役員になる課長の仕事力 グローバル時代に備える思考術・行動術
綱島邦夫著 日本能率協会刊 1600円+税
「外資系経営人材開発コンサルが教える」というキャッチフレーズがあるように、
著者はヘイコンサルティンググループのディレクター。
ウォートンでMBAを取得、野村證券、マッキンゼー、ラッセル・レイノルズ社など多様なキャリアを踏まれています。
同書の構成は、とてもシステマテック。
ポイントを絞り込んだ分かりやすい構成とロジックが特徴です。
役員を目指すには、部長では遅すぎる・・・課長の時から自分自身を伸ばせと説きます。
このため、課長力を伸ばすための必要条件と十分条件について整理しています。
◆課長力を伸ばすための必要条件
1.達成指向性・・・能率にこだわる
2.分析思考力・・・蟻の目を鍛える
3.概念思考力・・・鷲の目を鍛える
4.チーム・リーダシップ力・・・良いチームを作る
◆組織マネジメント力を伸ばすための十分条件
1.組織能力・・・成果を持続させる力
2.個々人の力量・・・ミッションクリティカルな役割を果たす人材力
3.業務プロセス・・・劇的に効果と効率をあげる仕組み
4.組織活力・・・社員が良い仕事をする環境の中で発揮する圧倒的な現場力
とても、ヘイらしい整理で、分かりやすい分解です。
また、「個々人の力量を強くする」の章では、次のような解説があります。
◆基本となる3つの能力
1.意志力
2.構想力
3.リーダーシップ力
◆グローバルリーダーの3つの要素
第1の共通点・・・冷静な目を持ち、合理的でないことに違和感を持つ感性
第2の共通点・・・柔軟な好奇心
第3の共通点・・・行動につながる自信
最終章では、教養を高めるための15冊の本を紹介しています。
経営本、ビジネス書だけではなく、歴史書、思考書なども含まれています。
この15冊を書斎にそろえ、繰り返し読むことを推奨しています。
「企業参謀」
「思考の技術」
「マッキンゼー経営の本質 意思と仕組み」
「エマソン 妥協なき経営」
「虚象も踊る」
「トヨタ経営方式」
「学習する組織」
「ガリア戦記」
「ホメロス オデュッセイヤ」
「沈黙の春」
「禅と日本文化」
「代表的日本人」
「シュリーマン旅行記 清国・日本」
「リーンスタートアップ」
「危機からの脱出」
上を目指すビジネスパースンには、目を通していただきたい一冊です。