峠おやじの「たわごと」

峠、自転車、キャンピングカー、野菜、園芸、時事ネタなどをぼやいてます。

長良西の高低差

2021年06月18日 | 自然
毎年行われる長良橋の堤防陸閘(りっこう)の開閉訓練の様子はア先々週にップしましたが、実際に堤防の陸閘付近と我々の住む地域はどれほど高低差があるのでしょう?

陸閘の設置以来、洪水被害に遭ったことはないですが、安八水害やゲリラ豪雨などで町内の道路の一部が冠水したことはあります。その経験や地勢的にどこが低いか予測はつきますが、実際に測ってみようと思いました。

そこで『スーパー地形』というGPS対応の地形図アプリで色々な地点の標高を測ってみました。その数値を地図に落としたのが下の画像です。

織田町付近1
しかし数値だけではわからないので、国土地理院図から断面図(プロフィールマップ)を作りました。
まずは陸閘のある長良ヶ丘信号付近から松風町までです。

長良橋通り断面図
くだんの陸閘が20.5m、町内ごとにダンダンと低くなっていきます。長良川の水位が陸閘地点の20.5mを越えれば各町内への浸水は免れません。

次に校下の北端までの断面図を見てみましょう。
特筆すべきなのは松風町からさらに標高を下げていく長良橋通りが、長良北町・平和通付近でピョコッと標高を上げることです。ここは古の官道・東山道のルート跡なのです。

加納の中山道でもわかりますが、街道筋は水害の被害が少ない微高地を通してあります。それが断面図にも現れているのは面白いです。たぶん長良川の自然堤防だったのでしょう。

松風町-下岩崎断面図

次に校下の北端・鳥羽川から逆に南西方向への断面図です。ルートは2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』で放送された『長良川の戦い』のルート図をなぞりました。

戦いは斎藤道三と義龍の親子喧嘩です。山県市大桑(おおが)の大桑城を発した道三軍は金華山と長良川までを視野に収める鶴山にいったん布陣。そこから旧伊自良街道を通り、現在メモリアルセンターのマラソンゲート付近にあった中の渡しまで進み、義龍軍と激突しました。

行軍図としたコースは道三塚にある地図とは異なっていますが、校下の高低差が出るように現在の道路上をトレースしました。

道三の行軍図

戦いの前哨戦らしい『土居(つちい)の戦い』は下土居付近の天神川辺りと思われます。そしてこの断面図でも平和通付近は微高地であることがわかり、かつての東山道(とうさんどう)跡がハッキリとわかります。

岐阜市は長良川が濃尾平野に出てきたところにできた扇状地上に立地しています。そのため基本的に東高西低です。また海が南方、山が北東方向なので北高南低でもあります。そんなことを念頭に置いて水の流れに想いをはせれば、水害への備えもまた違った視点で見られるというものでしょう。

なお、東西方向の断面図など詳細な考察をHPに載せていますので、興味のある方はご笑覧下さい。

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2 コメント

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スゴイです! (とまぢふ)
2021-06-20 20:11:51
地形図、その高低差で かつての街道の
「ソコでないとイケナかった」ワケが判る。
いや、ソコしかなかったワケも。

読み解く面白さ、その発見の醍醐味、
今やツールがたくさんあって 昔では
判らなかった事も新たに発見できそうですね!
返信する
とまぢふさん、 (峠おやじ)
2021-06-20 21:43:43
旧街道が微高地を通っていたことは色んな本に書いてあるので、
知識としては持っているもののリアルに図解してみると、
改めて得心がいきます。

国土地理院図の違った使い方が分かったて、これは峠行きなどにも応用できます。
プロフィールマップを抵抗なく作ろうと思えますもの。
返信する

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