能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

「2022 これから10年、活躍できる人の条件」神田昌典著 会社の時代が終わりNPOの時代がやってくる

2012年01月29日 | 本と雑誌

昨日、ノートパソコンを買い替え、おニューのパソコンでの初ブログです。

今回、購入のVAIOはなかなか快調です。

苦境の続くSONYのため、ダイナブックからブランドチェンジです。


さて、今回は神田昌典さんの最新刊の紹介です。


「2022これから10年、活躍できる人の条件」


個人的には、神田氏が提唱した春夏秋冬理論の大ファンで、來夢さんと書かれた「だいわ文庫」も2冊熟読しました。

この理論は、3年をワンクールとして、人生を12ごとに区切り、季節の特徴を踏まえながらよりよく生きていこうというもの。

じっと耐え次に備える冬、新しい希望が湧いてくる春、イケイケドンドンの夏、収穫があがる秋・・・といった感じで、過去の自己の人生を分析してみたところ、ズバリ的中。

今も将来の計画づくりの重要な参考資料として活用させていただいています。


また、神田がさん同著の中で書かれているように、好きという人と苦手という方が二極化するコンサルタント。

元外交官、MBAホルダー、外資系で営業、ダイレクトマーケーター、物書き・・・とダイナミックな生き様が魅力であり、それが賛否をわけることになっているのだと思います。


本書は、神田氏の大病の話からスタート。

かなりショッキングな出だし。


歴史は繰り返すという70年サイクルの話も説得力があります。

1941年の太平洋戦争開戦と70年後の2011年福島原発事故をオーバーラップさせ、歴史サイクルを解説します。

この流れでいくと2015年ころには、大きな歴史的転機が訪れると分析します。

このあたりは、春夏秋冬理論もベースとなっており、その70年前の1871年の幕末・明治維新の時代的性格との対比も鮮やかに解説されています。


そして、最も驚いたのが、2024年ころには、会社という仕組みはなくなるという指摘。

内部統制や経営の効率のために、社内でイノベーションや顧客に対するホスピタリティが起きづらくなっている昨今。

その可能性はあると思った次第です。

トム・ピーターズが指摘した「ブランド人になれ」に示されている自営業者的な生き様が日本でも求められるということなのです。

このため、40歳代には、リスクをとることを勧めます。

転職しても100社回っても就職の機会は極めて難しい・・・であれば、起業の機会にチャンスを見出せと。


会社には、次のような課題があると著者は指摘します。


1.会社では社員が育たない。

2.会社では、無から有を生み出す経験がつめない。

3.一部の社員が抜けると、会社には何も残らない。


また、若者に対しては、

1.海外留学、英語、中国語

2.ボランティア体験

3.優秀な人が集まる場の空気を吸え

ということを推奨。

まさにそのとおりだと思います。

従来の組織社会とは、まったく異なる産業社会の出現は、ほぼ確実。

であれば、ドラッカーの指摘したネキストソサエティで社会や集団をリードするのが、これから10年活躍できる人材ということです。


神田さんの日本の産業社会の予測は、次のようなものです。


第1段階 ~2015年 企業組織の混乱

第2段階 2015年~ NPO時代の幕開け

第3段階 2020年~ NPOによる産業化


神田さんが、からだ全体の力を振り絞って書かれたこの新書。

スピリットが伝わってきました。

30~40歳代のビジネスパースンに、ぜひともご一読いただきたい一冊です。


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