敏翁のシルバー談義

敏翁の興味のスパンは広いのですが、最近は健康談義から大型TVを含むITと「カラオケ」「珈琲」にシフトしています。

プラスティツクフィルムの酸素通過性

2011-06-22 07:19:02 | お酒とコーヒー
 今回は珈琲粉保存用にプラスティックの袋を用いるお話です。
 私なりの焙煎、ブレンド、粉砕した珈琲粉を友人にお勧めしたりしていますが、
 その場合、粉を詰める容器が問題になります。
 粉になると、空気中の酸素による酸化・劣化が激しく、空気中保存では
 風味を保つのは数日程度だと言われています。
 それで、自宅で保存の場合には、既にお話したフラスコを用いた
 窒素ガス中保存法を開発していますが、これは郵送などには使えません。
 出来れば、薄いプラスティツク袋に入れて厚さを1cmに押さえ、送料80円で済む
 メール便を使いたいのです。
 プラスティツク・フィルムの通気性については良く研究されていて、
 通気性の極めて少ない「テドラー」(デュポン社の(R)、ポリ弗化ビニールPVF)
 も有りますが、極めて高価です。またアルミ蒸着で通気性を止める事も
 良く知られていて、レトルト食品などに広く用いられていますが、
 その袋だけを少量購入するのは困難で、また使用後のレトルト食品(例えばカレー)
 の袋の再利用も検討しましたが、食品固有の残香の除去が難しく断念しています。

 それで、簡単に入手出来るポリエチレンやポリプロピレン製の袋の利用を検討
 しました。
 この両者の通気性については、下記の研究を参考にしました。

http://www.shokuken.or.jp/report/06/6_010.html

透明プラスチックフィルムの通気性、透湿性および紫外線透過性の測定値
東洋食品研究所 > 研究報告書 > 第6号(1964)
著者:松井悦造・西郷英昭

 その研究結果からポリエチ、ポププロと参考にポリエステルの値を
 引用します。
                 gas permeability
                  cc/(cm・sec・cmHg)
  polyethylene low density   8.38x 10^-11  for O2
  polypropylene         3.23  〃   〃
  polyester           0.028  〃   〃


  この8.38x 10^-11という値は、45μのフィルムでは
  1.07 x 10^-4 cc/cm2・hr に相当し、
  下図の右にある18 x 19 cm のポリエチの袋では、酸素浸入量 0.073 cc/hr
  となります。
  これは、一週間168時間で12.3 ccの酸素浸入となります。

  持っている脱酸素剤の酸素吸収能力は、40ccはあるので(測定済み)
  ポリエチの袋に脱酸素剤を一袋入れれば、3週間程度は酸素の影響を受けずに
  済む事になる筈です。

  しかしこの推定が正しいか心配になり、市販品の通気性が本当にこの程度か
  試したくなってテストをしてみたのが本メールの主題です。

  テストした袋の写真をご覧に入れます。

  左がポリプロ(厚さ50μ)の袋、右がポリエチ(45μ)の袋です。
  いずれも写真に撮るために空気で膨らませてあります。
  また、ガスの出入口がついていますが、これは以下の測定の為につけたもので
  珈琲粉保存や郵送の為には付いていません。
  
  次に測定法が分かる写真をご覧に入れます。


  測定手順は、
  1.小フラスコ(150cc)にホッカイロの粉(黒いのがそれ)を封入し、
    減圧にしておく。(0.1気圧)
  2.テストする袋に窒素ガスを100cc程度封入し、一昼夜程度放置する。
  3.写真の様に、袋-フラスコ-デジタルマノメータ を連結する。
    この写真は、撮り易くする為袋を空気で膨らませていて、実際は
    全く膨らんでいません。
  4.袋中のガスを減圧小フラスコに注入し、その直後の圧力と、約30分後
    (酸素がほぼ完全に吸収される)の圧力の値から
    袋に浸入した酸素量を推定する。

  これは研究論文ではないので、測定や計算のより詳細は省略しますが、次の測定結果
  を得ています。

        酸素通気性(測定値)   酸素通気性(文献からの推定値)
          cc/hr  cc/(hr・cm2)    cc/(hr・cm2)
  ポリプロ袋 0.52   0.00103      0.000037
  ポリエチ袋 1.05   0.00154      0.000107

  考察など
  ① 今回の測定値は、文献とは一桁以上合わないが、その理由は不明。
    文献の値から実用の値への計算に何か勘違いがあるのかも知れない。
  ② いずれにしても、酸素リーク量は相当大きい。
    このポリエチ袋は、「ダイソウ」で17枚105円で購入したもので
    チャックが付いていて便利だが、このままではメール便に使用する
    にはリークが大きすぎるように思える。
    しかし、例えば袋を二重に重ねて使い、且つ脱酸素剤を2コ入れれば、
    このポリエチ袋でも、6日間程度無酸素状態を保てそうな事が分かる。
    尚、本測定ではチャックによるシールではなく、熱シールによる
    より完全なシールになっている
    (上図参照、チャックの外側を熱シールしている)



ハワイ旅行(2)珈琲の話

2011-06-04 09:02:22 | お酒とコーヒー
今回のハワイ旅行と珈琲の関係は二つあります。
 一つは、私の珈琲研究の成果、即ち
 メリタ・敏翁方式とフレンチプレス後の微粉処理(フレンチプレス・敏翁方式)
 の効果が私個人の感性だけでなく、より一般的に受け入れられる
 ものなのかどうかを、申し訳ないがとっちゃんさんとかんろうさんを使って
 チェックする機会としたい点であり、
 もう一つは、世界で2番目に評価の高いハワイ島コナ珈琲(一番は
 ブルーマウンテン)について現地で検討したい点であります。

 1.敏翁方式の評価
   焙煎豆(5月6日焙煎)の残り全部
      マンデリン フレンチロースト  約80g
      ブラジル  ハイシティロースト 約80g
  をブレンドし、半分を粗挽き(フレンチプレス用)、半分を細挽き(メリタ用)  
  にし、各々を気密性のある袋にいれ、脱酸素剤を同封してハワイ島に持参しました。

  それに併せて①フレンチプレス器、及びそれで発生する微粉処理の為の
  装置(と言うと大げさ、茶漉しとクリネックスとクリップ)、
  ②メリタ1X2 ドリツパーとフィルター、及び「メリタ・敏翁方式」の為の
  アルミ線、
  を持参しました。
  フレンチプレスそのままと、微粉処理したもの
  及び
  メリタ標準方式と、「メリタ・敏翁方式」
  を飲み比べて頂いて感想を伺うという趣向です。

  コンドミニアムの部屋で実演したのですが、初めに分かった事は
  各々のプロセスについ本ブログなどにかなり詳細に記載したつもりでしたが、
  お二人とも私の文章だけでは理解出来ず、実演を見てやっとわかって頂いた始末でした。
  ですから皆さんも多分お分かりになり難いかも知れないと思い、説明を繰り返します。

  ・フレンチプレス器で抽出された珈琲液は、豊富なアロマと相当量の微粉を含んでいます。
   そのアロマをなるべく残して微粉だけを濾過する為に、メリタなどで使っている濾紙よりも
   かなり粗いクリネックスの一枚(2枚重ねの半分)で濾過し、出来るだけアロマ成分を通過
   させ、且つ微粉の大部分を濾紙する事を狙ったのがフレンチプレス・敏翁方式です。
   そしてクリネックス一枚では、強度が弱いので茶漉しに敷いたものが、下の写真です。
   尚、この写真は帰国後に一人用のサーバーにクリネックスを付けた茶漉しを載せて
   撮影したもので、コンドミニアムの部屋ではそこに設置されていた大型の珈琲メーカー
   についていた8人(?)用のサーバーに載せて(載せ方にも工夫が必要だった)使いました。


  ・メリタ1X2ドリッパー(これは2杯から4杯分の抽出が可能)の排出孔にアルミ線
   (先端にはラップを巻いてストッパーとしている)を装着した姿と、それに1X2
   専用フィルターをセットした姿を下に示します。(これも帰国後撮影したもの)
   これに珈琲粉を入れて「メリタ・敏翁方式」に使います。

   上記アルミ線を装着しなければメリタ標準方式となります。
   メリタ標準方式の平均抽出時間(湯が珈琲粉に接触している平均時間)は、約88秒、
   それがメリタ・敏翁方式では約215秒となり、これでアロマの抽出が相当進むと考えました。
 
  ・先ずメリタ標準方式で淹れたものを呑んで頂き、次に「メリタ・敏翁方式」で淹れた
   ものを呑んで頂きました。
   感想は、確かに濃厚な風味になっているように感じられるというものでしたが、
   それほど強いインパクトは無かったようでした。
  ・次にフレンチプレスそのままを呑んで頂きました。  
   これは美味しいという事で、粉っぽさは殆ど気にならないという事でした。
   ヨーロッパ主体でフレンチプレス器は一億台売れていると言う事で、粉っぽさを
   感じないまま呑んでも不思議はありません。
  ・それで次にフレンチプレスの抽出液をクリネックスを付けた茶漉しで濾過し
   クリネックス上に大量の微粉が残留しているところを見て頂いてから
   濾過液をレンジで好みに合わせて加熱し呑んで頂きました。
   そしてこれが一番との評価を頂きました。
   ヨーロッパの皆さんもクリネックス上の大量の残留微粉を見てから
   濾過液を呑めばお二人と同様に評価するのではないかとの思いを強めた次第です。


 2.コナ珈琲

  ハワイ島のコナ地区には沢山の珈琲園がありますが、その
  オーガニック・コーヒーが、米国農務省(USDA)のオーガニック認定を得ていて、
  また多くの受賞も重ねて評価の高い「マウンテンサンダー・コーヒー農園」
  を訪問しました。
  ここは無料、有料のいくつかのツアーが出来るのですが、時間の関係もあり、
  そこで販売している2種類の珈琲(いずれも100%コナ珈琲)
  .peaberry Vienna roast豆  8oz,(226g)
.peaberry French roast豆  8oz,(226g)
を購入し、.はその工場でレギュラーに挽いて貰い、
  .はそのまま日本に持ち帰りました。その袋の画像を左に示します。
  また、工場で挽いてもらっている状況と、倉庫の入り口で撮った写真も下にご覧に入れます。

  ここで2,3解説します。(帰国後の調査でわかった事が大部分)
   ◎ピーベリー豆の説明(「楽天」)
   通常のコーヒー豆は、1つの実に2粒の平豆が入っています。しかし自然界のいたずらで、
   ラグビーボールのような丸豆が1粒だけ入っているものが、約4%ほどだけ収穫されます。
   これがピーベリー種(丸豆)で、その絶対的な収穫量の少なさから大変貴重とされています。
   丸い形状のため焙煎時の火の通りも良く、まんべんなくローストできることから、品質に
   バラツキのない完成度の高い「コナ・ピーベリー」。
   【味わいは…】
   香りと酸味とフルボディなコク。それでいて後味スッキリ。ひと口含めば、コナの熱い太陽を
   感じることができます。濃い目のコーヒーをお好みの方に、おススメです。
  
  ◎焙煎(マウンテンサンダー・コーヒー農園のホームページなど)
   Vienna roastとは Light French roast の事で、マウンテンサンダでは
   Vienna roastとFrench roastしかやってなく、その中でもVienna roastを勧めて
   います。
   また、French roastもかっては豆の内部温度~460 degrees Fで行っていましたが、
   最近は、~450 degrees F に下げているとの事です。
   当然Vienna roastの「豆の内部温度」はそれ以下の筈ですが、その記載はありません。
   尚、この焙煎度と内部温度の関係は、農園/メーカーによつて全く異なるものらしく
   相当異なる温度を記載しているウェブもあります。

  ◎ハワイ州の農産省はコナ・コーヒーの等級を設定している様ですが、その原文
   を見つける事は今のところ出来ていません。
   その等級について、各農園や商社などが言っている事はかなりあいまいですが、
   どうやら、エキストラ・ファンシーとピーベリーのどらかが最高級という事のようです。

  ◎今度購入したものは、81\/$として100g当たり654円になります。
   国内価格で見ると、コナ・ピーベリーは高いところでは1100円位します。
   尚、ブルーマウンテンは、高いもので1800円します。
   しかしナンバー3のキリマンジャロ以下は400円台といった相場の様です。

  このVienna roast レギュラー挽きを、早速部屋に戻り標準メリタ方式で淹れました。
  皆さんの好みでは、まろやかだが多少迫力に欠ける(私の持参したものとの相対
  評価)印象だったので、これと、持参粉を1:1及び2:1にブレンドしたものを
  呑んで頂きました。
  結果は2:1が私を含めた皆さんの好みに合ったようでした。
  
  帰国後、French roastの豆について検討を始めたところですが、それは稿を改めて
  お話する事にしたいと思います。




ハワイ旅行(1)南十字星とゴルフ

2011-06-03 06:11:09 | ゴルフ
去る5月20日から28日までハワイ島に行ってきました。
本ブログでは、昨年の「カラオケ忘年会」で紹介した愛称を
 使う事にします。
 
 「とっちゃん」さんがタイムシェアで持っているハワイ島
 ワイコロアのコンドミニアム「ザ・ベイ・クラブ」に
 「とっちゃん」さん、「かんろう」さんと三人で7泊、楽しんできました。
 企画は総てとっちやんが行ったものですが、本稿は、それを私「敏翁」なりに
 纏めたものです。

 1.南十字星
  23日にマウナケア夕陽と星空観測ツアーに行きました。
  先ずマウナケア山(4205m)で見た夕陽の写真をご覧に入れます。
左からかんろうさん、とっちゃんさん、敏翁です。
 

  それから満天の星を神話を交えて解説を聞きましたが、一番は「南十字星」が
  見られた事でした。
  それで、これはコンドミニアムでも見えるのではないかとの発想を得、
  帰ってから夜空を探しました。当夜は見つける事が出来ませんでしたが、
  翌夜に泊まっている部屋のベランダでとっちゃんが見つけ、かんろうさんが
  苦心してカメラに収めました。
  その画像をご覧に入れます。
  2本の椰子の間に見事に収まっております。


 
 2.ゴルフ
  このコンドミニアムの周辺に展開している「ワイコロア・ビーチ・
  リゾート・ゴルフ」のビーチ・コース(22日)とキングス・コース(25日)を
  廻りました。
  先ず両コースを併せて最も美しいとされるビーチコースの7番の写真をご覧に
  入れます。


  しかし、私にとって最も思い出になるのは次のハプニング(?)です。
  我々の泊まっている部屋から20mほどのところはビーチ・コースの11番
  です。そのグリーン周辺をベランダから見た写真と、グリーンの方向から
  見た我々の部屋の写真をご覧に入れます。
赤いシャツの人物がかんろうさんで、この位置から南十字星の写真を撮ったのです。


  そしてこのホールで何と私がバーディーを取ったのでした。
  このコースは2年?ほど前に、全面的な改定を行っていた事もあり、
  ホールナンバーも貰った絵図(コンドミニアムとの位置関係が描かれている)
  と全く異なっていて、当初バーデイーを取ったホールが毎日見ていたホール
  である事に全く気づかず、その特異なガードバンカーの形から数日後に私が
  気づいたでした。
  そしてこのバーディーが利いた事もあり、ビーチコースは、50、45で周り
  今年の最良スコアを得た事と併せて思い出に残る事になりました。
  なお、キングス・コースの私は冴えませんでした。(48、57)
特に後半の最後に大崩れ、最終ホールは12の大叩きでした。
  かんろうさんが90を切った事だけを申し添えます。

  次回(2)は、珈琲の話になる予定です。