鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

水槽の中の小宇宙(その1)

2008年07月19日 00時20分22秒 | 随筆或いはエッセイ
ジェームスが行方不明だ。コメントのやり取りの途中で名前を付けたエビノコバンなのだが、寄生主のヤマトヌマエビが遂に脱皮したようなのだ。抜け殻があった。一匹死んでしまったのかと思ったほどに、殻らしくない殻だった。数を数えたら、ちゃんと3匹全員エビは居た。そして今まで寄生されていた、尻尾の模様の美しい個体は横腹にくっ付いて目玉に尻を向けた失礼なジェームス・コバーンから開放されて、何だかすごくのびのびエビエビしているように見える。ジェームスは他の個体に付いているわけではなく、今のところ行方知れず。いきなりソデにされて傷心のあまり肥えた体で追憶にひたっているのか・・・そんなことはない。 その内現れるだろう。

カブトエビは全員が死んだ。アメリカカブトエビなら卵を採れたかもしれないが、ほとんど生態その他を知らぬまま、大発生の田んぼから連れてきて、徐々に判ったことだが、アジアカブトエビらしく、しかも全部オスだったらしく、脱皮は猛烈にしまくって面白く、朝は水面に腹を出してさわさわと楽しませてくれたが、また来年か再来年かに期待したい。その時はホウネンエビも隔離して連れてきたい。私は卵などを買い求めるまでは、たぶんしないだろう。いつだって偶然の何となくが身上だから。

サカマキガイが大量発生して、水槽は貝だらけになった。これはまずかろうと、一転決意して排除にとりかかった。掬っては回りにぽいぽい捨てた。外の水槽の周りには貝塚ができるかも知れない。1匹だけカワニナがいるのだが、これは本当に1匹だけだから、ちっとも殖えることはない。何かの機会にもう1匹連れてこようかどうしようか迷っている。

ボーフラは何故か育つ水槽と育たない水槽がある。親のヒメダカがいるところでは、さすがにほとんど発生しない。でも時々羽化した抜け殻が浮いていることがある。強運と根性と技量にすぐれたヤツが悪条件下でも生き延びるようだ。仔魚、稚魚だけの水槽ではボーフラは我が物顔だ。極小のタモを買ったので、ボーフラは掬い取ってはポイだ。ボーフラ掬いがこれ又けっこう楽しい。水面で呼吸してるヤツは一番簡単。底にいるヤツをかまって脅して掬うのも楽しい。潜水途中のヤツを追いかける格好でやるのが一番のスリル。これは横にピコピコピコと移動する業師がいたりする。飽きない楽しみだ。

先日、水草を近所に採りに出かけた。上に田んぼがなくて沢の小川が溜池に流れ込んでいる所なら農薬の心配はなかろうと考えたうえでの候補地があった。でもアオミドロだけで金魚鉢に入れるような涼しげな水草はなかった。替わりに、カジカの小さいのを2匹捕まえた。2センチ余りと2センチ足らず。これはメダカの子は食われそうだ。調べてみたら、一緒にすると地獄絵図とある。1リットルの角ペットボトルの横っ腹に長四角の穴を開けて水槽を作った。どうしても地獄を見たくなって、大量に繁殖成功したヒメダカの子を3匹入れた。何度もかなりの時間観るのだが、観ている時は知らぬ顔をしていて、いつの間にか3匹はいなくなった。やはり可哀想なことをした・・・と思う。

ヒメダカがうじゃうじゃ居る水槽の底にゴミの細長い塊がいっぱいあって、それを掬ってみると赤虫なのだ。これを掬ってはカジカに遣っている。これは観ているときでも喰う。でかいのは途中であきらめて吐き出したりする。2匹はしかし、縄張り争いなのか、いつも小さいカジカは水面近くの壁面に追いやられている。大きい方は我が物顔だ。赤虫がそばにうにゅうにゅしていても素知らぬ振りなのに、小カジカが水底に下りてこようものなら、すぐに追い回す。先週の土曜から飼っているのだが、今日仕事から帰ったら、小カジカが死んでいた。追い回された挙句の憤死だったかも知れない。大カジカは腹太く元気だ。

ヒメダカ。これが始まりだったのだ。これはもう200匹以上の子がうじゃうじゃと手製の水槽と市販の水槽と海苔のビンとその類似容器と、計6個の水槽にいる。何かの加減で一つの水槽が全滅したっていいようにというつもり。でもそんな失敗はしないだろうと少し自信も持ったりしている。親はメス3匹とオス2匹が残っていて、まだまだ産卵中だ。どこまで殖えるやら・・・。後手後手の知識だけれど、楽しくヒメ達と遊んでいるこの頃。


コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする