「惑星の定義」について、再規定する為の「国際天文学連合」(IAU)総会
が、24日にプラハで開催されますが、予備的にワーキングチームが、「惑星
とは何ぞや?」との新定義原案を公表しています。その中身が「ちょっとおか
しいっちゃないとーっ?」なのですが、とりあえずマスコミ報道を貼付します。
まず讀賣新聞。
太陽系惑星9個→12個へ、惑星の定義変更案を公表
天文学者の国際組織「国際天文学連合」(IAU、本部・パリ)は16日、
これまで明確でなかった惑星の定義案を示した。それによると、米航空宇宙局
(NASA)が昨年「第10惑星」と発表した「ゼナ」など3天体が惑星に昇
格し、太陽系の惑星が9個から12個に増える可能性が高まった。
定義案はプラハで開催中の総会で審議されている。24日の採決で承認され
れば、1930年の冥王(めいおう)星の発見以来、太陽系の姿が大きく書き
換えられることになる。
これまで惑星の厳密な定義はなかった。しかし、海王星の軌道の外側で多く
の小惑星が見つかり、冥王星を惑星に含めるかどうか、天文学者の間で長年、
議論が続いていた。さらに、冥王星より大きなゼナが発見され、惑星の定義を
求める声が上がっていた。
(読売新聞) - 8月16日20時38分更新
続いて時事通信。
太陽系、12惑星に=セレスなど3個昇格を提案-国際天文学連合
【プラハ16日時事】太陽系の外周で冥王星より大きい新天体が発見されたこ
とを受け、惑星の定義を検討してきた国際天文学連合(IAU)は16日、当地で開
催中の総会で、「太陽(恒星)を周回する自己重力で球形の天体」との案を発
表した。これによると、新天体のほか、従来は冥王星の衛星とされた二重惑星
「カロン」、火星と木星の間の小惑星帯にある「セレス」が新たに惑星となり、
惑星数は現在の9個から12個に増える。
IAUは天文学の最高機関。24日の採決で承認されれば、1930年の冥王星発見以
来、76年ぶりに太陽系の姿が書き換えられる。しかし、第5惑星となるセレスは
直径が月の約4分の1しかない上、今後さらに12個の天体が惑星に昇格する可能
性があるとしており、議論になるとみられる。
(時事通信) - 8月16日19時0分更新
さらに毎日新聞から2記事。
<太陽系惑星>新たに3個 国際天文学連合が定義案公表
国際天文学連合(IAU)は16日、チェコのプラハで開催中の総会で惑星
の定義案を公表した。「恒星の周りを回り、自らの重力で球状となる、恒星で
も衛星でもない天体」としている。定義に基づけば、03年に米国の研究チー
ムが見つけた新天体「2003UB313」(直径2400キロ)、冥王星の衛
星とされていたカロン(同1200キロ)、小惑星セレス(同950キロ)の3
天体が新たに惑星となり、太陽系の惑星は12個になる。さらに、別の12天
体が惑星となる可能性がある。
24日の全体会議で議決、承認されれば、1930年の冥王星の発見以来76
年ぶりに太陽系の惑星数が増える。国立天文台によると、惑星の科学的な定義
はなかったが、今回の定義は一般的な惑星のイメージを大きく変えるため、
「承認されるかどうか予断を許さない」(同天文台)という。
米国の研究チームが03年に発見した2003UB313は直径2400キロ
で冥王星(直径2300キロ)より大きかったことなどから、IAUは惑星の
定義を検討していた。
(毎日新聞) - 8月16日22時46分更新
<惑星定義案>新天体発見で拡大 歴史配慮し冥王星「維持」
国際天文学連合(IAU)が惑星の定義案を示したのは、観測技術の向上で
冥王星と同程度の大きさの小天体が相次いで発見され、「冥王星は惑星と呼べ
るのか」「そもそも惑星とは何か」という議論が持ち上がっていたためだ。定
義を決めることで、さらに新天体が発見された場合の混乱を避ける狙いがある。
(毎日新聞) - 8月17日9時4分更新
最後に産経新聞。
太陽系12惑星 新定義「自己重力で球形」提案 候補さらに12個
太陽系の惑星が、これまでの9個から12個に増える可能性がでてきた。チェ
コのプラハで開催中の国際天文学連合(IAU)総会で16日、新たな惑星の
定義の原案が示された。原案のまま承認されれば、冥王星の発見(1930年)
以来、76年ぶりに太陽系の全体像が大きく書き換えられることになる。IAU
は、24日に新定義を承認するかどうかを投票で決める予定だ。
国立天文台によると新しい惑星の定義の柱は、「恒星を周回する天体で、自
己の重力でほぼ球形になるもの」としており、直径800キロ以上が目安にな
る。この定義だと、火星と木星の間に位置する最大の小惑星「セレス」、冥王
星の衛星とみなされてきた「カロン」、昨年夏に米航空宇宙局(NASA)が
「第10惑星」と発表した「2003UB313」が、新たに惑星の仲間入り
をする。
しかし、近年は観測技術の進歩で太陽系の外縁部で次々に新たな天体が発見
されており、3個の新惑星候補のほかにも、12個の天体が惑星に昇格する可
能性があるという。
惑星の定義をめぐる議論は、昨年7月に米国の研究チームとNASAが、冥
王星より大きいことを理由に「2003UB313」を第10惑星と発表した
ことが直接のきっかけ。それ以前にも、直径が月の7割しかなく、公転軌道も
他の惑星に比べて特異な冥王星を惑星とすることの妥当性が議論されてきた。
こうした経緯を踏まえて、原案では、(1)水星から海王星までの8個の惑
星を「古典的惑星」とする(2)冥王星とカロン、「2003UB313」の3
個は「プルートン(冥王星族)」と呼ぶ(3)セレスについては「矮(わい)
惑星」と呼ぶ-ことを提案している。
また、小惑星や彗星(すいせい)などと呼ばれている惑星より小さい天体に
ついても「太陽系小天体」と総称することを提案した。
これまで、科学的に明確な惑星の定義がなかったことが議論の根底にある。
原案では明確さはあるが、惑星の中に「古典的」な8個とそれ以外の区別がで
きることになる。また、今後は新たな惑星候補が次々と見つかり、惑星の総数
が収拾がつかないほど増える可能性も否定できない。
24日の議決で、原案への反対意見や慎重論が多い場合には、3年後の次回
総会に決着が持ち越される可能性もあるという。
◇
≪国際天文学連合総会で新定義提案≫
国際天文学連合総会で提案された「惑星の定義」案の骨子は以下の通り。
(1)恒星(太陽系では太陽)の周囲を回る天体であり、自己重力でほぼ球
形の天体のうち、恒星でも衛星でもないものを惑星と定義する
(2)小惑星「セレス」、冥王星と“双子”の関係にある「カロン」、冥王
星より大きい小惑星「2003UB313」の3個が惑星に昇格、太陽系の惑
星は12個になる。このほか、さらに12個の天体が惑星と認められる可能性
がある
(3)1900年以前に発見された水星以上の大きな8つの天体は「古典的
惑星」とする。冥王星と同等の大きさを持つ天体で、公転周期200年以上で
軌道が大きく傾きゆがんでいる一群を「冥王星族」と定義。セレスなど水星よ
りも小さな惑星は「矮(わい)惑星」と呼ぶことを勧告する
(4)「小惑星」の名称は廃止。惑星より小さい天体は彗星(すいせい)を
含め、「太陽系小天体」と呼ぶ
◇
【セレス】1801年、イタリアのパレルモ天文台長ジュゼッペ・ピアッチ
が発見した最初の小惑星。当初は惑星と思われた。火星と木星の間の小惑星帯
にあり、公転周期4年7カ月。直径約975キロ。名はローマ神話の穀物の女
神にちなむ。
【カロン】1978年、米海軍天文台のジェームズ・クリスティが発見。冥
王星の周りを6日と9時間で1周し、衛星とみられてきたが、共通の重心が両
星の中間にある二重惑星。直径は約1200キロと冥王星(約2300キロ)
の半分近い。公転周期は冥王星と同じ248年。名はギリシャ神話の冥府の川
の渡し守にちなむ。
【2003UB313】2003年、米カリフォルニア工科大のマイケル・
ブラウン教授らがパロマ天文台による観測で発見。05年、惑星としての動き
を確認、「第10惑星」と発表した。太陽系の外周の小惑星群「エッジワース・
カイパーベルト」にあり、公転周期約560年。直径は約2400キロと冥王
星より大きい。今後正式名称が付けられる。
◇
【用語解説】国際天文学連合(IAU)
世界85カ国・地域の天文学者ら約8900人と62カ国・地域の学術機関
で構成される天文学の最高機関。1919年設立、本部はパリ。天体の命名権
がある唯一の団体。
(産経新聞) - 8月17日8時2分更新
定義原案では、
① 恒星(太陽系では太陽)の周囲を回る天体であり、自己重力でほぼ球形の
天体のうち、恒星でも衛星でもないものを惑星と定義する
→何故、球体でなきゃならないのか?
② 小惑星「セレス」、冥王星と“双子”の関係にある「カロン」、冥王星よ
り大きい小惑星「2003UB313」(通称「ゼナ」)の3個が惑星に昇格、
太陽系の惑星は12個になる。このほか、さらに12個の天体が惑星と認めら
れる可能性がある
→冥王星の第一衛星「カロン」を「惑星」と呼ぶには、普通、どー考えたって
無理がある。定義原案に照らして、強引に「冥王星表面から外側にある共通重
心を中心に回る二重惑星系」とでも呼ぶことになるのか?
③ 1900年以前に発見された水星以上の大きな8つの天体は「古典的惑星」
とする。冥王星と同等の大きさを持つ天体で、公転周期200年以上で軌道が
大きく傾きゆがんでいる一群を「冥王星族」と定義。セレスなど水星よりも小
さな惑星は「矮(わい)惑星」と呼ぶことを勧告する
④ 「小惑星」の名称は廃止。惑星より小さい天体は彗星(すいせい)を含め、
「太陽系小天体」と呼ぶ
→惑星より小さい天体は、十羽一絡げに「太陽系小天体」だとは!また、えら
いチカラ技を使うもんやのー。「小惑星」「彗星」「EKBO」「オールトの雲」
これら、出自が全て異なってるだろーにっ。IAUともあろうものが、こんな大
雑把なことでいいのかい!
いずれにしろ、「冥王星」は惑星と認めても、それよりも外側を回り、より大
きな「ゼナ(通称)」を惑星と認めるか否か、というポイントをクリアすれば、
後はおまけみたいなものなんでしょうが。
今まで「小惑星」の筆頭だった「セレス」は惑星、それ以下の「パラス」「ベ
スタ」「ジュノ」なんかは別物、という線引きに強烈な違和感ありです。
それと、何ですか? 「カロン」が惑星ですか? まず第一義的に「冥王星の巨
大な衛星」だろーが、と思いますが、単なるノスタルジーと片付けられてしま
うのでしょうか?
やはり、1930年にトンボーが発見した新天体を「第9惑星冥王星」として
しまったのが、今となっては様々な矛盾の発生元だったのかと。
でも、冥王星は(現在の段階でさえ)3つも衛星を持っているし、それを考え
れば、惑星カテゴリーから外すのも、可哀想ですし。
EKBOのうち「ゼナ」だけを惑星と認めるだけでなく、「セドナ」「クアオアー」
以下、既に発見されている冥王星近似サイズクラスの天体やこれから発見され
ていくのが確実な巨大なEKBO類も、「惑星」とするならば、いずれ、何百・
何千の「惑星」があることになってしまうでしょう。
例えば「第二百五十八惑星の×××」といった風に。
海王星までの8つの惑星を「Classical planets」、冥王星とそれ以遠のEKBO
の中で「惑星の新定義」に合致するものを「Plutons」、今まで小惑星と定義
されていたものの中で「惑星の新定義」に合致するものを「Dwarf planets」
(どちらにしろ「セレス」だけしかないということでしょうか)、この3種
にまず格付けするっちゅーことらしいです。
24日のIAU総会で正式に決議される内容が、このままなのか、また違った
ものとなるのか、注視しておく必要大です。
もし、上の3天体が惑星と認定されたとしても、もはや和名を付けることは
ないらしいです。「セレス」「カロン」「ゼナ」のままでいくとのこと。
個人的には「ゼナ」はなんとか変えてほしいです。このままでは、ドリンク剤
並みに軽っぽ過ぎます。以前も書きましたが、洋名「Lucifer」、和名「魔王星」、
これでしょう。これにしてほしいです。
いずれにしろ惑星名称を覚える為に唱える、「水金地火木土天海冥」という
呪文の様な文言は廃れること間違いなしです。
とにかく、上の原案は難あり過ぎです。
24日の決定が無難で納得がいくものとなります様に。
----------------------------------------------------------
● ㈱東洋硬化へのお問い合せは、当社ホームページの「お問い合せ」欄、
または、TEL:0942-34-1387 へお願い致します。
● シリンダーロッド・シャフト・ピストン・フロントフォークインナーチューブ
・ロール等円筒形状機械部品のクロムめっき再生が得意です。
● 窒化クロム・窒化チタンアルミ・酸化クロム・窒化チタンクロム・
窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティングで
生成します。
● ローター・ファン・クランクシャフト等のバランシング(回転体釣合せ)
● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
平面研削も行います。
● フレーム溶射による、短納期での寸法・形状・機能の復元加工はじめました。
-----------------------------------------------------------
人気blogランキングです。押してくださると嬉しいです。