能率技師のメモ帳 中小企業診断士&社会保険労務士のワクワク広島ライフ

マネジメント理論を世のため人のために役立てるために・・・経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

僕たちは「会社」でどこまでできるのか?起業家のように企業で働く カイシャという舞台装置を活用する

2015年10月27日 | 本と雑誌

「ブランド人になれ!」

10年前、米国の経営コンサルタント、トム・ピータースさんのセルフブランディング提唱のころから、ビジネスパースン一人ひとりの自立、自律が叫ばれるようになってきました。

組織の一員として働きながら、出る杭になり、新たな価値づくりに邁進する・・・。

素晴らしいコンセプトですが、実際どうなの?と聞かれた場合、答えに窮します。

そんな中、リアルなケースを提供してくれる一冊に出会いました。

 

僕たちは「会社」でどこまでできるのか?起業家のように企業で働く 実践編

小杉俊哉・塩見哲志著  クロスメディアパブリッシング刊  1380円+税

 

著者の小杉さんは、慶応大SFC研究所上席所員で合同会社THS経営組織研究所の代表社員。

MITスローン経営大学院のMBAホルダー。

もう一人の著者、塩見さんは、野村證券コーポレートファイナンス部に勤務するサラリーマン。

塩見さんが大企業の中で、苦労の末にカタチにした「モーニングピッチ」を巡るストーリーを同書の中で綴っていきます・・・そこに「解説」という形式で小杉さんが補足説明を加えていくという形態をとっています。

 

◆目次

チャプター0 モーニングピッチというイノベーション

チャプター1 サラリーマンが自律する時代

チャプター2 起業家のように仕事する上でやるべきこと

チャプター3 大きな仕事は企業だからこそできる

チャプター4 ビジネスモデルを創りだす

チャプター5 企業を巻き込むために必要なこと

 

モーニングピッチは、信用面でベンチャー企業をサポートするためのフレーム。

野村証券を中心に、サイバーエージェント、GMO、ニコン、ホンダ、経済産業省などの有名どころが集まる、ベンチャーの信用力の低さを補完する機能を持つ「ベンチャー」の登竜門。

塩見さんが、野村證券の社員として、さまざまな壁にぶつかりながら構築していきました。

 

ニッポンの会社・・・。

出る杭は打たれます・・・必ず。

それでなくとも、稟議や申請、手続・・・ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメント体制の中で新しいことをやることは、なかなか難しい状況です。

そんな中、壁を乗り越える方法論は、きわめてシンプルで泥臭いものです。

同書では、次のように説明します。

 

1 まず、野党として一人ではじめ、やりきる覚悟が必要

2 そのあとは、どれだけ社内に共感者が集められるかが重要。その人たちにリソースを無償で提供してもらう

3 上司の許可をとる

 

最後の「上司の許可をとる」・・・これが大変ですが、リーマンとしては、外すことのできないものです。

 

出る杭・・・。

打たれているうちが華

孤独との戦いは自分との戦い

ひがみややっかみや嫉妬

学び行動する

 

宮仕えは、大変です(笑)。

 

自分の想い、志、信念を持って、会社のリソース、外部とのネットワーク、そして、それ以上に不眠不休でベンチャー起業家のように働く、働く、働く・・・。

当たり前ですが、それ以外には、方法論はないということです。

 

会社という舞台装置をうまく使えば、個人ではできない、より大きな仕事が出来るということ。

そして、それにより、自分自身のキャリアも大きく花咲かせることが出来ること。

いろいろ悩む若い人たちに読んでいただきたい一冊です。


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