能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 帝国データバンク・東京商工R 会社は潰れるようにできている

2019年02月20日 | 本と雑誌
会社にも命があり、寿命がある・・・最近そんなことを考えます。
 
昨今は、起業ブーム。
定年後起業や脱サラ起業、あるいは若者のスモールビジネスやベンチャー起業・・・。
でも、現場の感覚では、3年間持ちこたえる会社は半分以下のような気がします。


なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則
帝国データバンク・東京商工リサーチ協力 日経BP社刊 1600円+税

日曜日の午後、コーヒーを片手に倒産本を読みました。

大ベストセラーから始まった経営者の迷走・・・
大手に真っ向勝負を挑んだ新工場、過剰投資に終わる・・・
取材殺到するも内実は・・・資金ショートに沈んだベンチャー
人を育てずFC展開、爆走の末に散った人気チェーン
ビジネスモデルも社員も刻々と老化、力尽きた老舗宝飾店・・・

本当に、涙、涙のストーリー。
23社の破綻・失敗が、一部実名入りで掲載されています。
帝国データバンク・東京商工リサーチの協力のもと、生々しく泥臭い取材が、実にリアルです。

成功ストーリーを真似ても、あまり成功することはできませんが、失敗ストーリーには、かなりの普遍性、再現性があるように思います。
経営の成功には、あまり再現性はありませんが、失敗する方法論は確実にあるということだと思います。


同書では、「破綻の定石」と題し、11の地獄の1丁目へのルートが紹介されています。

破綻の定石1・・・脚光を浴びるも、内実が伴わない
破綻の定石2・・・幸運なヒットが、災いを呼ぶ
破綻の定石3・・・攻めの投資でつまづく
破綻の定石4・・・世代交代できず、老舗が力尽きる
破綻の定石5・・・起死回生を狙った一手が、仇に


破綻の定石6・・・負の遺産が、挽回の足かせに
破綻の定石7・・・危機対応が後手にまわる
破綻の定石8・・・売れてもキャッシュが残らない
破綻の定石9・・・一社依存の恐ろしさ
破綻の定石10・・・現場が統率しきれない
破綻の定石11・・・ある日突然、謎の紳士が・・・

ひと昔前までは、放漫経営や売上低迷等が倒産原因の多くを占めていましたが、同書の23社のケースを見る限り、経営者が最後の最後までアタマを振り絞り足を動かしていたことが分かります。

最近では、人手不足倒産、事業承継できない黒字企業の解散など、今まで目にしなかった倒産原因が浮上してきました。

目次
第1章 急成長には落とし穴かある
第2章 ビジネスモデルが陳腐化したときの分かれ道
第3章 リスク管理の甘さはいつでも命取りになる

会社は潰れるようにできている。
それを回避するのが、マネジメントの仕事。
毎月1日の損益は家賃や人件費などで常にマイナスからスタートします。
気合と根性で営業して売上を日々上げていく・・・そして、損益分岐点を超えて利益が出始める・・・。
そして、翌月1日、また、大きなマイナスを抱えてスタートする・・・。
とてもフツーのサラリーマンには真似できないメンタル、ストレス耐性が必須です。
社員を雇用し、会社を経営している友人、知人が、とても立派に思えた休日の昼下がりでした。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カープ仕様のタクシー 広島... | トップ | プロ野球の監督年俸ランキン... »
最新の画像もっと見る