敏翁のシルバー談義

敏翁の興味のスパンは広いのですが、最近は健康談義から大型TVを含むITと「カラオケ」「珈琲」にシフトしています。

ダンパー付き手動焙煎機

2012-10-28 07:19:42 | お酒とコーヒー
 
 本ブログの①8月31日掲載『焙煎機の小改造』、
 ②9月2日掲載『焙煎機の小改造(2)本格的焙煎機を模す』などで
 既にお話しているアウベルクラフト社の「Compact Coffee Roaster」
 (以下CCRと略記)の金網をアルミ箔で覆った敏翁式焙煎機の最新の姿を左図にご覧に入れます。

 3面を完全にアルミ箔で覆い、残りの一面(左図の左面)を周りに隙間を開けて覆った形を
 使っています。
 このアルミ箔の作用は、ダンパー機能を期待している事も上記①と②で既にお話しました。

 極く最近、ワイルド珈琲のホームページで同社が同じ発想の製品の発売を
 開始している事を知りました。
ワイルド珈琲は生豆の販売大手で私が愛用している店ですが、同社はまた
 本格的(と言っても小型機のみ)焙煎機の製造元でもあります。



 http://wild-coffee-store.com/?pid=48796832
 『ダンパー付き手焙煎網み』と称するものです。
 その画像を上記ウェブから借りてご覧に入れます。

 価格は4,500円(税込)ですが、入手には別に送料が500円かかるようです。(CCRは11000円)

 本製品が特徴としてあげているのは次の5項目です。
 (1)カセットコンロで美味しく煎れます。
 (2)煎りムラがなく、均一に仕上がります。
 (3)抜けた味になりません。
 (4)適度なコクが作れます。
 (5)水分抜きがうまく出来ますので、日持ちの長いコーヒーが煎れます。

 本製品の動作条件は、豆が黄色になる頃からダンパーをかなり開けるなど
 現在私が採用している条件(1ハゼが始まったら一面を取り外す)と
 異なっているので、参考にして行きたいと思っている次第です。

 私は新しい珈琲豆を探す為にワイルド珈琲のホームページも週一程度は
見ているので、私のブログへの発表(上記①)が、本製品発売の発表より早い事は確かですが、
 ただ製品化には時間がかかったと思うので、着想はワイルド珈琲が早いでしょう。
 いずれにしても、同様な発想が独立した2箇所で生まれ、これが個人用の低価格焙煎装置の
 トレンドになって行く予感のようなものを感じます。
 この両者の様な焙煎機は総括して題名の『ダンパー付き手動焙煎機』と呼ぶ事にしたいと思います。
 この動きの始まりは、これも上記①で既に触れている
 http://www.flavorcoffee.co.jp/flavor3.html
 『ミルク缶焙煎機のつくり方』だと思います。
 これは愛知県西尾市にあるフレーバーコーヒーが開発したもので
 製品化はしていませんが、店に行けば見られそうです。
 しかしこの試みには可変式のダンパーを使うという概念は未だありません。
 この開発の時期は、上記ウェブの最終更新日:2009年 9月 20日 (日)
 からかなり前ですが、これが今回の『ダンパー付き手動焙煎機』の特徴の重要な
一つである「(3)抜けた味になりません」対策の源流だと思います。

 本格的焙煎機の製造元でもあるワイルド珈琲からの本製品の発売で個人用低価格焙煎機の分野で
『ダンパー付き手動焙煎機』はこれから広がっていくのではないかと思います。 更なる改良の試み
も現れるかも知れません。
 そして私は、同じ発想を思いついた自分の「老いの手遊び」とも言える珈琲研究(?)もそんなにピントが
 ずれたものでもなさそうと意を強くしているところです。


 

エスプレッソ抽出特性、指数関数を示すもう一つの傍証

2012-10-17 06:53:31 | お酒とコーヒー
 私の珈琲に関する研究(?)成果で今年のトピックスの一つは
 エスプレッソ抽出特性が指数関数で表現できる事の発見だと思う。
 初出は本ブログ5月4日 掲載『エスプレッソ 抽出濃度の解析』

 即ち
 抽出量qの時点の抽出液の濃度Cが、抽出開始時の濃度をC0とした場合に
   C = C0・exp(-αq)        (1)
で記述できそうなことを発見した事である。

 しかし、本当にこの表現の近似の精度は高いのか、自分でも自信があるわけではなく、
 新たなエビデンスを探していた。
 その一つとして、新たな傍証とも言えるものを見つけたのでその話をしたい。
 
 1.それは、1式をq=0からq=∞まで積分する事により、
   その珈琲粉から抽出可能な固形物の最大量を推定する事が出来る事に関するもの
   である。
   以下、上記最大量を「抽出可能固形物最大量」(以下Qmaxと略記)と呼ぶ事とし、
   またこのQmaxのチャージした珈琲粉の量に対する%を Qmax%と表記する。
   尚上記積分により、Qmax=C0/α/100 g となる。(C0が%表示のため100で除してある)

 2.私の使っているエスプレッソ機(デロンギEC200N)には、1杯用と2杯用の
   フィルターが付いていて、各々に対する珈琲粉の最大チャージ量は8g強と15g強
   である。
   この二つのフィルターに同一珈琲粉をチャージした場合の抽出特性は相当異なる
   筈だが、指数関数表示が成立するならばその珈琲粉固有の属性であるQmax%は等しくなる筈と考えた。

 3.実験にはブラジル イェローブルボン種豆をフレンチローストし、デロンギのミル
   KG364Jの目盛り"4"で挽いたものを用いた。この細かさは、これも広く使われている
   カリタのミルC-90の一番細かい挽きに相当し、私がエスプレッソの標準として使っている細かさである。
   (4月7日掲載『デロンギのコーヒーグラインダー(2)』参照)


 4.結果を表にまとめて見た。
   C0とαの求め方は上記5月4日 掲載『エスプレッソ 抽出濃度の解析』

      粉チャージ量  C0    α    Qmax%
   1杯用  8.17(g)  18.6(%) 0.102   22.3(%)
   2杯用 15.0     22.7    0.069   21.9

  C0とαは全く異なる値だが、Qmax%はほぼ等しいと言えて、
  これは指数関数表示成立の一つの傍証になっていると思う。