リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
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リハビリテーションからリカバリーへ その7

2010年05月21日 | Weblog
自分がいてもいなくても変わらないような立場の回復期リハ病棟の専従医としてのアイデンティティに悩みました。

まわりからみると相当落ち込んでいるように見えたのでしょう。
いろいろな人が声をかけてくれました。

あるベテランのリハのセラピストには「先生は設計士でおれらは職人なんだよ。いい設計図をかいてくれなきゃ」とか。
自分の役割に悩んでいた自分にとってこのたとえは一番腑に落ちました。
しかしそれは難しいことでした。

関西の某大学のリハビリの教授は「ケースワーカーに成り下がってはいけない。医師として出来ることをしなくては。」といいました。
その一方で日本福祉大学の近藤克則先生は「診断書のかけるケースワーカーで全然いいんじゃない?」と言ってくれました。
別のリハビリ科の先生は「リハ医は看取りをやっちゃいけないよ。システムを作り責任を負うのが仕事。」だよといいました。
東京のリハ病院の院長先生は「やりたいとおもっていたことじゃなくても、必要なことで、たまたまやる人がいないからやるというのもあるよな。主治医として関わると同時にリハビリのシステムに責任を負うという役目もあるよな・・。」
といってくれました。

なるほどー・・。

出身大学のリハビリ科の先生も学会で食事にさそってくださり相談にのっていただきました。
高次脳機能障害の方ついての相談では「もうすこし、薬物療法も工夫できるんじゃない?」とアドバイスをいただきました。

初期のときの総合心療科の指導医だった先生は、佐久に来た時にはるばる時間をつくっていただき
「やりたいことに近いことなんだけどまだ早すぎだったね。後期研修医のやることじゃないよね。」といっていただきました。

北海道でお世話になった先生も佐久病院の見学がてら来てくださり、「一つの病院でずっといるのもおかしいよ。北海道へこない。」などと心配していただきました。

ところで意地になってつづけていた内科系の正当直というのは、初期研修医のコンサルテーションを受けながら、各科の上級医にコンサルテーションし、嫌みを言われながら病棟に入院を頼み、入院することになった患者さんの指示出しをします。

そして、翌朝はほとんど眠れずぼーっとした頭で各専門家の先生に頼みにいくのですが捕まらなかったり引き受け手がなかったら自分で見て、というような危険かつひどい状態で、一晩で10人を入院させるはめになったと言う後期研修医もいてさすがに問題になりました。

これはやってられんと後期研修医があつまり、改善案をだして上層部に提出し、取り決めがなされ当直の回数は増えましたが、負担はやや減りました。

自分も改革には情熱をもってやりましたが、あの時は気分が高揚して今考えると軽躁状態だったのではないかとおもいます。

妙に高揚しており、ちょっと不思議な気分でした。