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自動車整備の安全作業のすすめー1.安全衛生管理の目的

2011年08月08日 | 人事・労務全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自動車整備の安全作業のすすめー1.安全衛生管理の目的、です。

ある整備工場で見た光景で、ヒヤリとさせれてたことがあった。
乗用車をリフトに乗せ最上段に上げている時に、メカニックがそのクルマに乗り込んで、点検をしたのだ。

そのメカニックは、慣れた動作でクルマへ上り下りしていた。一つ間違えればクルマがバランスを崩し、
落下して予期せぬ怪我や、場合によっては命を落とすかもしれない危険があるのだ。

日本自動車機械工具協会のデータによると、平成12年から21年の10年間に、リフトによる事故が204件発生し、
死傷者が出ている。この数字を少ないとみるか、多いとみるかは様々だと思うが、一つ言えることは、
作業中の事故として絶対に
あってはならないこと、ということだ。

204件の原因別構成比は、取扱不良46%、点検不履行23%、取扱不良と点検不履行20%、その他11%と
なっている。ザックリ見れば、事故の約半分が取扱いの不良によって起きている。

「慣れ」や「過信」などが取扱不良の原因だと思うが、「チョット」の違いによって、事故が起きてしまうことを、
けっして忘れてはならない。

そこで、「安全管理」が求められることになる。
安全管理とは「安全衛生管理」のくくりである。

安全衛生とは、仕事上の災害を未然に防止し、仕事上の災害から従業員を守るとともに、
職場の衛生状態の維持および向上に努め、健康的で明るい職業生活を維持するための一連の施策をさす。

その目的は、メカニックを初め、職場で働く従業員が持っている能力を、十分に発揮してもらためである。
そう、安全衛生管理とは、正に労務管理そのものなのだ。

お客さまの様々な要求・要望に対して、確かな品質を創るのは、従業員である。
その従業員が一人でも欠ければ、確かな品質を提供することが難しくなる。

特に、整備作業の場合は、機械がメカニックに取って代わることが出来ない。それを、やるべきことを怠ったことで、
つまらない事故や病で、メカニックが欠けることは、最も避けなければならないことである。
だから経営者や工場長が積極的に取り組みしなければならない、もっとも重要な仕事なのだ。

前述のリフト事故の23%を占める「点検不履行」などは、ルール通りに行っていれば、事故を「未然に防止」できた
もので、もっとも質の悪い事故であって、経営者や工場長の職務怠慢のなにものでもない。

こうしたことが起きる根本原因は、従業員を経営のパートナーとして見ていないために起こると、
私は思っている。従業員が安心して満足して働いてもらうための「投資」が、リフトの点検料だ。

それを「費用」、つまりコストと見てしまうから、変な節約意識が頭をもたげて、定期点検を行わずに
済ませてしまう。

従業員が「明るく」「元気に」「健康に」働ける職場を作ること。
これが安全管理なのだ。


株式会社ティオ
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