『格差社会』『勝ち組・負け組』や『負け犬』という言葉が氾濫しています。『かまやつ女』という言葉はどうでしょう?いずれも社会の階層化傾向をいうのですが、それは男性よりも女性の服装にすぐに表れると、筆者は指摘します。最近増えているのが“かまやつ女”。あの、歌手のかまやつひろしみたいということです。ご存知でしょうか?
かまやつ女の具体的な服装は、昔の中年男性がかぶっていたような帽子をかぶり、服は全体的にゆったりフィットの重ね着、色あせたジーンズやスパッツかなにかで、髪はどこかもっさりで、スニーカーなど。ブラウスは着ないし、スカートもはいたとしてもまれで、はくなら濃い色のソックスで足を隠す。とにかく楽チンな格好をするのですが、これが特定の町で急増しているそうです。
渋谷にいるのはギャル系・コンサバ系で、かまやつ女系とはタイプが異なるそうで、彼女らは原宿、下北沢、吉祥寺に多いそうです。年齢は18~20歳くらいがほとんど。で、彼女らはどういう考え方や行動様式を取るのかということの分析です。
筆者はマーケティングの専門家です。アンケートなどの調査のサンプルの少なく、やや雑なのが悔やまれます(筆者もそれは認めています)が、非常に興味深く読むことができました。それにしても、本人は『自分らしく』生きているつもりでも、こんなくくられ方をされてしまうとは…。なるほどと思うのと同時に個性発揮の難しさを感じます。
『下流社会』が驚くほど売れましたが、その前に本書が出ています。こちらは、活字も大きく、やや雑な書き方の本ですが、女性に的を絞った話しで、写真や図が多く用いられていますので、先に本書を読んだ私は、下流社会よりも強く印象に残っています。
http://tokkun.net/jump.htm
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