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売れない時代の中古車適正在庫の決め方ー最後はセールスミックスだ

2009年09月08日 | 営業・フロント全般

 

3回目の今回は、交叉比率を一歩進めて「セールスミックス」による適正在庫を見てみます。

交叉比率は、回転率と粗利益率の積が一番高いことが理想といいました。では、商品が複数ある場合に、どの商品をどれだけ在庫したら適正なのかは、3番目の指標が必要になります。

これは、交叉比率で求めた値に商品構成比を掛け算して求めます。この値が「セールスミックス」です。このセールスミックスは、どの商品が一番利益貢献度が高いを見るための指標です。つまり、在庫する商品ボリュームを最終的に決めるもっとも重要な指標といえます。

例えば、下記のように交叉比率だけで順位をつけると、ミニバンが第1位、第2位はコンパクトカー、第3位は高級セダンとなります。これは、あくまでも各商品の効率性(回転が良くて利益率が良い)だけを判断する材料に過ぎません。

しかし、中古車を展示場に陳列するにはこの交叉比率だけでは、車種ごとのボリュームが判断ができません。そこで、商品構成比を交叉比率に掛け合わせて、出た値から最終的な在庫車(展示車)を判断するものです。

【交叉比率から見た順位】
 車    種  粗利益率 回転率 交叉比率  順位
 軽自動車      7.0%   1.0      7.0--------5
 コンパクトカー  13.0%   0.7      9.1--------2
 ミニバン      10.0%   1.0     10.0--------1
 高級セダン       18.0%       0.5      9.0--------3
 SUV                25.0%      0.3      7.5--------4

【セールスミックスから見た順位】
 車    種  交叉比率  展示目標  台 数  セールス  順位
                     台    数  構成比  ミックス
 軽自動車       7.0       11           36.7    30.6-------1
 コンパクトカー      9.1             7       23.3    25.4-------3
 ミニバン            10.0             7       23.3        27.8-------2
 高級セダン          9.0             2             6.7          7.2-------5
 SUV                  7.5             3           10.0           9.0-------4
 合    計   ***     30台       100.0        100.0
┌───────────────────────────┐
  セールスミックス=交叉比率×台数構成比-------利益貢献度(A)  
           =A÷利益貢献度合計×100              
└───────────────────────────┘

以上3回に分けて中古車の適正在庫を解説いたしました。
売れない時代には、ややもすると「販売」に力がかかりますが、むしろ効率的な経営を行っていくためには、在庫の適正化を図ることで資金の余裕を持たせ、かつ魅力的な商品を展示することが、結果的に集客効果が高まり、販売前線を優位に展開することができます。

 株式会社ティオ
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