やっと書けました。
私が徳島病院で何をしてきたのか、何を想い過ごしてきたのか・・
正直、今現在の調子は万全とは言えない。
調子が悪くなると外出も控え衣食住どころか、かろうじて”食”だけである。
そうなると悪循環とはよく言ったもので、すべて悪い方、悪い方へと転がっていく。
そこで登場するのがこういった経験ではないか・・こんな時に生かさないとどうする!と自分に”喝”を入れている。
徳島病院の緑いっぱいの風景を思い出しながら・・ホントは泣きたい気分だけど・・”がんばろ”って言ってみた。
私のリハビリ入院
下記の表は平成24年5月~6月に国立徳島病院にリハビリのため入院した際、計測したものです。
<歩く能力>
入院時 中間 退院時
速さ 66.0 73.9 76.0
歩幅 53.8 59.6 63.0
歩数 122.9 124.0 120.8
第一歩 44.3 49.7 60.0
薬の量も種類も何も変えていません。ただ入院期間、規則正しく生活し運動しただけです。近年、パーキンソン病にリハビリ療法がよいと言われていますが、歩く能力ひとつとってみても改めてその効果を実感しました。
入院時のスケジュール、メニューなどを紹介します。
リハビリは理学療法、作業療法、言語療法の3つの療法で構成されます。
<週間スケジュール>
月曜日から金曜日、午前9時から言語療法、午後1時から理学療法、2時から作業療法という具合に毎日1時間ずつ行われます。空いた時間は自主訓練をしたり部屋でのんびりしたり入浴にあてます。
<プログラム>
★理学療法
基礎訓練内容
・ 柔軟体操・・ストレッチ
・パワートレーニング・・下肢・体幹の筋力増強(マシンの使用)
・姿勢矯正訓練・・棒体操など
・歩行訓練
ストレス解消訓練内容
・スポーツ運動・・キャッチボール・サッカー・ボーリングなど
・バランス運動・・ゲーム(Wii)
・有酸素運動・・トレッドミル・エルゴメーター・阿波踊り
難しいことは何もありません。皆さんが多分持ってみえるDVDの内容です。ストレス云々の方は個々の症状に合わせた運動でした。私は、キャッチボールがとても楽しかったです。
以前からWiiは家でやっていましたが、ここでも積極的に使われていました。
バランス運動は毎日しっかりやっていました。
バランスボールの上に板を乗せその上に乗って立つということをやっていました。
★作業療法
基礎訓練内容
・柔軟体操・・ストレッチ体操
・パーキンソン体操・・DVD・棒体操・マット運動
・パワートレーニング・・機器を使って
ストレス解消訓練内容
・書字
・Wii
・ゲーム(風船バレー、ベンチホッケーなど)
・ハンド・フェイスマッサージ
この作業療法も特別なことは何もありません。大きな升目にいっぱいの字を書いたり、多くの方がもう持ってみえる“パーキンソン体操”のDVDを見ながら棒を使ったり、椅子にかけたまま体操をしました。絵手紙や習字を久しぶりにやってとても楽しかったです。
★言語療法
基礎訓練内容
・首・顔・唇・舌のマッサージ
・唇・舌の筋力トレーニング
・はっきりペラペラ話す練習
・大きい声をだす練習
ストレス解消訓練内容
・早口言葉
・カラオケ
このトレーニングもきっとどこかで聞かれたことがあると思います。
口を大きく開けたりすぼめたり、舌を出したりまわしたり。パパパ、タタタ、カカカ、パタカを何度も大きくハッキリと言うなどです。カラオケは毎週水曜日でした。大きな声で歌を歌うのはやはりとてもいいようです。
早口言葉はパソコンで検索すればすぐ手に入ります。
以上が大まかなリハビリの内容です。
毎週水曜日、太極拳の先生がみえて私達も見よう見まねでやっていました。
太極拳の動きはすぐに会得できるものではないですが、一旦後ろに体重を移動させ、また前に体重移動させるという動作はすくみ足に効果的だと実感しました。
五週間という長い(?)期間を自分の身体にだけ向き合えるという環境を普段の生活の中で得ることはできません。家に居ながらは中々リハビリを続けることは難しいものです。が、自分がすでに知識として知っていることを毎日続けることで辛い症状が緩和されるということを知りました。それだけでも徳島に行った価値があると思います。
初めて訪れた徳島は、ビックリするほど緑がいっぱいでした。
何もないところでした。
でもそんなところでも、時間を共にした方々は暖かく、病室から抜け出しては見る日の出の太陽はいつも元気をくれていました。人間ってどこででも生きていけるものなのかな・・なんて思いもしました。
私は、徳島で何を得たのだろう?
上手く言えないけど、何事もひとつの見方でなくいろんな見方をすれば少しだけでも自分自身が楽に生きられるような気がしてきたのは確か・・
徳島でご一緒した方から卓球の楽しさも教わり、今フィットネスクラブと卓球をリハビリ兼ねてやっています。と、いってもこの厄介な病気抱えてのこと真似事にしかすぎないですが。
気持ち良く身体を動かし、出せる能力を出し、自分の身体の声を聴きながらこの病気とともに生きるしかないことを再認識した“私のリハビリ入院”でした。
最後に私の我儘を聞き入れてくれ、協力してくれた主人や娘、応援してくれた母や兄、姉、友人達に感謝の気持ちを込め改めて“ありがとう”。
ゴールのない道を歩くしかない病だけれど、これからも“徳島”で得たものを忘れずにやっていきたいと思う。