ちょっと気になっていたジョブ理論。
やさしい解説本が出版されました。
やさしい解説本が出版されました。
「成功する組織は、ジョブを中心に築かれる」
「イノベーションのジレンマ」の著書で有名なクリステンセン教授が提唱するショブ理論。
ジョブとは、顧客が解決したいこと。
ジョブ理論とは、「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」と定義されています。
クリステンセン流のマーケティングメソッドという理解で良いと思います。
フレームワークやチャートや図解が少ない(わざと避けている?)クリステンセン教授の著作は、ちょっと抽象的で概念的。
それを実務家としての視点から、分かりやすく解説した一冊が出版されました。
実践「ジョブ理論」ハーバードビジネススクール・クリステンセン教授最新マーケティング理論
早嶋聡史著 総合法令出版 1800円+税
早嶋聡史著 総合法令出版 1800円+税
著者はコンサルティング会社ビズ・ナビ&カンパニー社長。日本M&Aアドバイザー協会の理事などを務めている実務家。
ジョブ理論を、STPや4P、5Fなどで補完しながら分かりやすく解説しています。
まずは、クリステンセン教授の原著にもあるミルクシェイクのジレンマの解説から始まっています。
ファストフードチェーンの「どうすればミルクシェイクがもっと売れるのか?」という問い。
これについてジョブ理論を展開していくと、次にような解が引き出されてきます。
朝出勤中の男性のジョブ・・・仕事先まで長く退屈な運転の退屈しのぎ
子どもと過ごしている休日の午後の男性のジョブ・・・優しい父親の気分に浸る
なるほど。
直ぐ食べ終わるバナナや手がベタつくチョコレートじゃダメなんですね。
顧客の置かれた状況や時間帯でもニーズやウォンツが変わってくるんですね。
ジョブ理論では、「機能的ジョブ」「感情的ジョブ」「社会的ジョブ」の3種類から説明します。
目次
第1部 What ジョブ理論とは?
第2部 Why なぜジョブ理論が注目されるのか?
第3部 How ジョブ理論を実践する
特に、第三部は、キーエンスやQBハウスなどの具体的な事例説明もあり、ジョブ理論の活用に向けたフォローをしています。
「ジョブ」を見つけるための5つのポイント
1.身近な生活のなか
2.無消費
3.その場しのぎの対応
4.できれば避けたいこと
5.意外な使われ方
同書での説明があるように、従来のマーケティング理論に、このジョブ理論というスパイスを加えることにより、顧客への新しい訴求ポイント、USPが見つかるかもしれません。
広告代理店のマーケターにも、一読いただきたいお勧めの一冊です。