この命名は我ながら悪乗りの感がありますが、
前報のスーパーエスプレッソでエスプレッソの苦味の究極を追求した
ついでに、そのマイルドさの究極も追求したくなったのです。
以下の様に制限条件と達成目標を設定してみました。
1.主体となる珈琲種としては、メディアムローストが最適焙煎度
に近いカリブ海系のものとしたい。
2.25秒間の抽出量が20cc程度以下である事。
なるべく濃厚な抽出液としたいのです。
3.カリブ海系だけでは2.の条件が達成できない場合、
ブレンド(2層ブレンドを含む)に用いる珈琲種の
推奨焙煎度はメディアムローストを含む事。
4.マイルドさを高めるためのミルクの添加は可とする。
これは既にお話しましたが、カリブ海系豆は、そのまま
又は脱酸素処理をしても条件2.には程遠いものばかりです。(*)
それら以外に、パナマのチリキ県・ボケテ地区(エスメラルダ農園の「ゲイシャ」
が超有名)にあるベルリナ農園のティピカ種も試して見ましたが、
これも同様ほど遠いもの(抽出量 焙煎後77.5cc/脱酸素処理後54.9cc)でした。
(チリキ県は、パナマの分水嶺の太平洋側にあり、カリブ海系とは言えないと思いますが)
それで前回お話したように脱酸素効果が顕著だが、推奨焙煎度にメディアムローストを含んでいる
エチオピア・モカ・イルガチェフG1でテストしてみました。
前回は、本品のフレンチローストが条件2.を満足している事をお話しましたが、
実は推奨焙煎度はフルシティ(フレンチの一つ手前)までです。
前回は苦味の追及であえてその上の焙煎度にしてみたわけです。
尚、イルガチェフ村で作られている品種は、ティピカ主体のところとブルボンのところが
あるようですが、本品ははっきりしません。
このイルガチェフG1のメディアムロースト品には驚かされました。
この焙煎豆は見たところ何の変哲も無いのですが、カリタC-90セラミックミルで
挽いたのですが、ミルの刃に詰まってしまい旨く挽けないのです。
これは始めての経験でした。何か粉を集合粘結させる物質が豊富に含まれている
事を示唆していると思われました。
それでも挽けた部分をエスプレッソ機に掛けたのですが、ここでまた驚きました。
全然抽出液が出て来ないのです。勿論これも始めての経験でした。
それで、同時にメディアムローストしてあったクリスタルマウンテンと1:1
の割合でブレンドしたものを細挽きし、半分はそのままエスプレッソ機
に掛け、残りは脱酸素処理し24時間後にエスプレッソ機に掛けました。
そのままの抽出量は、25.7cc
脱酸素処理後の抽出量は、15.3cc
となり、これで制限条件の元で目標を達成できたわけです。
そのままの25.7ccにミルクと砂糖を入れたものは実にまろやかで
スーパー・マイルド・エスプレッソと言っても過言では無いと思いました。
但しこの名称は、厳密にはミルクが添加されているので
スーパー・マイルド・マキアートと言うべきだとも思いますが、
マキアート(イタリア語"macchiato"は「汚れた」という意味)は当初の
エスプレッソに少量のミルクを添加というものから、エスプレッソの上に
フォームドミルクで画像を表現するものに変化してしまっている状況なので
エスプレッソとしておきました。
以上からスーパー・マイルド・エスプレッソの種々の可能性の道が開けたと
思います。
思いつくままに例を二つばかり挙げてみます。
① イルガチェフのメディアムロースト豆と、カリブ海系豆(*)メディアムロースト
品を1:1程度にブレンドし、細挽き後エスプレッソ機に掛ける。
これでほぼ満足できると思えますが、本検討の様にさらに細挽き後脱酸素処理
を加えてさらなる濃厚抽出を狙うのも良いと思います。
またイルガチェフの比率をもう少し高め、脱酸素処理後の抽出量として10cc以下
を狙うのも下記②の可能性を広める意味で面白いでしょう。
② ①の脱酸素処理粉と、任意のカリブ海系豆(*)ロースト品を挽いた
粉を使って2層ブレンド法を行う。
*: カリブ海系珈琲 抽出量(焙煎後 / 脱酸素処理後 cc)
ジャマイカのブルーマウンテン 89.5 / ---
キューバのクリスタルマウンテン 88.8 / 69.0
ハイチのブルー・パイン・フォレスト 82.3 / 86.0
前報のスーパーエスプレッソでエスプレッソの苦味の究極を追求した
ついでに、そのマイルドさの究極も追求したくなったのです。
以下の様に制限条件と達成目標を設定してみました。
1.主体となる珈琲種としては、メディアムローストが最適焙煎度
に近いカリブ海系のものとしたい。
2.25秒間の抽出量が20cc程度以下である事。
なるべく濃厚な抽出液としたいのです。
3.カリブ海系だけでは2.の条件が達成できない場合、
ブレンド(2層ブレンドを含む)に用いる珈琲種の
推奨焙煎度はメディアムローストを含む事。
4.マイルドさを高めるためのミルクの添加は可とする。
これは既にお話しましたが、カリブ海系豆は、そのまま
又は脱酸素処理をしても条件2.には程遠いものばかりです。(*)
それら以外に、パナマのチリキ県・ボケテ地区(エスメラルダ農園の「ゲイシャ」
が超有名)にあるベルリナ農園のティピカ種も試して見ましたが、
これも同様ほど遠いもの(抽出量 焙煎後77.5cc/脱酸素処理後54.9cc)でした。
(チリキ県は、パナマの分水嶺の太平洋側にあり、カリブ海系とは言えないと思いますが)
それで前回お話したように脱酸素効果が顕著だが、推奨焙煎度にメディアムローストを含んでいる
エチオピア・モカ・イルガチェフG1でテストしてみました。
前回は、本品のフレンチローストが条件2.を満足している事をお話しましたが、
実は推奨焙煎度はフルシティ(フレンチの一つ手前)までです。
前回は苦味の追及であえてその上の焙煎度にしてみたわけです。
尚、イルガチェフ村で作られている品種は、ティピカ主体のところとブルボンのところが
あるようですが、本品ははっきりしません。
このイルガチェフG1のメディアムロースト品には驚かされました。
この焙煎豆は見たところ何の変哲も無いのですが、カリタC-90セラミックミルで
挽いたのですが、ミルの刃に詰まってしまい旨く挽けないのです。
これは始めての経験でした。何か粉を集合粘結させる物質が豊富に含まれている
事を示唆していると思われました。
それでも挽けた部分をエスプレッソ機に掛けたのですが、ここでまた驚きました。
全然抽出液が出て来ないのです。勿論これも始めての経験でした。
それで、同時にメディアムローストしてあったクリスタルマウンテンと1:1
の割合でブレンドしたものを細挽きし、半分はそのままエスプレッソ機
に掛け、残りは脱酸素処理し24時間後にエスプレッソ機に掛けました。
そのままの抽出量は、25.7cc
脱酸素処理後の抽出量は、15.3cc
となり、これで制限条件の元で目標を達成できたわけです。
そのままの25.7ccにミルクと砂糖を入れたものは実にまろやかで
スーパー・マイルド・エスプレッソと言っても過言では無いと思いました。
但しこの名称は、厳密にはミルクが添加されているので
スーパー・マイルド・マキアートと言うべきだとも思いますが、
マキアート(イタリア語"macchiato"は「汚れた」という意味)は当初の
エスプレッソに少量のミルクを添加というものから、エスプレッソの上に
フォームドミルクで画像を表現するものに変化してしまっている状況なので
エスプレッソとしておきました。
以上からスーパー・マイルド・エスプレッソの種々の可能性の道が開けたと
思います。
思いつくままに例を二つばかり挙げてみます。
① イルガチェフのメディアムロースト豆と、カリブ海系豆(*)メディアムロースト
品を1:1程度にブレンドし、細挽き後エスプレッソ機に掛ける。
これでほぼ満足できると思えますが、本検討の様にさらに細挽き後脱酸素処理
を加えてさらなる濃厚抽出を狙うのも良いと思います。
またイルガチェフの比率をもう少し高め、脱酸素処理後の抽出量として10cc以下
を狙うのも下記②の可能性を広める意味で面白いでしょう。
② ①の脱酸素処理粉と、任意のカリブ海系豆(*)ロースト品を挽いた
粉を使って2層ブレンド法を行う。
*: カリブ海系珈琲 抽出量(焙煎後 / 脱酸素処理後 cc)
ジャマイカのブルーマウンテン 89.5 / ---
キューバのクリスタルマウンテン 88.8 / 69.0
ハイチのブルー・パイン・フォレスト 82.3 / 86.0