智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

家物語13、寝室、床材を探して・・・涙

2013年10月06日 | 家の設計、インテリア
旧宅では和室に布団を敷いていましたが、新居を機にベッドにしました。


ベッドは、下に空間を開けて、


写真のように、ルンバでも掃除できますが、掃除機も入ります。

夏は、湿気が篭らず快適で、 冬は、床の冷気が伝わらず暖かく、一石三鳥です。

また、ベッド・ヘッド(枕板)とベッド(マットレス台)を一体にせず、

ベッドを二つ隣接したり、離したりできるようにしました。


市販の家具では、ヘッドと台は一体が一般的です。

木製では、幕板が床まであり、下に隙間がない、寒さ対応のタイプか、

スチール製では、下に隙間がある、暑さ対応スタイルに 分かれるようです。

私は、両者の折衷案で、ケヤキで家具職人に作成を依頼しました。



また、照明スイッチは、

寝たままで、手を伸ばせば届く位置に、調整しました。

読書灯は、光量を調節できるようにして、

全体照明は、ベッドで仰向けに時、光源が目に入らない位置にしました。

住林側の家具職人でなく、当方の職人なので、

打ち合わせや現場あわせの段取り、全て当方で行い、調整が大変でした。



さて、またもやトラブル発生・・・・

LDKと寝室は、サクラ(正式にはカバザクラ)と早々に決めていました。

ケヤキとの相性もいいのですが、なによりも、

夫が、私の実家のサクラの床を見て、「美しい」と惚れ込んだからです。


実家は、リフォームしたとき、設計が施工も担当し、彼は卸の倉庫で材料検査をして、

チークの家具と合う、赤味の美しい床材を選出してきました。

年月が経ち、琥珀色のコニャックのような深い光沢を増して、本当に美しいのです。


それで、住林に同様に探してもらいましたが、

床暖房仕様では、色が飛んで、なかなか見つかりませんでした。

ようやく、四国の業者で、ほぼ納得の床材が見つかったのですが、

色にバラつきがあり、選別したい旨伝えましたが、住林の答えは「NO」でした。


現場に床材が大量に運ばれ、淡い黄色系から暗い赤褐色まで、色幅がありました。

「お任せ」では、それまでのトラブルから、美しいものは手に入らない、と予想し

私は、住林や大工への遠慮は捨て、一緒に取り組みました。


まず、傷物80本をはじかせ、

残りを、淡黄色・中間色・暗褐色・難有「シマシマ」に、大工と一緒に分別しました。

各色の分量から、「中間色+暗赤褐色」系をあきらめ、「淡黄色+中間色」でLDKを敷くことに決めました。

日に焼ける南側に、淡黄色系を配置。 目立つリビング中央付近に、美しい中間色。

日に焼けず色が変わりにくい、北側ダイニング付近に、比較的濃い色、

大工と一緒に並べ、納得してGOサインを出しました。


次、寝室は「残り物」で苦慮し、傷物80本の代替品を手配するよう指示しました。

そして、送られてきた材の梱包を解いて・・・・絶句!!!

私達が望んだ、赤味の色が揃った、美しい材料だったのです!

どうして、今回は粒ぞろいなのか、どうして最初からそうできないのか?

LDKは、私には妥協で飲み込んだもので、納得できず、

住林を飛ばして、卸先に直接連絡して、担当を呼び出すと、責任者が対応しました。


分かったことは、

「購入者が、四国に来て、倉庫で開封して、1ロット(10本)単位での選別は可。」

つまり、「卸側」が選別することは拒否だが、「購入者」が自分で選別するのはOK。

また、購入単位は1ロットで、中の2,3本だけ選別しての購入はできない。

つまり、多めに購入すればいいことです。

「80本については、お客さんがコダワリの人、と聞いて、開封して見てから送った。

地元の大工は、こだわりのお客さんを連れてきて、選別しているよ。

でも、埼玉じゃ遠くて無理だよね。」

「とんでもない!材検のため、夫と四国に旅行しましたよ。

瓦を確認するため、京都と芦屋まで一泊2日で旅行したくらいですから。

オタクで材検した後、讃岐うどんを食べて、温泉楽しんで、帰ればいいことです。」


予算を伝え、赤味の美しさについて言及すると、

「中国で生産・加工。色は、淡い色から赤褐色まで5段階で選別され、半年前に注文を受ければ、色を揃えることもできる」

絶句、と共に、涙がでた・・・3年前から、住林に探させていた・・時間はあったよ。

因みに、赤味の方が、材として珍重され、価値が高いのです。

若木は淡黄色、年月を経て、赤い色素を持つ木だけが、赤味を発するのです。


難有り「シマシマ」つまり、一本180cmの中に、淡黄色・濃赤色・淡黄色・濃赤色と

地図の線路みたいに、色のコントラストが極端なものについて、疑問を発すると、

「一本の材を、2から5本寄せ集めて1本に成形するのは、日本独特。

欧米や中国では、長いままで使う。」


理由は、室内空間の狭さや、木が動くことの防止が考えられるそうですが、

時間さえあれば、一本物で色を揃えることが出来たわけです。

ショック・・・・


その頃、玄関・化粧柱への不始末、軒天・点々杉など、特注物件で問題続出で、

住林の設計・施工・営業の責任者を呼んで、

「どういうことか!!!」と語気強く、怒りをアラワにして、追求しました。

施工担当の男性に至っては、「ボクは何度も交渉したけど、卸はそう言わなかった」

「ボクは なさけない」と泣き出す始末・・・・

泣きたいのは、こっちです。 


まあ・・・・

卸問屋との会話や、住林との交渉力は、20代の法務の経験で培われたもの、

私の能力が一枚上で、他者に同じレベルを期待できない、ということでしょうか・・・

夫が「化粧柱は選び直し、軒天は銅板でカバーしたし、床は飲み込んでやれ」

床材のやり直しは、接着済みの床暖房も交換になり、住林の損害は大きいものでした。

私、夫に慰められ、我慢しました。


寝室の床は、代替品80本加わったことで、「中間色+赤褐色」の色構成になり、

LDKより色が深く、シックでゴージャスな感じになりました。

写真では、その差は、伝わりにくいのが残念です。


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