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売上の3要素から見た来年の経営課題!

2009年12月22日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、売上の3要素から見た来年の経営課題です。

奈良県の整備商工組合が実施した「労働環境実態調査」結果を見ると、654組合員の7割以上が収益が減少した回答した。そのうち、何と収益が減少した原因の62%が管理顧客の減少と回答している。

それを踏まえて、今後の経営の重点課題は何かと聞いたところ、
  第一位:新規客の開拓(47%)
  第二位:営業力の向上(30%)
  第三位:優秀な人材の確保(21%)
  第四位:技術力の向上(20%)
  第五位:従業員の能力開発(15%)
  同   :生産性の向上(15%)
となっている。

売上アップの命題に対する答えの第一位が「新規客の開拓」を挙げている。減った管理客を補充するために、新規客の開拓が必要と考えていることになる。売上は、単純に「量×単価」で求められるから、要素の一つである「量」を増やすことは当然である。

しかし、チョット安直過ぎてはいないだろうか。むしろ、減った理由を改善すべきことが第一位に来るのが本来ではないだろうか。水漏れしている器に、何ぼ水を継ぎ足しても器は満杯にはならない。

水を満杯にするには、まず漏れているところを塞ぎ、その上で、水やりのタイミングやその時の量を工夫する必要がある。

量×単価の売上式を、分解すると「取引客数(漏れを防ぐ)×取引率(水やりのタイミング)×取引単価(水の量)」になる。この3要素が売上アップ(回復)の要件である。

売上アップには、新規客の獲得という回答は正解ではあるが、満点とは言い難い。新規客を獲得するのは容易ではない。お金もかかるし、労力も必要だ。車検のチラシを考えて欲しい。チラシ10,000枚配布して新規が1~3台の入庫である。

確率0.01~0.03%、チラシ1枚9円(折込料含め)とすれば、9万円かけて最大3台の獲得である。1台当たり3万円かかっているのだ。この3台が次回の車検で入庫してくれる入庫率(回帰率)は、良くて30%、悪いと15%前後である。30%としても3台のうち1台しか入庫してくれないのだ。それでも新規客獲得をやりますか?

この新規の獲得費用が、自社の車検基本料金を超えるようだたっら、止めた方がいいというのが、私の基準である。基準を緩めても、車検平均工賃単価を超えるようだたっら、止めるべきだ。

それよりも、取引客数の中の管理客(現取引客)の脱落防止策と、「取引率」および「取引単価」を改善すべきである。理想かもしれないが、この三つを改善すれば、新規客獲得の必要性はなくなるかもしれない。いかがだろうか、本質的な自社の来年の経営課題が掴めてきただろうか。


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