ときぶーの時間

募金の受付先 東邦銀行 安積支店 普通0644994 名義がんばる福島
みなさんご支援宜しくお願いいたします。

問いかけ。

2013-07-14 06:32:18 | 日記
NO416
開口一番、暑いですね。毎日、毎日。ふとカレンダーを見たら、昨日から3連休だったのを知り、これだけみなさんとずれた生活をしてるのかと思いました。

ずれた生活と言えば、被災地の松ちゃんも電気も水道もない所で暮らし、TVも見れなかったから情報も入らずかなりずれていたと思います。

震災の年、レディ・ガガの話をしたら、松ちゃんが「それ、何だ?食い物か?」って言った時は、みんなでぷっと噴出して大笑いになった事があった。・・・情報が入らないって言うのはこういう事。あのレディ・ガガを知らなかったのだから。

被災地の松ちゃんは、このくそ暑い中一人で餌や水を与えて回っている。電気は来るようになったが、水は川の水と山の湧水だけしかない。

松ちゃんちの水道?裏山からの湧水。
(時々、ペットボトルの水のケースを支援物資として全国の皆さんから送って頂いていますので、この場を借りてお礼申し上げます。)

未だに水道が遮断された町で、動物たちと共に生きている彼を少しでも見習って、水節約!電気節約!無駄な買い物をしない生活しなければと思っている。

そんな彼も金曜日は彼の誕生日という事もあって、友達に何やら引っ張り出され、どこかの飲み屋さんで誕生祝いをしてもらっていた。たまにはいい。ずっと一人で闘ってきたのだから。

今日は新しいブログの読者様が増えているので、皆さんに問いかけてみたい。

皆さんは、放射能に汚染された町に住むことは出来ますか?

鎖に繋がれた多くの犬を見て自分だけ逃げられますか?

水も電気もない所でろうそくだけの生活が出来ますか?

被災地にたった一人。話しをする相手のいない孤独な日々に耐えられますか?

僕には何もかも真似が出来ないです。放射能が怖くて逃げたのだし、犬たちと会わなくて僕は良かったと思っています。

震災直後、彼は住民に避難指示が出た時に逃げなかった。逃げたのはずいぶん後になって年老いた両親を連れて避難したのだが・・・

いつしか彼だけが町に残る事になった。震災直後から、各家々を回り残された犬や猫・家畜たちに餌をやりながら生きてきた。


今、彼の保護されている牛たち。


今は重機を手に入れ作業が楽になったが、この200kgのロールのわら餌を手で転がして与えていた。めちゃくちゃきつい仕事だった。

人が出来ない。いや、絶対にしない事をしてしまった彼の話は格別に面白い!これは彼と話をしたことがある人なら同じ事を言う。

彼の体験談や失敗談はとにかく笑いを呼ぶし、奇想天外!だから本当に面白い。この日彼を引っ張り出した友人は、腹を抱えて笑ったと思う。


夜のとばりが下り、電気のスイッチがどこにあるか分からず、ろうそくを灯して彼を待っていた時の写真。あとで帰って来た彼に笑われたが、ろうそくの灯りだけで東北の厳しい冬を過ごしたかと思うと、別世界のことのように思えた。

やはり自分には出来ないと痛感したわけだが、電気が来るようになって彼の生活は一変し、水だけの心配になった。一歩前進であるが、水道がないためトイレの温水洗浄便座も全自動洗濯機も使えない。

彼が町に残り、多くの動物の命が救われた事実は歴然と残っていて、彼は自分のペットを助けてもらった人に感謝されている。

被災地では相変わらず夜が来ると、人がいない全く灯りのない不気味な世界が広がっていて、夜行性の生き物が徘徊して餌を求めてうごめいている。

復興・復興と掛け声ばかりが出ている感じだが、被災地の夜を体感すると「何処が復興なんだ!」と言いたくなってしまう。全く変わっていないのだ。

今週は富岡町の町長選挙と参院選と町議選に投票(期日前投票)しに行くための準備をしたい。その帰り道、彼と会ってまた色々な話が出来ればと思っている。





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炎の弾丸。

2013-07-13 06:05:26 | 日記
NO415
それは西の方から飛んでやって来る。この弾丸のおかげで尻に火がつく状態になることもあり、いつも爆風を巻き起こしやって来る炎の弾丸に、僕は正直びびっている。

この弾丸の正体は人です。しかも女性!


そんな彼女が「福島の今」というタイトルで、名古屋で写真展を開いた。

西の方からやって来るのは愛知県に住んでいて、福島の事になるとハートを真っ赤に燃やしてやって来るから炎の弾丸です。(笑)

名古屋から福島までは600km以上はあるだろう。朝の3時でも4時でも目をギンギラギンにして飛んでくる。寝ないで大丈夫?と聞くと「全然大丈夫。」と、これだぁ・・・正直凄いです。(冷や汗)

メールの受信時間を見ても夜中の2時3時は当たり前にあり、朝の4時もあるから被災地の鉄人・松ちゃんも「あいつはいつ寝てんだぁ~?」と驚いているのだ。

西の方にいる方は納豆が苦手な方が多いのに、納豆が大好物で良く食べるらしい。あの恐るべきパワーの源は絶対に納豆だと思いますが、東の鉄人・松ちゃんも納豆が大好物なので似た者同士か?って思っています。

話しを戻して、震災直後、犬も猫も悲惨な状況下におかれ、多くのボランティアさんの協力が無ければ助からなかった命がたくさんありました。


この写真はボランティアさんたちが今も現地に赴き給餌している飯館村の犬の写真。

これだけでも感謝しているのに、福島の今を僕らに変わって伝えてくれる事は、本当にありがたいです。

今まで飯館村や南相馬市などで動物レスキューをされてたようですが、縁があって富岡に入られ松ちゃんを応援してくれるようになった。

それでも、やっぱりあそこには連れて行くつもりはなかったのだが、本当の真実を知ってもらうには絶対に欠かせない場所なので、連れて行く事にした。

男の僕でも一人では絶対に行きたくない場所だ。それほど酷いのです。

そこに着いた途端、大粒の涙をこぼす弾丸娘を見て連れて行ったことを少し後悔した。彼女は少しでも早くこの現実を早く知っていれば、何頭かでも救えたかも知れないと涙していたのだった。


ここには120頭を超える牛の死骸が、今でもこの暑さの中で悪臭を放ちそのまま放置されている。壮絶な死にざまを見せつけるこんな牛舎が被災地にはたくさんある。この写真の中の牛たちに合掌。

涙をこぼして悔いているその姿は、同じ気持ちを持つ同志の心の中に響いた。この悲惨な状況を見てもらえただけで、良かったかも知れないと改めて思い直した僕だった。


今回の写真は主に彼女が撮った写真で構成され、一部がんばる福島から写真提供させて頂きましたが、彼女はいい写真を撮った。

そんな彼女がこの写真展を終えてメールをくれた。

そこには「名古屋も捨てたものでない!」とあり、募金をしない写真展であったにも関わらず「松村さんに届けて。」と募金をして下さった方がいらっしゃったとかで、本当に感謝いたします。


こうして被災地にいて毎日30度を超える暑さの中、休むこともなく動物たちに餌を与える松ちゃん。

募金して下さいました中村さん、その他匿名の皆さん本当にありがとうございました。被災地の松村代表に変わって厚く御礼を申し上げます。

原発事故を風化させたくないという松ちゃんと地元住民の思いを、こうしたみなさんの応援を受け活動出来ることに感謝いたします。今回写真展を開いて下さった関係者の皆さん本当にありがとうございました。

そして写真家?名古屋の井上めぐみさん、本当にお疲れ様でした。これからもいい写真を撮り続けて下さい。

僕も被災地の状況や松ちゃんの近況などを書いていこうと思います。みなさん、これからも松村直登を応援して下さい。よろしくお願いいたします。









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朽ちていく家。

2013-07-12 06:06:22 | 日記
NO414
今日は、富岡町の元住民で僕の師匠から手紙を頂いたので、その話を書こうと思います。

師匠は浜通りみつばち振興会の顧問を務められているので、会員である松ちゃんとの付き合いもあり、時々松ちゃんと師匠の話題が出るのだが、師匠は帰還を諦めて家を購入したとのことだった。

師匠からの手紙は原発20km圏内の現状を憂いた文章で始まった。

雨漏り住宅はカビ腐敗屋敷に姿を変え、その他の家々も草藪・竹藪・藤つる藪に覆われ時間と共に朽ちていく、荒れ果てた田畑はあと3年も過ぎれば、機械が入らないほどの田畑になるだろう・・・と。


恥ずかしい写真ですが、これが僕の家の庭で、今はとても歩ける状態にありません。今年6月下旬撮影。


隣の家まで4m道路を挟んでいるのだが、現在は道路がこのような状況です。(同6月)

手紙には、新築同然の家だった我が家も何処から入ったのか?ネズミに入られ糞だらけの悪臭を放つ家になり、帰宅するのも嫌になったと書かれていた。

マイホームがこのような状態になれば、みなさんも同じ思いをすると思います。

僕が一番強く感じたものがあったのが、次の書き出しである。

報道関係者は「原発敷地内以外は撮影を禁止されているのか」除染区域の良い処ばかりの放映であります。全国の皆さんは虚偽の映像を見せられております。とあり、ぶるっと体が震えた。

師匠、凄い事書くなぁ~って思ったのだ。実際にあの被災地の住民にしか分からない事が多い。


捕獲しても食べることの出来ないセシウムに汚染されたキジやイノシシが堂々と町の中を散歩し、夜行性のハクビシンの繁殖は凄くあちこちでその被害を聞く。


http://blogs.yahoo.co.jp/yoshimizushrine/60027604..から転載。これがハクビシンです。凶暴な外来生物で日本の生態系を崩す害獣です。

このハクビシンは厄介な生き物で、家の天井裏に住み付き夜中になって出て来るのだが、家の中はめちゃくちゃにされる。

以前隣町の友人宅に行った時にハクビシンの被害を見たことがあったが、それはそれは本当にひどい光景だった。友人も「帰る気が無くなる・・・」と言っていたっけなぁ~。

とにかく台所付近はめちゃくちゃになっていた。ハクビシンに入られたら家はもう住めないと僕は思っている。その時は僕も諦めようと考えているのだ。

師匠の手紙の最後には、仮設住宅の暮らしから2重ローンを組んで家を購入された方は大変でしょうと、他の住民を思いやる文章に面倒見のいい方だなぁとも改めて感じたけど、師匠は日本の農業の終焉を一番に憂いていた。

この話は長くなるので、いつかお話します。

実際にもうここは住めないだろうなぁ~という家々を被災地で見ます。放射能さえなければみんな町に戻り、家を直し復興を目指していたと思う。


ゴーストタウンになった故郷・富岡町 一次帰宅をすると、車の往来もなく信号機が無機質に点灯し、その時間を刻んでいます。

これから何年かかるか?まるで分りませんが、これからも松ちゃんと共に頑張って行こうと考えてます。みなさん、これからもご支援宜しくお願い致します。



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検査してぇんだ。

2013-07-11 06:00:30 | 日記
NO413
昨日も第一原発の海に近い井戸の地下水で高濃度のセシウムが検出されたニュースが流れたが、汚染水は海にも流れていて近海の魚が食べられなくなる日が来るのではないかと思っている。

故郷・富岡町はすでに鮎やますなどの川魚も汚染されて食べられないのだが、魚好きの僕には海も汚染させられるのはつらい。本当にもう勘弁してくれ!である。

僕が松ちゃんに会う時はいつも朝7時頃なのだが、富岡に着いてすぐにやる事と言えば、彼の愛犬石松の朝の散歩から始まる。つい最近はライバル?(子猫のシロ)の登場でやきもちをやいてる石松がいる。


まだ2歳にならないのに、体も大きく力を付けて来た石松君。

僕はそんな石松の散歩に付き合うわけだが、松ちゃんはいつもこごみ・蕨・しどけなどの食べられる植物が自生している場所や食べる時期などを僕に教えてくれる。

そういう意味では僕にとっても故郷富岡町の事を少しでも知る事が出来るし、野草や山菜などの勉強にもなるので彼は僕に楽しい時間を与えてくれる。

放射能汚染で食べる事が出来なくなった事を嘆く彼がいた。彼は「山菜や野草などを採って料理して食べる事が、町の人には楽しみだった。今はそれも出来なくなっちまった。」と言った・・・・


食べ頃を完全に逸し、のびのびになったこごみだったと思うが、僕を案内してくれた時の写真。

そんな山菜や野草を僕に見せて「俺は、こういう稙物などを検査してぇんだ。毎年、毎年、セシウムがどう減っていくのか知りてぇし、町のみんなに教えてあげてぇ。これって貴重な資料になるべ!」と・・・

僕はすぐに「その機械っていくらぐらいするの?」と聞いたら「何百万かするべぇ~」と返って来たから僕は「えっ!」と驚き閉口した。

何百万???おいそれと買える代物でもないよなぁ~・・・彼はいつもやりたい事・やるべき事を本気で言う。確かに事故後のセシウムの汚染度が分かった方がいい。

彼は続けた「本当は県や国がこういう事してくれたらいいんだよなぁ~。」と、また彼は事故後2年が経過してしまった事を少し悔やんでいた。

一年目でいくら、二年目でいくら汚染度が下がったか?などのデータを残せなかった事に対してだったが、この高価な機械どこかで貸してくれないかなぁ~と僕は思う。

震災の年だったが、彼は自分の絞ったハチミツとか友人・知人宅の野菜やくだものに自分の田んぼで作った米に、釣った魚などそれは本当にたくさんの食物を調べてもらった事がある。

全て汚染されていて、それを食べたら完全に被曝してしまうので、町の住民が少しでも被曝しないようにするにはこれは大事な事である。

彼は動物の保護活動をしながら町を散策し、自生する植物たちを見て調べたいと思ったのだ。国はこの汚染された町に住民を戻そうとしているが、いつになったら帰れるのか全く分からない。


今は電気が来るようになって、インターネットで調べ物をする松ちゃん。たった一人この被爆地に残り、ろうそくを灯しながら動物たちを保護するために生きてきた彼の唯一の楽しみ?の時間だ。

彼は住民が帰還出来る時が来たら、キノコや山菜や果実などのセシウム濃度を調べ「ここのはOKここのはNGと町に帰る住民に教えてあげたい」と言った。

こうして故郷・富岡町の植物まで気を配る松ちゃんの事を、僕はこれからも書き続けてみなさんに知ってもらおうと思った。





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一トンの水。

2013-07-10 07:03:23 | 日記
NO412
暑い!毎日暑い!梅雨明けしてからめちゃくちゃ暑く感じる。体力のない僕にはキツイ・・・。

この暑さだから福島も気温30度を毎日軽く超えているだろう。少し動くだけで汗びっしょり。みなさんも同じだと思いますが、夏バテしないように頑張りましょう。

昨日、東電の第一原発の元所長吉田昌郎さんの訃報を知った。彼が本店の指示に反対して海水を注入したおかげで、日本を救ったと思っている。

未だに汚染水が漏れセシウムが出続けている現実があるのだが、彼の英断があって今がある。被災者の一人だが、僕は彼のご冥福を祈る。

話しは変わって井戸水を注入しているのが松ちゃんで、今年は完全に空梅雨なので少し心配している。去年、木製柵の井戸が枯れ、松ちゃんの仕事が超ハードになった事を思い出した。


先月の写真だが「三つ目の柵の井戸よ、本当に枯れるなよ!」と願う。

彼に今年は大丈夫か?と聞いたら「あそこは今まで枯れた事はねぇって言われたから大丈夫でねえか。」と返って来たが、去年は8月のお盆の時に、ポリタンクに水を汲み毎日一トンの水を牛たちに与える羽目になった。


去年の夏の井戸枯れ事件の写真。この時、彼のシャツは汗でびっしょりだった。この水やりをお盆中ずっと一人でやっていた。

ポリタンク20Lを5個トラックに付けて一回に100Lの水を積み、10回ほど柵の牛の元に走った。この時は本当に話をする暇がないというか、口をきくのも何か悪い感じがして話など出来なかった。


牛たちは人間より暑さに弱いかも知れない。夏の水は餌より大事なものだ。

トラックで水を積んでやって来た彼に、牛の水飲み場まで荷台からタンクを降ろして渡すのが精いっぱいで、あの暑さの中「これは非常事態!」って思ったもんなぁ~。


とにかく、この井戸が枯れないように祈っている。三つ目の柵は帰還困難区域にあり、入るのも出るのも少し面倒(こんな事書いたら怒られるが)なのだ。

入るのにも2回出るにも2回ほど通行証を見せないといけない。これが決まりだから守るけど、軽トラックでポリタンクで100Lを10回はきついよな・・・

40回は通行証の提示をしなくちゃいけないから、顔パスしてくれよって言いたくなるし、向こうの係の人も笑えないだろうなぁ~。そんなことより水が枯れない事これしかない。

去年は松ちゃんちの裏山の湧水も涸れて、それは大変な夏だった。井戸も裏山の湧水よ、枯れないでくれと祈る。











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マリア。

2013-07-09 05:28:32 | 日記
NO411
タイトルが女性の名前でびっくりした事と思いますが、みなさん心配しないで下さい。これは僕が読みたかった本に登場した主人公の名前です。

この頃、政治の話と原発の事を書いて来たが、昨日はさすがに気落ちしたようなやるせなさと虚しさ?みたいなものが、心の中にずっと残っているよな感じで気分がよくなかった。

今日は気分を替えてつい最近読んだ本の話でも書きます。僕はその本を買い静岡へ向かう電車の中で一気読みした。百田尚樹さんの著書「風の中のマリア」です。

本の中の主人公マリアはオオスズメバチで、僕は養蜂に携わって来た一人として憎きオオスズメバチをこのように書いた百田さんをエライ!って思った。まさか昆虫のオオススズメバチが主人公とは・・・・


http://homepage2.nifty.com/takibi_club/hachi/oo.ht...より転載。これがオオスズメバチの写真。都会の人は見たことが無いかも知れませんが大きくてとても危険な蜂です。体長4~5cmくらいあります。

夏の終わりから秋が始まる頃にかけ、オオスズメバチがミツバチの巣門の所へやって来てミツバチを襲う。オオスズメを除去する特製の捕獲器を仕掛けるのだが、嫌だっていうほどオオスズメバチが捕獲器に入った。

生きたまま捕獲する時は巣の正面3m位前で、小学生が使う虫取り網を使い捕獲する。オオスズメバチは巣門から約1m~2mの所でミツバチを狙っているのだが、巣に戻るミツバチしか見ていないから、面白いように捕獲できる。

捕獲したら刺されないよう網を地面に付けオオスズメバチの体を軽く足で踏んで、スズメバチが失神してぴくぴくしているところを素早く割り箸で掴んで焼酎に入れてスズメバチ酒をよく作った。

飲んで美味しいものでもないが、オオスズメが焼酎の中で死ぬ時におしりの針から出す蜂毒が心臓の弱い方にいいと聞きました。小心者の僕が飲んでも心臓に毛は生えませんでしたが・・・・


松ちゃんも養蜂家の一人で、多い時には40群(巣箱40個)以上も飼っていて、僕から見ればベテランの域に入った先輩である。イタリア人ジャーナリストのアントニオさん撮影。震災の年の写真。

捕獲器の前に蜜をため込んで一直線に巣門目指して帰って来るミツバチを、捕まえ自分の巣に持ち帰り幼虫の餌にしてしまう。あるいはその場で噛み殺してしまう。

一つの巣だけでも数百匹ミツバチを殺されたこともあり、それはそれで本当に憎い蜂だった。養蜂をする人は子供に愛情を注ぐのと同じようにミツバチに愛情を注いでいる人がいます。愛情が湧くって言った方がいいかな?

2匹で1群のミツバチの巣(1万2千匹クラス)を1時間で壊滅させるオオスズメバチは大敵なのだ。個人差はあるけれど、人間の親指くらい大きい蜂です。


YMNetwork's ROOMより転載。これがセイヨウミツバチ。

最盛期のミツバチの巣は大体3万匹くらいまでになります。震災の年の10月の一次帰宅の時に、捕獲器の一個一個それぞれに200匹以上のオオスズメバチが入って死んでいるのを見た時、全群の絶滅を知った。

こんな事を今日書く羽目になったのは、先週ある仮設住宅に行った時に日本ミツバチの巣を見たからで、自分がミツバチを飼っていたことを思い出して書いた。


ある仮設住宅の裏山に設置された日本ミツバチの巣。


同じ裏山の低い所に設置された巣。

僕はセイヨウミツバチを飼っていたが、オオスズメの視点で書かれた百田さんの「風の中のマリア」は大変面白く、オオスズメの生体が良く書かれていて納得の一冊だった。

マリアの生き方は戦士にふさわしい生き方で、尚且つ昆虫の交尾を恋に変えて書いた百田さんを凄いとも思った。蜂は女王蜂だけが交尾を許される昆虫だ。

働きバチは全てメスなのに交尾しない。いや出来ないのである。ここに人間の恋という視点に置き換えて書いた百田さんにエールを送る。そしてオオスズメバチのマリアにもエールを送って今日のブログを閉じます。


















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物申す。

2013-07-08 06:06:50 | 日記
NO410
本格的に梅雨明けしてみなさんの所も暑い日が続いていると思いますが、熱中症などには気を付けて頂きたいと思います。

今日、原発の再稼働のための新基準が発表されるのですが、人間が作る新基準は自分たちに都合よく作っているはずなので信頼できないと思っています。

すでにみなさんはご存じの方も多いと思いますが、先月の9党幹事長討論会(6月29日開催)で自民党だけが原発ゼロを目指すかに×を掲げ、他の党は全てゼロを目指すと○のボードを上げました。


◆9党幹事長討論会 
「原発維持」自民孤立 参院選公約 他党「ゼロに」
(2013年6月30日 東京新聞より)

自民党よ、いい加減にしてくれ!と言いたかったのは僕だけだろうか?福島県の甲状腺がんがすでに155倍になっていると言われているのに・・・・

昨日、福島の友人が訪ねて来て僕に言った言葉が「どいつもこいつも原子力マネーと利権におぼれていやがって、ホントにどうしようもない!」だった。

原発被災者が原発推進を目論む自民党と再稼働しようとしている電力会社に文句があるのは当たり前だ。新潟県知事の憤りはよく分かる。東電は少しも反省していない。

福島の現状をちゃんと把握してるのか?高濃度の汚染水が30万トンを超え敷地内の許容タンクで足りなくなり、急場凌ぎでプールを作ったがそんな仕事でいい仕事が出来る訳がない。案の定、汚染水が漏れている。


大熊町の原発構内近くから見えるタンク。構内にたくさんあるこのタンクは、全て満杯なのだ。6月に撮影。

水を注入し続けなければ、また大きな事故を起こすから永遠にこれをやり続けなければならないのだが、その汚染水は日ごとに400トンを超えて溜まって行くわけだ。

新潟県の柏崎刈羽原発には汚染水処理の装置があると聞いたが、10万トン運べるタンカーを使ってそこへ運べばいい!これ以上福島を汚すな!と言いたい。

溶け出た炉心は格納容器の底を溶かし地中までに達し、地下水と結合してかなり高い汚染になっているはずと専門家は言うが、溶け出た炉心の回収だってあと何年かかるのか?何十年もかかるのか?まるで分っていない。

使用済み核燃料棒も危険なプール(建屋が吹き飛び宙釣りになった4号機)から取り出し安全な場所に移さなくてはならない。この作業だって十年以上はかかるのではないかと言われている。

そしてこの作業は大変危険なもので、かなりの被曝をしながらの作業になるらしいが、東電社員はせず常に下請けの会社の人がやっているんだ。東電の社長に「あんたが先頭に立ってやれよ!」と言いたい。

柏崎刈羽を稼働するのじゃなくて、福島の汚染水を処理したり、使用済み核燃料棒の保管に役立てるのが先じゃないか?

福島の原発事故は、ヒロシマの原子爆弾168発分のセシウム137が大気中に放出したと言われているが、4号機のプールには原子爆弾1万発分がある。これが、もしも同じ状態になったら北半球の4分の3は放射能汚染で住めなくなると言われている。

本数にして1331本の使用済み核燃料棒が4号機プールにあり、東電はこの燃料棒を取りだし安全な場所への移動を急いでいる。この作業で10年以上かかった後に、1号機2号機3号機の使用済み核燃料棒の取り出しが待っている。

とても気の遠くなる作業に思える。大気中に放出されたセシウムの半減期で30年。放射能が無くなるまで、これから何十年もの時間が必要なんだ。

福島の事故処理が先だろう?新潟県知事があなたに言った「安全より金を取ったと言う事ですか?」の言葉には、僕は胸がすっとした。

全国のみなさん、今原発を止めなければ使用済み核燃料棒が増え続け、収拾のつかない事態に必ずなると思います。核の最終処理が出来る技術もないのに原発を作り続けてきた日本。

原子爆弾を落とされ唯一の被爆国になった日本が、原発事故を起こしてまた被曝する世界に例のない国になってしまった。

この福島の原発事故が、下手をするとチェルノブイリよりもその処理が大変だと知り僕は青ざめている。原発を新設するまたは再稼働。そして輸出までしようとしている総理大臣は考えられない。

福島原発1号機と3号機は高い汚染のため、人が近寄れずロボットを使い遠隔操作で作業している。原発がない県の人は、こんな状況を本当に理解して自民党を支持しているのだろうか?

福島の原発事故は途方もない時間を要し、これからもたくさんの作業員が被ばくする大事故なのだ。こんな事故を目の当たりにして再稼働を目論む自民党に、本当にがっかりしている。

原発に反対する!原発はいらない。原発が無くても日本の電気は足りている。自民党よ、原発の再稼働だけはやめてくれ!これ以上、最終処理の出来ない使用済み核燃料棒を増やさないでくれ!

もうこれ以上、こんな思いをする国民を作らないでくれ!今は、それだけを祈る。












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お知らせ。

2013-07-06 05:05:50 | 日記
NO409
今日は、いつも福島の事を心配してくれている知人が、名古屋で写真を展示するのでお知らせします。日曜日の7日一日限りなのですが、お近くの方・お立ち寄り頂ける方・興味のある方は、是非足を運んで下さいますようお願いします。

7 月7 日(日)
10:00~16:00
入場無料
本山生協会館
2階ルームⅠ
地下鉄東山線「本山」駅
4 番出口より南へ徒歩約2分
写真と映像で見る
―あれからのフクシマ―
フクシマの涙は私たちの涙
共 催:オリーブジャパン国際開発協力協会
    NewTeachersAssociation The Others

あの日から全く変わっていない場所や、残された動物たちの写真が展示されています。被災地でたった一人で闘う松ちゃんの事をいつも応援してくれて、本当に助けて頂いてます。

是非みなさん、今の福島を知って下さい。宜しくお願いいたします。
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グレーな話。

2013-07-05 06:20:50 | 日記
NO408
全国で参議院選挙の火ぶたが切られたが、故郷富岡町では町長選も合わせて行われるため現職と新人の一騎打ちになり、町を真っ二つにしての選挙戦が繰り広げられている。

僕は先週、松ちゃんと選挙の話をした。地元で町長選の事をみんなに聞いたら評判があまりよろしくない。除染の仕事をめぐる建設・土木業同士の戦いだと聞いた。

「どっちもどっちで町民不在の政治になってしまう。」っていう人が多かったので、それは本当か?と彼に聞いた。


「みんなが言ってる事は本当だべ!」と彼は後ろに倒れ寝そべって天井を見上げた。そこには町の復興を真剣に考えてきた彼の悲哀を感じた。

彼は今まで町の未来と除染を真剣に考え、宇宙科学研究所(JAXA)の博士たちと除染研究をしたり、残された動物たちを保護し闘ってきた。

そんな彼が「今、除染より先にやることがあっぺ!仮設住宅で暮らすお年寄りの事や町民の賠償問題とかやることやんねえで、これでいいわけがねえ。」と、これだけ言ったら彼は黙り込んでしまった。


彼の家に着くなり、顔を出して迎えてくれた人懐こいダチョウ。町を放浪していたが、彼に保護されてもう一年半が過ぎた。


殺処分から彼に助けられた牛たち。ここだけは、何もない自然な時間が流れているように思う。

町長選は現職も新人も自民系で、どちらかを選ばなくてはならないのだが、二人とも同じ被災者で原発再稼働に反対しているから選べるが、比例では自民党に入れたくないと僕は素直に白状しておきたい。

以前、自民党は好きな政党だったが、今は選べないのだ。

僕は原発被災者になってから、本当に原発が安全でない事・事故が起きたらすべての生物に悲劇が訪れる事・放射能を取り除くことが不可能な事を知った。


隣町の至る所に出没する黒い要塞。放射能汚染物の袋の塊で、中間貯蔵施設が建設されないまま人知れず地中に埋められている。
このまま日の目を見ず、ずっと地中にうめられたままになるのではないだろうか?いや、きっとそうなってしまうかも知れない。
こんなところに帰れという政府はおかしいだろ!こんなところに子供を帰せるか!と叫びたい。みなさん、これが福島の現実です。

今の自民党は原発再稼働を目論んでいる。しかも事故を起こした原発を安全だと海外でセールスしており、阿部総理のやっている事に怒りさえ覚えてしまう。

目に見えない・臭いもない放射能を撒き散らす原発事故は本当に恐ろしい事故です。福島には故郷を失い今もなお苦しんでいる人たちがいるのに、何を考えているのだろうか?

今でも高濃度の汚染水が漏れているし、楢葉町では高線量の放射性物質が町の中に捨てられているのが発見されたりと、とにかく色々な問題が後をたたない。そして何も変わっていない。

選挙になると臭いものに蓋をし、選挙が終われば臭いものを出してくる政治家はいらない。国民の期待を裏切るようなことはしてくれるなと言って、今日はグレーなブログを閉じます。












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あっぱれ!

2013-07-04 07:03:22 | 日記
NO407
今日は前日の続き。あいつのふてぶてしさを書こう。

石松がうるさく吠えたので僕はまた外へ出た。今度は、その姿を見せ「こいつらは俺に何も出来ねえ!」とばかりに、僕と石松を相手にせず、この日はやりたい放題だった。


石松が吠えても鎖でつながれて動けない事を知っているせいか平然としている。


イノブタは松ちゃんの両親が使っていたこの家の中に餌がある事を知っていて、すぐにこの家の玄関の臭いを嗅いだ。


残念ながらこの家は自分で開けられないからこの場を退散するのだが、イノブタも馬鹿じゃない。こちらの隙をうかがっているので油断出来なかった。


松ちゃんの現在使っている3つ目の家の裏を回って草むらに消えた。こうなるといつ出て来るか分からない。

とにかく消えてはまた現れての繰り返しに石松の吠える事吠える事。。。この日、朝だけでも5回も顔を出して家探しするイノブタに感心するよりも呆れました。

石松のリードを外してみようか?なんて一瞬思ったが、また石松が何処かに行ってしまったら大変なので、じっと我慢したけれどやっぱり猟犬種の石松の姿を見たいと思う僕だった。

3度目の吠える声を聞きそちらの方に行ったら、またもあいつを発見。


こちらをちらり見して完全に爆食中!カメラを持って近づいても完全に無視!

台の上にあろうが何処にあろうが関係なく、目についた餌は引きずり降ろして食べてしまうらしいが、松ちゃんも可哀想だと思っているのか?あいつを追い払おうとしない。

動物の命をどれも同じように大事にする男は、このイノブタが悪さをしてもいつも平然としている。だから野生化したイノブタがここへ来るわけだ。

あいつはカメラで撮りまくる僕に「こいつが目障りで食った気がしねえ!」って感じで袋を一つ貪り空にしたら、案の定その場を離れた。


あおりの部分だけ新車になった松ちゃん号(軽トラック)を横切って、またダチョウの柵に入って行ったイノブタ。

これで終われば何にもないのだが、このあとも2回ほど顔を出したものだから本当に呆れました。(笑)イノブタだって生きるのに必死だもんなぁ~。

イノブタも僕の顔を覚えて「あいつだけは安心だ。」と思ってくれればいいと何故かイノブタの味方をしたいと思った。左前足が痛いのか?少しびっこ引いて歩いていたからだ。


きれいに食べられた餌がジャーキーだと分かり、草の根っこなどの餌しかない訳だから、イノブタには特別なごちそうだったに違いがない。

そんな訳で次に目の前に現れた時の写真が決定的!


僕も石松も完全になめられました。ぐすん。タッパーに溜まった雨水をごくごく飲んだと思ったら、このありさま。。。除草剤を蒔いてきれいに枯れた場所で、おくすることなくごろり。

もう、ここまでされると開いた口がふさがりません!唖然としましたね。人前で寝そべって休む野生化したイノブタに。

初めて見た事には感謝するけど、このふてぶてしいイノブタに「あっぱれ!」シールを張ってあげようと思いました。(笑)

以上、今日は松ちゃんち付近に生息してると思われるイノブタの話でした。









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隠れていた奴。

2013-07-03 06:02:27 | 日記
NO406
東電が柏崎刈羽原発再稼働を申請したニュースを聞いて、福島事故の全ての処理を終えていない今、被災者として再稼働はあり得ない!と強く思った。とにかく原発反対をこれからも訴えていく。。。。

今日は、あいつの事を書こう。僕は松ちゃんと会うため彼の家に先に着いて部屋で到着を待っていたが、彼の愛犬石松がやたらと吠えてうるさかった。


松ちゃんの愛犬石松。顔は凄く強面で怖そうなのだが、人懐こくて愛嬌のあるまだ2歳にならない子供である。

松ちゃんが帰って来た?いや、あいつは人間には絶対に吠えないから、何だ!とカメラを持って外に出たものの何もなくて部屋に入ろうとした時にまた吠えた。

それも前回と違って全く逆の方向を見て吠えていた。それは家の入口方向だった。

仕方なく松ちゃんちの入口付近(ダチョウの柵の付近)まで出て「何もいないじゃないか」と戻ろうとした時、一部の葉だけが揺れる不自然な場所に違和感を感じ僕は足を止めた。

その揺れ方にこれは何かがいる!と直感し、危険を感じたから身構えた。一点集中!こちらも動かずじっと我慢して目を凝らし、立ってその揺れた葉の位置を正視した。


いたっ!あいつだ!その距離約5m。急いでカメラを構えてシャッターを押した。草の中に隠れたイノブタ。

あいつもこちらが気づいた事を知り、威嚇なのか?時々鼻を慣らしこちらを凝視した。顔を下げ下から見上げる姿はさすがにイノシシのDNAが入っている。



5分はにらみ合いをしただろうか?僕は怖さより興味の方が強くて、じりじりと間合いを詰めようと足を前に進めた。1m位前に出た時、ついに向こうが動き出した。

小心者の僕は一瞬ヒヤッとして身構えたが、向こうは「こんな貧弱な奴相手にしてられん!」とばかりに僕を無視してダチョウの柵の方へ歩き出した。


僕がいたので餌を物色出来ず横目で僕をちらりと見て去って行ったイノブタ。


ダチョウの柵の中へ入って行くイノブタ。


柵の中のダチョウは下の方で横たわっていたが、ダチョウもこの侵入者が怖いのか?2羽とも両羽根を大きく広げ、威嚇のポーズをとり走って僕の所まで駆け上がって来た。

松ちゃんちには、ダチョウが食べる餌も牛用の配合飼料もまたは犬や猫の餌もあるから、ずっとこの家付近に住みついてしまったのだと思う。

あいつは今までに松ちゃんの姿も見てるはずだし、人間を襲うほど馬鹿ではなさそうだ。馬鹿は危険を顧みず近寄って行こうとした僕の方かも知れない。正直、突進され怪我しなくて良かったと思った。(笑)

何度もイノシシやイノブタを見かけて来たが、こんなに近くで遭遇したことは無く大体5mまでならこのイノブタと付き合えそうなことも分かり大収穫だったかなと思う。

この後何度もあいつがやって来るんだけど、それは明日書きます。それではみなさんまた明日お会いしましょう。
















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安住・安息の地

2013-07-02 07:21:37 | 日記
NO405
昨日、郡山の役場を訪れた時に仮設住宅を解約しに来られた住民を見かけたが、その後仮設住宅に暮らす友人を訪ねたら、明らかに人の住んでいないと見受けられる部屋があるのを見た。

みんな町の復興を半分あきらめかけている。あちらこちらで家を建てた人や買った人の話を聞くようになった。

可愛い孫と暮らしたい。子供が小さいから放射能のない安全な場所で暮らしたい。など色々理由はあるだろうが、以前と同じような生活は絶対に出来ない。


今日の写真は緑の多い田舎の写真。これは松ちゃんの家の2軒目と3軒目の間から見える竹林の美しい姿。

田舎暮らしから少し都会のいわき市で暮らす知人は、今までよりかなり小さな家に住み「仮設住宅の暮らしよりはまだまし」と建てた小さな家を見上げた。

農家作りの家からハウスメーカーで建てた家はかなり小さいと感じるだろうなぁ。



建坪は軽く70坪は超える平屋作りの家に4500坪を超える田んぼと600坪の畑に広さは知らないけど山林も所有していたが、40坪の家を建て70坪に満たない土地に家を建てた。

「農業はもう出来ない。」と話し出し、知人から何もすることがないと嘆きを聞いた。

いわき市では被災住民と地元住民の軋轢があり大きな社会問題になっている。そのことを聞いたら「本当に肩身が狭い。」と肩を落としていた。



引っ越しの挨拶まわりの時に「あんたらいいね!補償金で家を建てて!」と嫌味を言われたらしいが、僕は被災者が家を建てて何が悪いと言いたかった。彼は好きで建てた訳じゃない。

今の補償金で、他の地域に同じ敷地面積の土地を持つことは絶対に出来ない。

仮設住宅の暮らしをしていない人に言われたくないなぁと思ったし、同じ福島の中にあって、子供までいじめにあっている話を聞くと嫌気がさす。

好きで被災したわけでもないのに何処に行っても肩身の狭い思いをするのはつらいし、これは原発事故の二次被害だと僕は思っている。



原発なんて無くなればいい。あれば必ず事故への不安を抱き生活しなければならないし、もし万が一どこかで事故が起きれば福島以上の人数が逃げ惑わなくてはならない。

いつになったら本当の安住・安息の地が被災者たちに訪れるだろうか?そう思いながら借り上げ住宅のある横浜へ僕は帰って来た。

今日は動物の話ではなくて、故郷への帰還をあきらめた人の嘆きをほんの一部書いてみました。うまく書けてないけど福島の現実です。

頑張るしかないよな!これからもずっと。



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ガーデニング?

2013-07-01 19:14:15 | 日記
NO404
昨日、静岡から横浜に戻り福島へ直行!。そのまま富岡経由で次の日に富岡から役場がある郡山に飛び、三春町・船引町に走りたった今、横浜に帰って来ました。

帰ればきりが無いほど書きたいことがあるのだけど、今日は松ちゃんの悪友とその悪友に言われた事を書こう。(動物の話は明日書くね!)

彼(松村直登)の悪友?にイタリア人記者アントニオさんがいるが、アントニオさんは国が進めている原発事故被災地の除染を「松村さん、あれは除染ではありませ~ん。ガーデニング。ガーデニングで~す。」と言ったらしい。


松ちゃんの家で、パソコンを使いフランスの会社と通信するアントニオさん。

故郷富岡を愛し、愛国心を持つ松ちゃんは「ガーデニングだってよ!」と馬鹿にされた時のようながっかりしたというか呆れたような顔を僕に見せた。


山肌を見せるように草むしりをして、その草を汚染物入れの袋に詰める作業をしてる。今日の写真は隣の楢葉町の写真です。


イタリア人のアントニオさんの目には草むしりと落ち葉拾いとしか映っていない。言われればその通りだ。。。


本当にきれいに草一本も見当たらないような除染???だが、すぐに元の数値に戻ってしまう除染???だ

僕は彼の落胆をよそにアントニオいい事言うじゃん!って思った。松ちゃんから聞いて本当に的確な表現だと思ったし、外国人記者の目にもあれは草むしりと落ち葉拾いで、全く除染になっていない事がしっかり映っていることを喜んだ。


山あいは何処もこんな感じの姿です。


あちこちの点在する放射能汚染物置き場も見慣れたが・・・

除染とは完全に放射能を取り除くことを除染と言い、国が進めているのは移染で放射能汚染物の場所を移しているだけだから除染になっていない。

しかも山林を除染しないから、風が吹けばセシウム入りの塵や土が舞い上がり除染した?ところに降ってくる。雨が降れば川に流れそれがまた海に流れて行く。除染?したって元の数値に戻るのは当たり前の事なのだ。

それをアントニオさんは冷やかに言い松ちゃんも笑って受けいれた訳だが、アントニオさんの言った事は事実だと文句も言わずに聞いていたらしい。


今の除染に反対の僕もここだけは竹の姿がきれいで好きになった唯一の場所だ。いつもこんな感じで整備されていればきれいなのになぁ~。

松ちゃんは広大な山林のてっぺんから除染しない今の除染に反対している。国有林の杉が特に多いが樹木の葉や枝や樹皮・辺材に心材にまでもセシウムが入り込んでいることを知っているから、今の除染に納得できないのだ。

人が住む20m圏内だけしか草むしりと落ち葉拾いしかしない。草むしりと落ち葉拾いのために国民の税金を一兆五千億円も使っている。だから彼は今の除染を「税金の無駄遣いと大手ゼネコンの鐘儲けにしかなんねえ!」と声に出して言い続けている。

国は除染に一兆五千億円も使うなら、本当に被災者のための賠償に使って町に帰れない人のために動いてくれ。それをすることが福島の復興に一番早い方法だと思う。今日のブログはここまでにします。




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