ひょんなことから徒然草を、ペラペラめくってみました・・・。
意外に面白い!
徒然草と言えば、高校時代と受験の時に一部分を勉強したことがあるだけでした。
つれづれなるままに、日暮し硯に向かいて、心にうつりゆく由なしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそもの狂ほしけれ・・・
兼好は、1283年頃の生まれ、1352年に亡くなりました・・・享年70・・・当時としては長生きだったと思います。
徒然草を執筆したのが38歳頃だと言われています。
学生時代、格調高い書き出しが、ただ単に、素敵かな!?という感じがあっただけでした。
ただ、出家僧で全体が宗教がかっている感じと鼻につく説教臭い内容が、ちょっと避けたい書物かな?という印象だったことを覚えています。
年齢を重ねるにつれて、本の読解力が進化していくのでしょうか?
あれだけ避けていた徒然草が、ちょっと身近に思えてきます。
徒然草
武田友宏著 角川書店編 ビギナーズ・クラシックス 角川ソフィア文庫 629円+税
「つれづれなるままに・・・」の書き出しは、「自己発見の道へ・・・」と解釈。
なるほどです。
そのほか「出世の本道」「いい男の条件」「住まいは人なり」「悪筆は個性の表現」といった段ごとにタイトルをつけてあり、その意訳を読むだけでも面白いです。
さらに、嵐山光三郎さん(作家)や萩野文子さん(東進ハイスクールのマドンナ講師)の意訳を読むと更に理解が深まります。
現代語訳 徒然草
嵐山光三郎著 岩波現代文庫 740円+税
嵐山さんの現代語訳は、現代に徒然草を書けば、こういうエッセイになるという展開・・・思わず笑ってしまいます。
序段は「たいくつしのぎに・・・」です(笑)。
嵐山さんらしい辛口の意訳・・・楽しく読むことが出来ます。
ヘタな人生論より徒然草
萩野文子著 河出文庫 570円+税
東進ハイスクールの「マドンナ講師」の講義風の一冊です。
徒然草を、「観る」「つき合う」「捨てる」「暮らす」「高める」「極める」「生きる」の7つのジャンルに再編集して解説しています。
面白かったのが、第五章の「高める・・・わが身を内から支える品性と教養の高め方」。
・あらゆる長所も品性があってこそ
・自然を感受する心が人間らしさを育む
・人目のない時ほど品のあるふるまいを
・上品か下品かは会話ひとつにも表れる
・未熟な初心者こそ一流の人に混じって学べ
・真の学問は自分を知ること
・点でとらえずプロセスで見る
さすがは予備校の先生・・・分かりやすいです。
読書の秋・・・徒然草や方丈記などの古典を紐解くことも中々楽しいひと時です。