敏翁のシルバー談義

敏翁の興味のスパンは広いのですが、最近は健康談義から大型TVを含むITと「カラオケ」「珈琲」にシフトしています。

呼吸商測定の応用例(2)サウナの効果

2005-02-27 14:30:09 | 健康
これは、自治医科大学の学生の実習報告(保険科学講座 平成12年度)の一つです。
こんなものがある事を発見したのは、私の友人で最近ダイエットの必要性を認識して、
研究をはじめた佐藤幹郎さんです。
佐藤さんは、私以上に凝り性なので、ネットサーフィン中に見つけたようです。
結論は、本報告のタイトル「サウナdeダイエット--動きたくないあなたへ--」
から推察できるのですが、
 下手に運動するよりもサウナに入ったほうが、ダイエットに、特に脂肪燃焼には
効果的であるというもので、それを呼吸商と代謝の測定で実証したものです。
 関心のある方は下記のホームページを一度訪れて見てください。

URLは
http://www.jichi.ac.jp/enviro/home/gakusei12/html%20sauna/sld001.htm



呼吸商測定の応用例(1)ヘルシア緑茶の効果

2005-02-27 10:04:25 | 健康
呼吸商の測定が出来るといろいろ面白い事が解明できます。
ここでは、私が行った検討の一つをご紹介します。
昨年から「花王」が開発した「ヘルシア緑茶」が大評判です。
「ヘルシア緑茶」の摂取により、体脂肪が確実に減少するというものです。
しかし、この効果が現れるには、少なくとも1ヶ月以上の摂取が必要とされています。
私の検討は、体脂肪が減ると言う事は、脂肪の燃焼が増大する事になるので、呼吸商の値に有意の差が現れるのではないかを検討して、より短期間で効果を検証しようというものです。
検討結果を表に纏めたものを以下に示します。

「ヘルシア緑茶」を6日間摂取した場合、その前後を含めて毎日一回安静時に呼吸商を測定し、その平均値を比較したものです。
合わせて時間当たりの脂肪燃焼カロリー、安静時・代謝量の平均値も示してあります。
この表より、期待よりは小さかったが、ヘルシア緑茶の効果は確認されたと思います。
興味深い事は、安静時代謝(=基礎代謝)も増加している事です。

この辺は、もう少し精密に検討したいと思っています。


大気圧の測定

2005-02-26 08:08:08 | 健康
 ガスメータで呼気量を測定する場合は、大気圧の補正が必要になります。
 又、私が開発中の濃度測定も、原理は濃度を圧力に変えて測定方法なので
 やはり、大気圧の補正が必要になってきます。

 大気圧の精密測定には、水銀を用いたフォルタン式気圧計が用いられますが、
 これは取り扱いも難しいし、又価格が15万円程度し、さらに気象台の検定付きは
 50万円以上します。
 又、手軽ななアネロイド気圧計は厳密には時々校正が必要で、ちょっと良いものは
 1万円以上します。

 私は現在、「楽天」で見つけた所謂アネロイド晴雨計(6000円台)を用いていますが、
 精度的には問題があります。

 本報告は、
 ① この晴雨計を時々無料で校正したい。
 ② 私のシステムが完成して、皆さんに使ってもらう時に大気圧のデータ
   を無料で入手出来るようにし気圧計を必要構成部品から外したい。
  と言う二つの目的で、種々調査した結果の報告です。

 ②を先に話しますが、これは横浜地方気象台のホームページに一時間おきの
 大気圧のデータが発表になっている事を発見しましたので、地方気象台の近くの
 人はOKです。大気圧は、温度とは異なり、距離的にも時間的にも急変する事は
 無いので、殆どの場合これで充分だと思います。
 横浜気象台は、山手の外人墓地のそばにあり、測定点の標高は39.1mです。
 入手できるデータは、海面高さに補正された値です。

 ①は、国土環境株式会社と言うところがやっている
 気象データダウンロードサービスβ版モニタというものがあり、そこに
 申し込んで認証されれれば、取りあえずは無料(5月いっぱい)で、1961年以降の全国
気象台の各種データ(一時間毎のデータ)をダウンロードできる事を発見しました。
 幸い、私の場合は、申し込んですぐ認証され、横浜のデータ(過去2ヶ月、標高高さ補正
 有りと無し)をダウンロードし、この間の私の晴雨計の記録データ(x)と回帰分析を行いました。
 39.1mでの差は、5.2~5.3hpaです。私の家の標高は多分数mしかないと思われるので
 海面の大気圧のデータ(y)で充分だと思います。
  得られた回帰直線は次の通りです。
         y = 0.9347x + 69.08 (単位はhpa)

  今後は、この関係を用いて計算を行い、時々その関係をチェックすれば
 良いと考えています。

呼吸商、Zuntz-Schumburg-Luskの表と有酸素運動

2005-02-25 10:37:38 | 健康
 呼吸における炭酸ガスの排出量と酸素摂取量の比を呼吸商(Respiratory quotient)と呼ぶ。*
この値は、エネルギー消費がすべて脂肪の燃焼による場合に0.707となり、すべてが糖質の
燃焼による場合は1.0となる。
 これから、呼吸商の値を測定する事により、有酸素運動の程度を知る事が出来る。
 呼吸商(RQ)とエネルギー消費量中脂肪燃焼による%(FAT)の関係、及び
呼吸商と酸素1リットルに対する熱量(Q kcal)の関係
を示したものを
Zuntz-Schumburg-Luskの表と呼び、栄養学の教科書には必ず載っているものである。**
 Q vs RQ の関係はリニアで
  Q = 3.815 + 1.232xRQ         ・・・・(1)
で与えられるが、FAT vs RQ の関係は簡単でない。
 しかし、代謝の計算をプログラム化する為にはこの関係を数式化した方がすっきりする
(表をそのまま使って内挿法でデータ処理をする方法もあるがスマートではない)ので、
それを行ってみた。
 RQ = 0.707 の場合は、Q = 4.686kcal, FAT = 100 %
RQ = 1.0 の場合は、Q = 5.047kcal, FAT = 0 %
であるから(途中の計算省略)、FAT vs RQの関係として次式を得る。
  ξ=(1.0 - RQ)/0.293     ・・・・(2a)
FAT = 468.6xξ/(5.047 - 0.361xξ) ・・・・(2b)

お暇の方は、頭の体操として式の誘導を試みて下さい。

FATが50% 以上を有酸素運動としているらしい。
そのRQを(2a)(2b)より求めると RQ≦0.847≒0.85となり、
一般には、RQ≦0.85を有酸素運動としているようである。

時々注意しているとTVの運動器具のコマーシャルなどに現れる事もあります。


*:学者によっては、「呼吸交換比」と呼んでいる。
 石河利寛『健康・体力のための運動生理学』杏林書院 2000年4月発行
**:例えば、奥恒行 柴田克巳編「基礎栄養学」 南江堂 2004年5月発行






ダンベル歩行の速度

2005-02-23 07:59:03 | 健康
 21日にアップした「ダンベル歩行のエネルギー消費量」の比較表で、
ダンベルを持たない時は毎分111歩、持つと90.6歩となっていましたが、この理由を考えて見ました。
 腕の振りを単振子の周期として捉えて見たのです。
 単振子の周期 T は近似的には
     T=2・π・sqr(L/g)
但しLは単振子の長さ、gは重力の加速度、sqr はBASICの表記で平方根の事です。
 私の腕の長さは約60cm、重さは肩の高さに置いた体重計に載せて見ると約2kg ですから
 4kgとしてよいでしょう。
 先ずダンベルを持たない時は、簡単の為腕を円柱と仮定して
 L=30cmで T=1.098sec これは、109歩/分に相当します。(一周期で2歩)
 この腕の先に2kgのダンベルを持つと L=42.63cmになり
 T=1.31sec で91.6歩/分と成ります。
 
 腕の長さも、円柱の仮定も、重量も大体ですし、周期の式も小振幅の式
 ですから、実際との一致は予想以上に良いといえるでしょう。

 という事は、私の三つ池公園歩行は、無意識の内に腕単振子の
 固有周期で時間当たりの歩数を決めていて心拍数の調整は歩幅
 で行っていた事を示している事になります。

 以上は、腕を伸ばした場合です。ダンベルを持つと肘を曲げた状態は保つのが
 辛く2分程度以上は我慢が出来ません。
 ダンベル無しで歩行ピッチを上げるには肘を曲げれば良い事になります。

私の代謝測定装置

2005-02-22 14:15:49 | 健康
この辺で、私が自宅に設置した代謝測定装置をご紹介しましょう。
その構成を下に図示します。

呼気採取用マスクとバッグは、私がエアロバイクを漕いでいる画像でご覧になったむものです。
上記構成中のガスメータ、酸素メータ、ガス検知管の画像を次に示します。


ガスメータ:㈱シナガワ製 乾式ガスメータ DC-2A

酸素メータ:バイオニクス機器㈱製 digital DO/O2 meter ガルバニックセル方式

北川式ガス検知管 光明理化学工業㈱製 CO2用は126SA 左側の細い部分が検知管、右はガス採取器

  
ここのblogでは標準のhtmlとは異なる文法を使っているらしく、画像の右の空白部に
  テキストを旨く回りこめないので、こんなものでお許し下さい

昨日の三つ池公園歩行

2005-02-22 07:42:42 | 健康
 昨日天気も良かったので10日ぶりに三つ池公園歩行を行いましたが、その消費エネルギーの計算です。
 Ⅰ.歩行の条件
  ① 胸に心拍計を巻く。ダンベルは使用しない。
  ② 歩行開始と終了の時刻を記録
  ③ 歩行時間のみストップウォッチ動作
  ④ 足首に万歩計装着。
 
 私の心拍計は安物(7千円程度)なので、心拍数を時々メモ用紙に記録する必要がある。
 ただし、心拍計、ストップウオッチ、腕時計機能は同時に動作する。
 ポラール社(最大手)の2万円程度のものでは、平均心拍数を計算してくれる。
 できればこの方が良さそう。

 Ⅱ.本日のデータ
  ① 歩行中の平均心拍数   約115
    途中休憩中の平均心拍数 約80
  ② 三つ池公園に居た時間   132分
  ③ 実際に歩いた時間      92分
④ 総歩行歩数          10714歩
  ⑤ 歩行の強度        116歩/分

 Ⅲ.消費エネルギーの計算と考察
  エアロバイクで計測した代謝量(MR)vs心拍数(HR)の関係(前回ご覧に入れたグラフ)から
  HR=115ではMR=5500kcal/day, HR=80ではMR=2900kcal/day
  となる。この値を用いて三つ池公園に居た時間内の
  消費エネルギーを計算すると 432kcal となる。
  私の基礎代謝は1500kcal/day 程度であり(前回のグラフの安静時の値)、生活活動強度は1.3程度である
  と思われるので、132分間における日常生活の消費エネルギーは 179kcal となる。 
  432 - 179 = 253kcal が本日の三つ池公園歩行によって特別に消費されたエネルギーとなる。

  体重1kgの減少に必要なカロリーは、4000kcal 程度(私のホームページにある「ダイエットΔ計画」参照)
  として良いから、253kcalの体重減に対する寄与は63gに過ぎない事になる。
  更にこの値も、脂肪と糖質の燃焼を1:1と仮定した場合の値であり、上記歩行条件は
  有酸素運動になっている筈で、脂肪燃焼の割合がさらに大きく、体重減はさらに少なく
  なる筈である。

  運動だけで体重を減らすのは容易ではない事はここからも良く分かる。

代謝と心拍数の関係 測定結果

2005-02-21 09:31:59 | 健康
前、前前報で触れている「代謝と心拍数の関係」測定結果のグラフを下記に示します。
(やっと「IMG」の使い方が分かったのです。(~_~;))



これは心拍計を胸に巻いてエアロバイクを漕ぎながら呼気を採取、代謝量(=消費エネルギー)を測定し、代謝量と心拍数との関係を求めたものです(青線)。
 赤い点と線で消費エネルギーの内脂肪燃焼に当てられた熱量も示しました。
 それから、私の場合有酸素運動として最も効率の良い状態は心拍数が120~130当たりにありそうな事が分かります。
 それで、歩行強度をその当たりにキープしながら歩く事を基準にしているのです。


ダンベル歩行のエネルギー消費量

2005-02-21 00:29:50 | 健康
前にもお話しましたが、私は三つ池公園を歩いていますが、さらにダンベルを持って歩行する事をやっております。
 これは、筋肉に負荷をかけて行う負荷運動であり、年齢による基礎代謝量の減少を防止 し、出来れば、それを増加させたいと思ってやっているのです。
 図は、ダンベル(黄色、ひとつ2kg)を 持って三ツ池公園の桜の下(昨年春)に立つ私で す。この時はまだ心拍計は胸に巻いていませんが。
 同じルート(山坂あり)をダンベルを持った時と持たない時の比較を表に示します。

  区分   平均  代謝量  歩行  歩数  歩数   歩速   代謝量
      心拍数 (kcal/日) 時間(分)      /分  (km/hr)   (kcal)
ダンベル無し 120  5900    17    1887   111    4.76    69.7
ダンベル有り 126  6300    22     1993   90.6   3.68    96.25
備考            *1                     *2

*1: エアロバイクで求めた代謝量-心拍数の関係から求めた値。
 *2: 別に距離を定めて測定した結果、10メートル14歩を要する事が分かり、ダンベル    無しの歩数とそのデータからこの区間の距離を求めた。

  上の表から時間当たりの消費エネルギーはダンベルの有りと無しで
  6300/5900=1.068倍に過ぎないが、
  距離当たりの消費エネルギーは96.25/69.7=1.38倍となっていて、ダンベル
  保持によりかなり運動が強化されている事が分かります。




運動による消費エネルギー

2005-02-20 23:33:38 | 健康
 ダイエットが目的で運動する場合は、運動による消費エネルギーが一番知りたいところです。
 それで、エアロバイク、トレッドミルは勿論のこと、万歩計でも少し高級なものには
消費エネルギーの表示が出るようになっています。
 しかし、それらの値は、いろいろな仮定の下に推定しているだけのものです。
 正確には、ダグラスバッグ法などで測定しなければなりません。
 藤田美明 奥恒行編「栄養学総論」朝倉書店 1994年1月発行より取ったダグラスバツグ法
 の説明図を示します。(図をクリックすれば大きくなります)
 私のエアロバイクで呼気を採取している様子は、本談義の第一報に示しました。
 (これもクリックすれば大きな画面になります)
 しかし、歩行、ランニング、水泳などしているときの消費エネルギーは簡単に測定する事はできません。
 マスクをして呼気の量と成分を自動的に測定するシステムもありますが、価格が一千万円以上するものです。
 この問題を私は、次のようにして処理しています。
 ① 心拍計を胸に巻いてエアロバイクを漕ぎながら呼気を採取、
   代謝量(=消費エネルギー)を測定し、代謝量と心拍数との関係を求める。
 ② この関係は、運動のモード、即ちエアロバイク(スポーツ医学では自転車エルゴメータ
   と呼ぶのが正しい)かトレッドミルかで若干異なるとの論文もあるようですがここでは、
   その差は無視し、この関係は歩行、マラソン、水泳などにもほぼ保たれるとします。 
   (私の購入した心拍計は水深30M保障)
 ③ 心拍計を胸に巻いて歩行、ランニングなどを行い、その心拍数から
   その運動のエネルギー消費量を求める。

 次の報告で、私が三つ池公園で歩行を行った例を紹介します。