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自動車整備の安全作業のすすめー4.危険予知の習慣化

2011年08月11日 | 人事・労務全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自動車整備の安全作業のすすめー4.危険予知の習慣化、です。

労働災害を発生させないためには、「安全・衛生の先取り」が不可欠だ。
労働災害の約90%が「不安全な行動」により、発生している。

安全・衛生の先取りは、この不安全な行動を起こさないことに尽きる。
では、どうするかだが、それは「危険予知」をすることだ。

整備作業や、車両を積載車で回送の時に、「どこに」、「どのような」危険があるかを
予知することで、災害の発生の芽を摘むようにするのだ。

狭い生活道路をクルマを運転している時に、前方に小さな子供たちが、ワイワイはしゃぎながら
道路の端を歩いていたら、貴方は運転をどうしますか?

多分、急な飛び出しなどを予想して、スピードを緩めたり、とっさのハンドル操作ができるように
運転姿勢を正したり、子供たちの動きに神経を集中したりして、動作や心の準備をするはずだ。

こうしたことが「危険予知」といわれるものだ。危険(キケン)のK、予知(ヨチ)のYをつかって「KY」などと
言ったりする。安全衛生の確保に係る活動として「危険予知活動=KY活動」がある。

KY活動は、個人のヒューマンエラーを防ぐだけではなく、職場の安全衛生の先取りと、
全員参加の明るい生き生きとした“職場風土づくり”を目指すものだ。

職場で何が危険かのホンネの話合いを毎時、毎日、短時間ミーティングの中で繰返すことで、
安全衛生を先取りする「感受性」が鋭くなり、チームワークも強くなる。
これによって安全衛生だけでなく、すべての職場の問題解決を自主的に行えるようになるのだ。

例えば、フロントから作業指示が出される時に、フロントはメカニックに対して、この作業において
どのような危険があるのか、それを回避するにはどうしたらいいか、尋ねることもKY活動である。

こうしたやり取りが、相互理解につながり、人間関係を円滑にする「潤滑剤」になる。
特に、新人メカニックに対しては、KY活動のミニ話し合いを行ってほしい。

FAXを送信するときに、相手先のFAX番号を入力した後に、番号を指差ししながら読み上げる。
この行動が「指差し呼称」といい、作業や業務を間違いなく進めるKY活動である。

指差し呼称の効果は、
 アクション     誤り発生頻度
 何もしない・・・・・・・・・・ 2.38
 指差しのみ・・・・・・・・・ 1.0
 呼称のみ・・・・・・・・・・・0.75
 指差し呼称・・・・・・・・・ 0.38
となっている。

これは、1994年に(財)鉄道総合研究所が行った「指差し呼称の効果検定実験」結果だ。
効果 は“何もしない場合”に比べ、“指差し呼称する場合”には、作業の誤りの発生率が「約6分の1以下」 になるのだ。

しかし、この指差し呼称も、マンネリになると「無意識」に指差しをし、見たことや文字を唱和する
のではなく、指差しと自動で唱和していることがある。これではKY活動にならない。

指差し呼称は、作業や業務の安全・衛生の先取りの「その時のKY活動」である。
したがって、性根を入れて、確実に正しく指差し呼称を行うことが必要である。

指差し呼称の正しい進め方は、
1.右手(右利きの場合)を「グー」のようにコブシを作る。左手は左の腰にあてる
2.対象物を見て対象物の名前を呼称する
3.右腕を伸ばして、右手の人差し指を出し対象物を指す
4.コブシを耳元に寄せる
5.状態が正しいか判断し「ヨシ」の声を出す
6.同時に腕を振り下げて対象物を指し、対象物を見る
これが、正調「指差し呼称」だ。

こうした指導をすると、必ず「そったらことやってられねネー」という声が出る。
「忙しい」「うるさい」「めんどくさい」「時間がもったいない」、というのが大方の理由である。

しかし、これが「ヒューマンエラー」の原因なのだ。
忙しいから工程を端折る、これこそが労働災害発生原因の最たるものである。

作業するものとして「忙しい時こそ指差呼称」・・・・、これが正しい理解なのだ。
とはいっても、作業一つ一つに対してやる必要はない。重要な場面や危険予知で出た箇所
などを重点に行うこと。

このKY活動の基本である「指差し呼称」が習慣化されるように、上司が率先して行う
ようにしてほしいし、職場会議などで「呼び指し呼称習慣化対策」などと、議題にも
あげてほしい。


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