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『叱らない教師、逃げる生徒』 喜入克

2010年03月20日 | 教育関連書籍

 

愛子さまの登校拒否の報道には驚きました。

公立の小中学校であれば、学級崩壊やいじめなどはどこの学校でもあり得ると思っておりましたが、まさか私立の名門校、しかも皇族がいらっしゃる学習院で起こるとは。

皇太子ご夫妻が、「国民のみなさまにご心配をおかけしており、私たちも心を痛めております。」 とおっしゃり、天皇皇后両陛下は、「いずれかが犠牲になる形で解決がはかられることのないよう、十分に配慮を払うことが必要ではないかと思う」 とまで。


普通、学校関係者はそういう問題は内部で解決するというか、隠したがるものですが、それが公表されたことも意外な気がします。もはや手に負えないほどひどいということなのでしょうか。今後どういう経緯をたどるのか気になります。

現場の先生方は大変でしょうね。学習院には抗議の電話やファックスも多数送られているそうですから。


さて、本書は学校現場の教員達の抱えている問題が非常にわかりやすく、実例を挙げて説明されています。学習院の教育方針はよくわかりませんが、一般的に 『自分らしさ・個性』 を尊重するということが、『今の自分のままでよい』 ということになってしまいました。結果として、社会に出る前に身につけておくべき、大人としての振る舞いは身に付かず、未熟で幼稚なままで成人してしまうということです。

学校へ行きたくなければ、行きたくなるまで待つということになるし、修学旅行も自由参加。むしろ行きたくないような学校が悪いことになってくるというわけです。

様々な実例を挙げて、現場の教師ではどうしても手に負えない事態を紹介します。なるほど我々が学校の実態を正確に把握する難しさも痛感します。教師にはさまざまな“縛り”があるのだと分かります。とても自分には務まりそうもない、やる気のある学校の先生ほど厳しい状況に悩まされそうです。

そして、こういう本をご紹介するたびに思うのですが、学校はすぐ身近にあるにもかかわらず、また子供の担任の先生とは気軽に話せるにしても、こと学校という組織やしくみ全体となると、得体の知れない部分があるなぁと。


今年に入っては、北教組の違法献金の問題もありました。まじめにやっている先生方にとって、あるいは教師を信頼したい親にとっても許しがたい犯罪です。何よりもそんな環境で学ばなければならない子供たちは…。


相変わらず、いじめによる自殺事件も後を絶ちませんし、ついにというか天皇陛下までコメントを出しておられるわけですから、学校というものが依然として期待に十分応える教育を実践できているとは、残念ながら考えられません。



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叱らない教師、逃げる生徒―この先にニートが待っている
喜入 克
扶桑社

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