リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
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リハビリテーションからリカバリーへ その1

2010年05月06日 | Weblog
医師という存在とは何か・・。
医療とはなにか。というのは自分の中でずっと抱えている疑問です。
長崎で医学を教えたポンペ先生はこんなことをおっしゃっておられます。

「Doctor is a way of life.To live it or to leave it.」

医師というのは生き方の問題だ。覚悟して医師として生きるか、さもなければ去れ。ポンペ先生・・。
厳しいですね。

しかし医師になることよりも、医師であり続けることの方が難しいと感じます。
では医師であるとはどういうことなのでしょうか?

ところで私のうちは家業が医業だといってもいいようなところで親戚にも医者が多く、自分も医者になるのが当然みたいな雰囲気がありました。母方の祖父は江戸時代からの医師だったそうです。
あまのじゃくな自分は医師にはなんかなるものかというのに抵抗がありました。
1985年の筑波科学博のときに送った2000年の自分宛ての手紙には「医師になるか国際機関で働きたい」などと書いてありました。

そうはいっても医学部以外にいく度胸もなく、大学は出来るだけ遠くへということで北の島(海外)の大学にいくのがささやかな抵抗でした。

それでも医学部にはいってからも、臨床じゃなくて、免疫の研究者になるんだとか、公衆衛生官になるんだとか、行政職にいくんだとか、国際保健協力もいいな、とかフラフラしておりました・・・。
・・今考えると、そうとう恵まれた立場ですよね。健康や能力、経済的な心配をすることもなく・・・。
まぁ今考えると幸せな悩みです。
大学に行きたくても経済的な問題でいけない人もいるのですから。

で、自分が何をやりたいのか分からなくて、「決まってしまえばあとはガムシャラにやるだけなのに。」なんて思って焦っていました。

やはり隣の芝は青く見えるもので、就職して社会にでていく友人や、理学部をでて医学部の大学院生としてマシーンのように研究して論文を書いたりしている友人の話を聞いて自分は何が出来るのだろうと焦ったりしました。

根は欲張りなので医学生と言う恵まれた身分を利用していろんなことをやりました。
基礎医学の研究室に出入りしてみたり、タイへ国際協力のスタディツアーを企画して行ってみたり。
厚生労働省の医系技官や公衆衛生の道にすすむ医学生を発掘しようと言う狙いの「社会医学セミナー(at 佐渡島)」というのにでてみたりしました。

つづく