「トランジット法」

2006年12月29日 19時27分28秒 | 大気圏外ネタ
フランス国立宇宙研究センター(CNES)は27日、カザフスタンにある
ロシアのバイコヌール宇宙基地から、「第2の地球」ともいえる太陽系外の
惑星を探す探査機「コロー」を打ち上げました。

【ワシントン27日共同】

太陽以外の恒星を回る惑星は、1995年にスイスのチームが発見して以来、
約200個が見つかっていますが、そのほとんどは木星の様な重いガス惑星
で、固体惑星である地球にいるような生物は生存できません。コローは地球
の大きさの数倍までの固体惑星の発見をできる能力の観測装置を持ち、生物
存在の可能性が高い岩石の地表を持つ地球状小型惑星の発見を目指します。

協力している欧州宇宙機関によると、コローは地球の周囲を回りながら、口
径30センチの光学望遠鏡を使って約2年半の間に12万個以上の恒星を探
索。惑星が恒星の前を通過する際に、恒星からの光がわずかに暗くなる現象
を検知して惑星発見に努めることになります。


(欧州宇宙機関提供の「コロー」活動想像図。「コロー」が未知の惑星を発見
・観測している図なのでしょうが、どうも変です。何十・何百光年も離れた恒
星とその惑星がこんなに近くに見えているわけ無いやん。画描いた人、ホント
に意味分かってるのかな~)


これまでに発見された太陽以外の恒星を回る惑星(系外惑星)のほとんどは、
「ドップラー偏移」を利用して間接的に発見されたものです。惑星がその周囲
をまわっていると、恒星は微妙にふらつきます。それは惑星と恒星は、その重
心を中心にお互いにまわっているからです。恒星の方が圧倒的に重いので、恒
星はほんのわずかしかふらつきませんが、惑星の公転と同じ周期で運動します。
同様なことが、ハンマー投げの選手とおもりの旋回の際にも発生していますの
で、室伏選手の投擲の際の回転シーンをイメージすればよいと思います。


(惑星は恒星の周りを廻るのではなく、共通重心の周りを廻るのです。恒星にも
同じことが言えます)

太陽は、木星の影響で、半径 0.005天文単位の円を約12年 (木星の公転周期)
でまわっています。速さは 秒速13メートル程度。このような恒星のふらつきに
よって、恒星からの光は「ドップラー偏移」をひきおこします。動いているもの
から発せられる音、例えば救急車のサイレンは、近づくときには高くなり(波長
が短くなる)、遠ざかるときには低くなります(波長が長くなる)。
恒星から出る光にもサイレンの音と同様の習性があるのです。

つまり、惑星がまわっていると、恒星からの光の波長は周期的に長くなったり
短くなったりするということが言えるわけで、この周期変動を観測することに
よって惑星を間接的に発見することができる様になりました。周期の長さから
惑星の軌道半径(中心の恒星からの距離) がわかり、その軌道半径と変動の
振幅から惑星の質量の最小値がわかるのです。真の値は視線方向と惑星軌道面
がなす角が決まらないとわかりませんが。


(観測している恒星が近づいてくる時はその波長は短くなり、遠ざかる時は長く
なります)

重い惑星、軌道半径の短い惑星ほど、恒星のふれ速度は大きくなります。つまり、
恒星のすぐ近くを高速で回転する木星型の大質量惑星、いわゆる「ホット・
ジュピター」は発見しやすいのです。反面、軌道半径の大きな惑星 (例えば
太陽系の土星や天王星、海王星などの長い公転周期を持つもの)や、軽い惑星
(例えば地球型惑星)は、存在していたとしても現時点の観測装置の精度では
検出できません。


ドップラー偏移法とは別の系外惑星の発見方法の中で有力なものに、トランジッ
ト法と呼ばれるものがあります。

惑星の軌道面が、われわれから見て ちょうど真横になっている場合には、惑
星が ときどき恒星の前を横切って我々の視線にとっては影を作ることになり
ます。そのとき、観測している恒星は、みかけ上、一時的に減光することにな
ります。この恒星面通過(トランジット)による減光で惑星を検出する方法を
「トランジット法」と呼んでいるのです。


(「ドップラー遷移法」と「トランジット法」の関連説明図)

系外惑星新発見の方法としてのトランジット法の利点は、ドップラー偏移法に
比べて、遥か遠方の恒星の惑星も発見できることです。恒星の光の精密なドッ
プラー偏移観測を行なうためには、明るい恒星、つまり近い恒星でなければ
なりません。つまり、ドップラー偏移法で発見できる惑星は比較的近いものに
限られるわけです。一方、トランジット法は単に周期的な減光がわかればいい
ので、遠く暗い恒星が持つ惑星も発見できます。

ただ問題は、惑星軌道面が視線方向にほぼ一致している必要があるため、惑星
があっても恒星面通過が起こる確率が小さいということです。恒星の直径をD、
惑星軌道半径をRとすると、軌道として恒星面通過が起こる確率はD/πRで、恒
星面通過が実際に起こっている瞬間に当たる確率はさらにD/2πR程度。太陽の
ような恒星でR=0.05天文単位のホット・ジュピターが あった場合では、D/πR
は1/15程度なので、観測したときに恒星面通過にうまく当たる確率は 数百分
の1になります。軌道半径Rが大きな惑星では確率はもっと下がります。
(例えば、R=5天文単位の 木星だと 数百万分の1)。このため、惑星新発見の
ためには、銀河中心や 星団などの方向を狙って、十万から百万個 というよう
な 非常に多くの恒星を 継続的に 観測し続ける ということがなされています。
これまでに恒星面通過かも知れないという減光は 数十以上の恒星で観測され、
そのうちのOGLE-TR-56の減光はまず間違いなく、惑星によるものだとされてい
ます。

今回打ち上げられたフランスの「コロー」や、近々に打ち上げが予定されてい
る米国の人工衛星「ケプラー」は、それら惑星トランジット観測専用宇宙望遠
鏡を搭載しているわけです。

一方、トランジット法は系外惑星新発見の方法としてだけでなく、すでにドップ
ラー偏移法で見つかっている系外惑星のデーター補強にも極めて重要です。
HD209458という7.6等級の恒星には、ドップラー偏移法によって、軌道半径0.045
天文単位のホット・ジュピターが発見されたのですが、トランジット法によって
も 惑星の存在が確認されました。ドップラー偏移法とトランジット法という、
全く異なる方法で確認されたことにより、惑星の存在は 100%揺るぎないものに
なったという意義も大きいですが、ことはそれだけではありません。

恒星面通過が 観測されたことによって、惑星軌道面の向きが精密に計測され、
惑星質量を高い精度で求めることができ、さらにそのことから惑星の密度も計算
できます。減光率は恒星と惑星の断面積の比に他なりません。恒星の半径はその
恒星スペクトルから推定できるので、結果として惑星の断面積も求めることが
できます。芋づる式に、その質量と断面積から惑星密度がわかります。これは
惑星の組成に対して、非常に重要な情報となります。さらに、惑星が恒星面通
過中、恒星の光の一部は 惑星の大気を通過してくるので、恒星面通過中とそれ
以外のときのスペクトルを比べることにより、惑星大気の情報を引き出せすこと
もできる様になります。

これら観測データから、惑星大気のナトリウムの量が推定されたり、惑星から
吹き出しているガスが 検出できたとする報告もあります。

このように既知の系外惑星についても、トランジット法が成功すると、ドップラー
偏移法だけの場合に比べて、惑星に関する桁違いに多くの情報を得られます。と
ころが、トランジット法による追試が成功したのは、まだ HD209458 のたった一
例に過ぎません。


ここまで、データ説明部分は、【 星ナビ.com 『系外惑星を探れ』】より


という局面で、さらに多くのトランジット法での系外惑星観測を行なうべく、
今回「コロー」が打ち上げられました。


今後、「コロー」により多くの系外惑星データが積みあがっていくことを期待
したい処です。


でも何故「コロー」と名付けられたのか、謎。バルビゾン派の画家の名なのに。



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最古参の火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」ついに機能停止

2006年12月24日 17時48分44秒 | 大気圏外ネタ


現役最古参の火星探査体「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の寿命がついに
尽きた様です。

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最古参の火星探査機が停止 9年観測、通信途切れる

 【ワシントン21日共同】米航空宇宙局(NASA)は21日、9年以上も
火星の上空で観測を続けていた無人探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」
との通信が途絶えて復旧は困難と発表、事実上の観測終了を宣言した。
 同機は1996年11月の打ち上げ。翌年から観測を始め、火星の表面や上
空で活動中の6機の探査機の中で最古参だった。当初2年の設計寿命を超え、
観測計画を4回延長、太古の川の存在を示す扇状地のような地形など、24万
枚以上の画像を地球に送信した。
 NASAの火星探査担当者は「期待を大きく上回った」とたたえた。
 同機からの通信は今月2日に途絶えた。太陽電池パネルを動かす装置が働か
なくなり、発電できなくなった可能性が高いという。
 今年3月に周回軌道に入った最新鋭の探査機「マーズ・リコネサンス・オー
ビター」で探したが、21日までに見つからなかった。

岐阜新聞:FLASH24 2006年(平成18年)12月24日 から

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(火星周辺ぐらいまでなら、動力源に太陽電池を使えますので、大変経済的)

火星までの内惑星探査ならば太陽電池、外惑星ならば原子力電池、というのが
定番。

近年、これら電力源の信頼性が高まったことで、数ある惑星探査体、当初計画
に数倍する実稼動年数が実現しています。

現在も火星表面を移動しつつ、健気に様々観測しているマーズ・エクスプロレー
ション・ローバー「スピリット」と「オポチュニティー」がまさにそれです。
太陽光発電システム技術の飛躍的進歩あってこその継続観測ですし、火星大気の
塵や砂がソラーパネルに降り積もり、火星表面に降り立ってからそれほど長くな
いうちに稼動停止となってしまうだろうと見込まれていたのが、「ゴースト」と
名づけられた火星表つむじ風の半定期的来襲のおかげでパネル上の砂塵がきれい
に振り払われ、現在も2台ともに健在なのもまた僥倖。


(火星表のつむじ風、いわゆる「ゴースト」です。一回肉眼で見てみたいもの
です)

「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の寿命は尽きましたが、現在、幾つ
もの探査体が火星表面や周回軌道で観測を続けており、今後も興味深いデータ
を送ってきてくれるものと思います。


原子力発電といえば、太陽系外周部をさらに遠ざかりつつある「ボイジャー1号」
「ボイジャー2号」も、健在の様でして、飛行位置を知らせるビーコン的発信
を今だ行なっているらしいです。

ボイジャーと言えば、僕が高校生だった時分に打ち上げられた探査体で、今もっ
て宇宙空間を現役として飛行しているというのは、やはり「天文学的驚き」です。

「ボイジャー1号」はすでに150億㌔程度、地球から離れたとのことで、これ
は、地球⇔太陽間距離のほぼ100倍、太陽⇔冥王星間距離の2.5倍、という
ものすごい所を、独りポツンと飛んでいます。

「地球から最遠方に存在する人工物」のレコードを、今後「ボイジャー1号」
は、80~90年ほど保持し続けるものと思われます。いずれそのレコードを
破るのは、いつも記事にしている「ニューホライズンズ」でして、何せ、史上
最速のスピードで冥王星を目指していますので、9年で冥王星に到達した後も、
ほとんどスピードを落とさずに、太陽系外部に突っ走り続けることになります。

ただし、現在「ボイジャー1号」が到達した距離と同等にまで「ニューホライズ
ンズ」が到達するまで、まだ22年以上かかりますし、その頃には「ボイジャー
1号」は、さらに110億㌔以上もの遠くへ行ってしまっているし、で、なか
なかこの最遠方距離到達レースは終わりになりません。

いずれは「ニューホライズンズ」がニューレコードホルダーになるのは確実なん
ですが。

「地球から最遠方に存在する人工物」の肩書きが、「ボイジャー1号」から
「ニューホライズンズ」に移動したとの報道を、今、この記事を読んでいる方の
中で何人の方が、耳目に入れることができるのか。

僕はちょっと無理かと。僕の生存中は、このレコードはずっと「ボイジャー1号」
のものです。


もっとも、今後、現在の水素+ケロシンエンジンに較べ、桁違いに推進力の優れた
エンジンの出現は充分に見込めますので、今はまだ計画さえ存在していない新し
い探査体がニューホルダーになる可能性の方が高いかもしれません。

「ニューホライズンズ」だって5年ぐらい前までは、そんなのホントに打ち上
がるのかな~、と思われていたぐらいだし、あの小さな探査体の為に、強力な
「アトラスⅤロケット(史上最も多い5基の補助ブースターを使用)」で、最速
の初速(打ち上げ直後の速度は、歴代の探査機の中で最高速度である36000㌔
以上)を与えられるなんて、思いもつかなかったことだし。


(今年1月の「ニューホライズンズ」の打ち上げ。補助ブースターをたくさん
取り付けているのが見えます。小さな探査体たった1個の為に贅沢なことです)

「ボイジャー1号」の原子力電池が90年後まで持つとは、さすがに思えません
が、「ニューホライズンズ」の原子力電池は、ボイジャーのものより遥かに
高性能であることは否めませんので、いずれ、恐るべき遠距離からの情報発信を
してきてくれるものと思います。


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ニューホライズンズと木星との距離が1AUを切りました

2006年11月29日 08時29分35秒 | 大気圏外ネタ
久しぶりの大気圏外ネタ。

ニューホライズンズは、冥王星とその他EKBO探査する途中で、スイングバイ
加速する為に木星の側を通り抜けます。

数時間前の位置図、以下の通りです。



地球から5.38AU。(1AUは地球⇔太陽間の平均距離。およそ1億5千万㌔)

木星までの距離、0.99AUです。

仮に、ニューホライズンズに人が乗っていたとしたならば、肉眼で見る木星は、地球上
で見る太陽・月以外で最も明るい金星の、更に何倍もの明るさで輝いて見えていること
と思います。

すでに、ただの明るい光の点としてではなく、面積を持った円盤として認識されている
ことでしょう。

ちなみに、冥王星まではまだ27.30AUもあります。遠いの~


今現在でのスピードは秒速20.82㌔。出発当初は、毎秒30㌔以上のスピードで
したから、だいぶ遅くなってしまいました。

木星スイングバイで、どの程度の速度に回復できるのかが、当面、興味深い処です。



ニューホライズンズのLong Range Reconnaissance Imager (LORRI) 「長射程調査
撮像器」が写した冥王星の初撮り写真が配信されてきました。


(まだ42億㌔も離れていますので、「何のこっちゃ」的光点でしかありません)






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「エリス」と「ディスノミア」

2006年09月16日 22時06分24秒 | 大気圏外ネタ
冥王星が「惑星」のカテゴリーから滑り落ち「矮惑星」に降格される引き金となった、
矮惑星2003 UB313とその衛星の正式名称が、国際天文学連合(IAU)の下部組織であ
る惑星システム命名ワーキンググループ(WGPSN)と小天体命名委員会(CSBN)により
決定されました。

「2003 UB313」の名前は「エリス」、その衛星は「ディスノミア」です。

「2003 UB313」については仮称「Xena(ゼナ)」と名付けられていましたが、あまり
にも普通の人の名ぽくって、重みもありがたみも何もあったものじゃありませんでし
た。「エリス」と「ディスノミア」の方が、天体らしさが数百倍漂っていて良いやん、
と思います。

で、どうせギリシャ神話かローマ神話から採ったんだろうけど、由来は何なの?、と
解説を読んでみると、オイオイ、ちょっとなー、な由来でした。



【2006年9月15日 IAU News】
太陽系10番惑星かと注目され、その後、矮惑星に分類された「2003 UB313」とその
衛星に正式な名前が与えられた。発表された名前は、それぞれ「エリス」と「ディス
ノミア」。名前の由来は、ギリシャ神話に出てくる不和と争い、混沌の女神だ。

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9月13日、国際天文学連合(IAU)の下部組織である惑星システム命名ワーキンググ
ループ(WGPSN)と小天体命名委員会(CSBN)において、矮惑星(dwarf planet)
「(136199) 2003 UB313」とその衛星の名前がほぼ満場一致で決定された。
2003 UB313は「Eris(エリス)」、衛星は「Dysnomia(ディスノミア)」である。

エリス(元・2003 UB313)は、2003年10月に米カリフォルニア工科大のマイケル・
ブラウン教授をはじめとした、ケック天文台、エール大学、ジェミニ天文台の研究者
たちからなる研究チームによって発見された天体だ。太陽系第10惑星ではないかと注
目を浴び、非公式ながらXenaという名前で呼ばれた。さらに、2005年9月にはその衛
星が発見されていた。

エリスという名前は、発見者である研究チームから提案されたものである。エリスは、
男性に嫉妬やねたみの心をかき立たせ、争いを引き起こす、ギリシャ神話の不和と争
いの女神だ。エリスは、ペレウスとテティスの結婚式に唯一自分だけが招かれなかっ
たことに猛烈に腹を立て神々の間に争いを起こすが、やがてそれがトロイ戦争へと発
展していったという。

また、研究チームを代表してブラウン教授から提案された衛星ディスノミアは、エリ
スの娘の名前で、こちらも混沌と争いの女神だ。エリス、ディスノミア共に、決して
穏やかな名前ではないが、惑星定義の火付け役、論争の元となった天体とその衛星に
ふさわしい名前がつけられたたといえるかもしれない。

AstroArts 天文ニュース 2006年9月 より


激しくネガティヴなネーミングです。せっかくの大発見なのに、そんなんでいいん
ですか?

エリスは、不和と争いの女神。ディスノミアは、エリスの娘で、無法の女神なんだ
そうです。

衛星「ディスノミア」は、仮称の段階では「Gabrielle(ガブリエル)」と大天使
の名前を戴いていたのに、「エリス」と対にしなきゃならなくなったので、こうい
う名にされてしまったものと思われます。激しい落差の降格名付けです。

かなりのとんでもなさ。これだから西洋人はわからん。ヤレヤレ

これから、数百年・数千年も使っていかなきゃならん名前なのにね。

子孫たちから、ネーミングセンスの無いご先祖やったんやなー、と言われる可能性大。

その発見と冥王星を巻き込んだ悶着も含めて面白がってもらうことを期待してつけた
のかもしれませんが。



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次はウィキペディア(Wikipedia)からの「ニューホライズン」データ

2006年09月13日 13時47分41秒 | 大気圏外ネタ
冥王星が格下げになってしまったので「惑星探査機」から「矮惑星探査機」に
なってしまった「ニューホライズン」のデータをウィキペディア(Wikipedia)
から抽出しました。

注視点と笑わせる点を太字にしています。



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この項目では惑星探査機について説明しています。英語教科書については
NEW HORIZONをご覧ください。


ニュー・ホライズンズ (New Horizons) はアメリカ航空宇宙局 (NASA) が2006
年に打ち上げた無人探査機で、人類初の冥王星探査機である。

目次 [非表示]
1 概要
2 日程
2.1 今後の予定
2.1.1 冥王星探査の詳細
3 搭載機器
4 外部リンク

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概要
打ち上げ費用は約7億ドル(日本円で約800億円)である。

本体の重量は465 kg(推進剤77kg含む)。本体を軽量にして、生じた余裕は速
度の向上に充てられた。発射後9時間で月軌道(地球から約38万km)を通過し、
13ヵ月後に木星をスイングバイする。月軌道および木星までの所要期間は史上
最短である。


太陽から遠くて太陽電池が使えないので、原子力電池を搭載している。星条旗
と、公募した43万人の名前も搭載された。冥王星を発見したクライド・トンボー
の遺灰も搭載されていたことが、打上げ後に発表された。

なお、当初、打ち上げは2006年1月12日(日本時間)の予定だったが、ロケット
本体の点検や天候不順などで再三延期された。 打上げに使われたアトラスロ
ケットには補助ブースター5基が取りつけられた。史上最も多くのブースター
を使用した、アトラスの打上げになった。

打上げ直後の速度は、歴代の探査機の中で最高速度である3万6000 km/h
以上である。
それに応じて、使用済みロケットの速度も速く、打ち上げロケットの最
終段である3段目は、探査機を分離した後も探査機にほぼ同行し、冥王星軌道を
越える。

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日程
2006年1月19日19時0分UTC(1月19日14時0分EST、20日4時0分JST:フロリダ州の
ケネディ宇宙センターに隣接するケープカナベラル空軍基地から、ロッキード・
マーティン社製アトラスV型ロケットで打ち上げ。
2006年4月7日10時00分UTC頃:火星軌道を通過。
2006年6月:小惑星帯に突入。
2006年6月13日4時5分UTC:小惑星 (132524) 2002 JF56を、101,867kmの距離から
撮影。
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今後の予定
2007年2月28日:木星でスイングバイを行い、21km/sまで加速。同時に、観測装
置を試験。
2010年頃:ケンタウルス族小惑星の(83982)クラントルに接近する。ここで、
一部の観測装置を再試験。
2015年7月14日:冥王星をフライバイ(接近通過)し、冥王星と衛星カロンを撮
影。最接近時の距離は10,000kmで、カロンの公転軌道の内側を通る。そのときの
速度は14km/s。
2020年頃:エッジワース・カイパーベルトを観測。
その後は太陽系を脱出する。
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冥王星探査の詳細
2015年2月14日:冥王星探査開始。
2015年4月後半:このころには、画像の画質が、ハッブル宇宙望遠鏡による最良
のものと同等になる。
2015年6月初旬:全ての観測機器が常時観測体制に入る。
2015年7月14日:冥王星へ最接近。
2015年8月後半:接近後の探査終了。
2016年4月後半:全てのデータを送信完了。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「ニュー・ホライズンズ」の項より


どうも「ニューホライズン」じゃなくて「ニュー・ホライズンズ」が日本での
翻訳名として定着してしまうみたいです。打ち上げ直後は、数あるテレビキー
局の中には、「ニューホライゾンズ」なんて、しゃらくさい言い方をするとこ
ろもありましたが、結局こうなりましたか。

日本語は英語の複数形を無視する傾向にあるので「New Horizons」とは書い
ても「ニューホライズン」と呼ぶ、ことになると思っていましたが、落としどころ
が違いました。

英語教科書との区別をする為かな?

元合衆国大統領の故レーガン氏を、マスコミでは、大統領選挙中までは「リー
ガン候補」と言っていたくせに、当選を果たすと同時に「レーガン大統領」と
呼び始め、その豹変ぶりに違和感漂いまくったことを、想い出したりしました。


で、2010年頃に接近するケンタウルス族小惑星の(83982)クラントルって何か
と言うと、


太陽系の小惑星のひとつ。土星と海王星の間を巡る楕円軌道にある。

2002年、NEAT(NASA地球近傍小惑星観測プロジェクト)によって発見され、
ギリシア神話のラピタとケンタウロスの戦いに登場する、ラピタ王ペイリ
トオスの結婚式に招待された勇者クラントルに因んで名付けられた。

2010年、冥王星探査機ニュー・ホライズンズが遠方から探査を行う予定である。


(青線が「クラントル」の軌道です。天王星に近い軌道を持っているみたい
です。直径:85? km 質量:?×10? kg 密度:? g/cm3、つまり、まだ何も
わかっていません)

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「クラントル」の項より





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「惑星」じゃなくなったって、冥王星は冥王星、ニューホライズンはニューホライズン

2006年09月05日 22時08分17秒 | 大気圏外ネタ
UTC(協定世界時)2006年9月5日12時現在のニューホライズンの位置です。

地球との距離3.91AU(天文単位=太陽⇔地球の平均距離)、
木星までの距離1.93AU、冥王星までの距離28.31AUです。

スピードは23.27㌔/秒とかなり遅くなりました。それでも第3宇宙速度である
16.7㌔/秒より早いですから、いずれ、ニューホライズンは太陽系を離脱してい
くことになります。


(木星まで2AUを切り、冥王星までの距離も29AUを切りました。図をチェック
している限りでは蝸牛のごとき歩みに見えますが、来年早々には、「史上最速の探査
機、木星にたった13箇月で到達!」とマスコミが囃すのは間違いありません)


(冥王星軌道まで入れた太陽系遠景図でも、「ニューホライズン」の軌道がそこそこ
見えてくる様になりました)


いくら、冥王星が「惑星」から「(仮称)矮惑星」に格下げとなったって、未踏の星
を探査する意味は小さくなりません。

ニューホライズンが冥王星に到達する2015年までには、さらにいくつもの巨大で
不可思議なEKBO(エッジワース=カイパーベルト天体)が発見されるでしょうし、
太陽系外縁部を調べる意義は、高まりこそすれ低くなることはありません。

ニューホライズンは冥王星にフライバイした後、さらに遠方に存在するはずのEKBO
に接近し探査することになりますが、今現在、まだ、どのEKBOを目標とするべき
であるか、定まっていません。

2015年までに、冥王星探査後にフライバイ可能な位置に、新たにEKBOが発見
されていればいいのですが。



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「惑星」の定義と「dwarf planet」の定義

2006年08月26日 10時08分27秒 | 大気圏外ネタ


周知のとおり、冥王星が降格されました。ノスタルジックに寂しがっても致し方あり
ますまい。


    国際天文学連合(IAU):太陽系における惑星の定義

 現代の観測によって惑星系に関する我々の理解は変わりつつあり、我々が用
いている天体の名称に新しい理解を反映することが重要となってきた。このこ
とは特に「惑星」に当てはまる。「惑星」という名前は、もともとは天球上を
さまようように動く光の点という特徴だけから「惑う星」を意味して使われた。
近年相次ぐ発見により、我々は、現在までに得られた科学的な情報に基づいて
惑星の新しい定義をすることとした。

決議
 国際天文学連合はここに、我々の太陽系に属する惑星及びその他の天体に対
して、衛星を除き、以下の3つの明確な種別を定義する:

(1) 太陽系の惑星(注1)とは、(a) 太陽の周りを回り、(b)十分大きな質量を
 持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状
  (ほとんど球状の形)を有し、 (c) その軌道の近くでは他の天体を掃き散
  らしてしまいそれだけが際だって目立つようになった天体である。

(2) 太陽系の dwarf planet とは、(a) 太陽の周りを回り、(b)十分大きな
  質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力
  平衡形状(ほとんど球状の形)を有し(注2)、(c) その軌道の近くで他の
  天体を掃き散らしていない天体であり、(d)衛星でない天体である。

(3) 太陽の周りを公転する、衛星を除く、上記以外の他のすべての天体(注3)
  は、Small Solar System Bodies と総称する。

注1: 惑星とは、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8
 つである。
注2:基準ぎりぎりの所にある天体を dwarf planet とするか他の種別にするか
を決めるIAUの手続きが、今後、制定されることになる。
注3:これらの天体は、小惑星、ほとんどのトランス・ネプチュニアン天体
  (訳注1)、彗星、他の小天体を含む

冥王星についての決議
 国際天文学連合はさらに以下の決議をする:
  冥王星は上記の定義によって dwarf planet であり、トランス・
  ネプチュニアン天体の新しい種族の典型例として認識する。

  国立天文台 アストロ・トピックス (233)  (速報)太陽系の惑星の定義確定 より


この中で、僕的にこれからややこしくなるなー、と思っているのが、

①「dwarf planet」の定義のうち、(b)十分大きな質量を持つので、自己重力が固体
に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有していること、
について
   ↓  下図、EKBOのうち「2003 EL61」はかなり楕円で「ほとんど球状」
   ↓  ではありませんが、これは「dwarf planet」に入れていいのか?
   ↓

(この図を見ると冥王星とゼナのみ「惑星」、それ以外は「dwarf planet」と、カテゴ
ライズするわけにはいかなさそうなことがわかります。今この時にも、もっと大きな
EKBOが発見されつつあるかもしれませんし、これからも、より大きな・より遠方
にあるEKBOが見つかっていくものと思われます)


②「dwarf planet」の定義のうち、(c) その軌道の近くで他の天体を掃き散らして
いない天体であること、について
   ↓  少なくとも、2006年8月現在の時点では、「セドナ」の軌道近傍に
   ↓  は、太陽を公転する他の天体は無く、「セドナ」は「他の天体を掃き散
   ↓  らしてしまい、それだけが際だって目立つようになった天体」であると
   ↓  認識されます。今後の観測で、いずれはセドナの軌道とほぼ同等の軌道
   ↓  を持つEKBOが見つかるでしょうが、現時点での「セドナ」は、上の
   ↓  惑星であることの要件に照らせば、「dwarf planet」というより、きち
   ↓  んとした「惑星」の要件を保持している様に思えます。いずれは、格下げ
   ↓  される可能性が高いからといって、「セドナ」を惑星にカテゴライズして
   ↓  おかなくていいのか?
   ↓

(左上の図は、内惑星と小惑星帯と木星の公転軌道線。右上の図は、外惑星公転軌道
線とEKBO帯、図右上端にある赤ポイントは「セドナ」の公転軌道の中で最も太陽
に近づいた時の位置。右下の図は、「セドナ」の公転軌道全景。外惑星に較べ、いか
に大きく外側を周っているかがわかります。公転周期10500年、近日点114億㌔、
遠日点1300億㌔の超楕円形軌道。他のEKBOに較べても、途方もなく長く大き
いです。ちなみに、冥王星の公転周期は248年。左下の図は、太陽系最外部にある
と考えられている「オールトの雲」位置図。「セドナ」の公転軌道が、真ん中に小さ
く見えます)

「セドナ」の公転軌道のものすごさに較べれば、「ゼナ」公転軌道の穏当ぶりには、
ほっとさせられます。公転周期560年、近日点54億㌔、遠日点が146億㌔。    

(「ゼナ」公転軌道の近日点は、海王星や冥王星軌道に程近いです。この事実が、
「その軌道の近くで他の天体を掃き散らしていない」とみなされるので、「ゼナ」は
いわゆる「惑星」にはならないわけです)


このあたりをはっきりさせとかにゃ、後で揉め事の種になりますばい。




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