渋谷駅のハチ公サイド・・・スクランブル交差点で有名な日本で最も集客力のあるエリア・・・。
そこに、不思議な看板。
東急百貨店の壁面です。
「渋谷の文化はストリートから生まれる。今、ここを歩く、あなたから生まれる。」
「青春は十代の特権ではない。」
「渋谷は変わる あなたは?」
なんだこれ?(笑)
Canonのカメラを持ったオーストラリアから来た女性に質問されました。
「あれ、何て書いているの?」
G`day mate!つたない英語で説明にしあげたのですが、理解できたでしょうか?(笑)
この広告、よくよく見ると東京海上日動が広告主。
損害保険会社の最大手です。
最近では、生保も損保も、ネット申し込みの時代、さらに競合の損保会社の激しい追い上げもあり、今回の看板広告になったのだと思います。
さらには、東急電鉄にも中吊り広告を掲載・・・。
こちらのコピーは、ちょっと損保らしい広告です。
でも、これでも東京海上損保の保険に入ろうという気持ちは起こりません。
広告代理店やプロダクションの陰謀も、今回はちょっとというか、かなりハズレです・・・残念。
小職のように、若き日に渋谷で遊びほうけていたオヤジに対する、お誘いなんでしょうか?
それも、ちょっと的外れなような気がします。
「青春は十代の特権ではない。」
というコピーを見て、思い出したのが、サミエル・ウルマンの「青春」という詩。
産業能率大学出版部から刊行されているロングセラーです。
青春 by サミエル・ウルマン
青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。
年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
曰く「驚異の愛慕心」 空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。
人は信念と共に若く
人は自信と共に若く
希望ある限り若く
疑惑と共に老ゆる
恐怖と共に老ゆる
失望と共に老い朽ちる
大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、偉力と霊感を受ける限り、
人の若さは失われない。
これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば、
この時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる。
(産業能率大学出版部刊 1986年 1200円+税)
ジェラントロジー・・・
いつまでも、気持ち的には、若くありたいものです。
サミュエル・ウルマン・・・松下幸之助さんや歴代の名経営者が愛した名詩です。
この損保会社の広告を見て、若き日の渋谷での出来事を、いろいろと思い出してしまいました。