冨山和彦さんの新刊を読んでいると、「両利きの経営」というキーワードがでてきて、ちょっと興味 を惹かれました。
「両利きの経営(東洋経済新報社刊)」とは、チャールズ・A・オライリー(スタンフォード大学)、マイケル・L・タッシュマン(ハーバード大学) の新刊本。
同書では、入山章栄さん(早大) と冨山和彦さんがダブル解説を加えています。
「両利き(ambidexterity)の経営」とは、左右の両手がどちらも利き手であるかのように自在に使えることを意味しています。
企業経営においては、既存の事業を深めていく「深化(exploitation)」と、新しい事業の開拓をめざす「探索(exploration)」の2つがあります。
「業務効率化、収益化」→知の深化(既存のノウハウ、技術の深堀り)
「イノベーション(新たな商品、サービスの開発)」→知の探索(異分野の知恵と技 術の組み合わせ)
この2つのバランスをとって経営していきましょうという提言です。
イノベーションを目指し、だけを続けていくというのは、シリコンバレーにあるスタートアップ企業のような経営スタイル。
そして、現業の業務効率化を推進しながら進めていくのが、現在ある大手企業ということになると思います。
少し前、ハーバードビジネススクールのクリステンセン教授が提唱した「イノベーションのジレンマ」。 「知の探索」と「知の深化」は、真逆・・・二兎を追う経営ということになります。
これを進めていくためには、社内に2つの性質を同居させたり、あるいはオープンイノベーションなどの外部との連携、アライアンスを進めていくことが考えられます。
「それが出来たら苦労しないよ」という声が聞こえてきそうです。
特に、経団連に所属する昭和の会社には、とても難しいトランスフォーメーション だと思います。
「ゆでガエル」だったところに、新型コロナウイルスの襲来。
過去の延長線上では解が見つからない世界・・・経営改革は、今がチャンスだと思います。
理屈は分かったけど、実際どうするのか? まさに行動、執行力が問われる「両利きの経営」です。