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鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

水槽の中の小宇宙(その2)

2008年07月21日 23時08分02秒 | 随筆或いはエッセイ
水槽のなかに大量発生したサカマキガイを退治しはじめたのだが、全部きれいに排除してしまおうという気にはどうしてもならない。観ているとなかなかに動きが楽しいのだ。この貝はフタが無い。閉じこもることがない。ガラス壁にくっ付いて動くのだが、くっついているという感じがなく、よどみなく滑っていく。測ってみたら15秒で4センチ動いた。時速9.6mである。

水面を背面泳ぎもするのだが、小さい橙色の口をもぞもぞ動かしながら滑っていく。かわいいのである。同時的雌雄同体で自家受精はできない・・・と『愉「貝」な仲間たち!』で前橋工科大学大学院の阿部泰宜氏が書いている。ということは、よく貝どうしくっ付いてうにゅうにゅやっているのは、精子を交換しあっているのだろうか? まるでビジネスマンが名刺交換するように、『あ、どうも・・』てな感じで精子交換。『私切らしてしまいまして・・・』なんていうのも居たりして。

3匹でからまりあって、烈しく動いていることもある。あきらかに嫌がっていて振りほどこうとしている感じだったり、離れたと思ったらガラス面を1センチ位の孤を描いてターンして戻り合流またまたうにょうにょやり始めたりする。水中に浮んだまま静止していたり、スーッと浮上したり、それからスーッと沈下したりするのだが、どういう仕組みでやれるのだろう。尻尾のようなものは出しているが動かしてはいない。空気袋を持っていて、筋肉で圧縮したり、膨らませたりして上下しているに違いない。水中での横移動は不可能のようだ。サカマキガイは卵から孵化して1ヶ月で繁殖可能になり寿命は1年らしい。永い付き合いになりそうだ。

それに対して、1匹だけいるとんがり帽子のカワニナは雌雄があるのだそうだ。もし、もう1匹連れてきても同性なら繁殖はしないということなのだろう。こちらはサカマキガイの何倍もの大きさだが動きはのろい。そしてフタを持っているから時々水底に転がってフタを閉じ自分の世界にこもる。ガラス壁にぴったりと吸盤をくっ付けてやっと水面近くまで上っても何かの拍子にころりと水底に落ちていく。泳げない。あきらめがいいのか、ドジなのか、フタを閉じて死んだのかと思えばゆっくりフタを持ち上げて体をひねり体位を正常にして水底を這いだし、のろいのに意外に距離をかせいで意外なところにいたりする。カワニナは卵胎生なのだそうだ。サカマキガイはゼラチン卵塊を色んなところに産み付けるが、カワニナは卵なしで、いきなり稚貝が発生するということになる。友人のところでは以前、1匹しかいないカワニナから大量に稚貝が増えたというから、その1匹が授精したメスだったのだろう。これで私たちは貝について少々稚貝がわかる男になった。いや、違いが・・。

コメント (6)
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