おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自動車整備の安全作業のすすめー3.安全作業の心得、です。
安全に作業するためには、作業する本人がまず注意を払って行うことが
先決だが、その注意の部分を本人任せにするのではなく、社内で「安全心得」
を作成、明示しておくことだ。
例えば、下記のように「安全作業心得15カ条」を作成し、朝礼などの場を使って、
全員で唱和して気に緩み、慣れを戒めることだ。
【安全作業心得15カ条】
1.体調がすぐれないときは作業を中止せよ
2.制服・制帽・安全靴を正しく着用せよ
3.保護具を使って作業せよ
4.声と目で確認せよ
5.操作は必ず声を掛けよ
6.動いているものから目を離すな
7.異常が起きたらすぐ停めろ
8.修理・段取りはスイッチを切れ
9.分からないことは手を出すな
10.共同作業は声掛けで確認せよ
11.複数で作業するときは責任者を決めろ
12.整理・整頓・清掃に徹せよ
13.危険作業時は「作業中」の表示をせよ
14.むやみに話しかけるな
15.作業に合った治具・ツールを使え
経営者や工場長は、心得が守られているか工場巡視などを通じて確認し、
守られていない場合は、その場で注意し、適切な措置をとること。
この時に大事なのは、「この程度はいいだろう」などといった、甘い判断をしてはならない。
こうした甘い判断が、重大な事故を招くことになるのだ。
次に、作業ごとの安全作業ルールを決めておくことも、事故や怪我を未然に防止することになる。
また、これらが良し悪しの判断基準にもなり、安全衛生教育のテキスト代わりにもなり、
新人などを指導するときに、大いに役立つ。
例として「ジャッキアップ作業」「リフト作業」それに「グラインダー作業」を作ってみた。
参考にしてほしい。
■ジャッキアップ作業
・車止めを使用する
・水平な場所で作業する
・ジャッキアップポイントで昇降作業を行う
・昇降時はリフト操作同様に指差し呼称、声掛け確認を行う
・リジットラックを必ず使用する(ジャッキだけで作業を行わない)
・リジットラックの高さは揃えて使用する
・リジットラックに載せたら左右前後軽くゆすってバランスを確認する
・ジャッキアップのままクルマを移動させない
・クルマの下に入る場合はヘルメット・防塵メガネを着用する
・タイヤを敷いて安全を確保する
■リフト作業
・規格値以上の重量を乗せない
・誘導ラインに沿ってまっすぐに受け台に入る
・サイドブレーキ・車止めをかける
・リフト操作は「リフトアップします」「リフト止めます」「リフトダウンします」と声掛けする
・リフト昇降時は、「リフト下人なし」と指差し呼称してから操作する
・リフト操作中は目を逸らさない
・リフトを止めた時は「ロック確認」と指差し呼称する
・リフトを止めた時はクルマを左右前後に軽くゆすってバランスを確認する
・車の前後・左右の片上げをしない
・リフトを上昇させる場合は、天井を確認しながら行う(上げ過ぎに注意)
・リフトを他の用途に使用しない
■グラインダー作業
・保護メガネ・防塵マスクを着用する
・研磨する対象物を直接手に持って作業しない
・砥石にヒビ・欠けがないか確認する(ある場合は交換する)
・スイッチを入れる時はグラインダーの正面に立たない
・安全カバーがついているか確認する(付いていない場合は使用しない)
・砥石の側面で研磨作業を行わない
・砥石の交換は安全教育を受けた者が行う
ところで、整備作業の時の体勢も事故や怪我を引き起こす原因にもなる。
整備作業時の体勢の原則は、「作業バランスのとれた基本姿勢を維持し、必要な場合は十分な支えを確保する」
ということと、「自分の位置が容易に変えられる」こと。
また、作業は「左から右へ」「上から下へ」行うと、
楽に作業ができると同時に、見落としなども減らすことができる。
作業するときの体勢は、以下の通り。
・作業は体の正面で行う
・背伸びした作業は行わない(高いところの作業は、脚立等を使う)
・片足立ち作業は行わない
・重量物を持つ時は腰を落として胸で持ち上げるイメージで持ち上げる
慣れてくると「軽業師」的にかっこよく作業しがちだが、そうした心のゆるみが事故を招くことになる。
整備作業するときは、常に新人の気持ちで「慎重」「丁寧」に作業を進め、事故・怪我をしない様に
心がけてほしい。
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