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部品在庫の無駄を省いたら仕入が40万円も低減できた!

2009年12月03日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、部品在庫のムダ削減です。

ある地方、しかもちょっと辺鄙な場所にある整備工場に指導でお伺いした時のことだ。初めての訪問だったので、作業場、フロント事務所、部品庫などを見て回った。部品庫に入ってみたらベルト、プラグ、エレメントなどが棚一杯になっている。ベルトは、別な場所にも置いてある。

工場長に、やらたとベルトが多いいがナゼなのか、尋ねてみた。すると、在庫と委託の両方があるという。その使い分けがどうなっているか聞いたところ、別にないという。もう一つ聞いた、こんなにアイテムと数が必要なのか?すると、辺鄙な場所で、部品が一日2便しか配達がないので、緊急時の安全を見て置いているという。その在庫の管理は、部品共販に任せっきりだ。

私は、早速「在庫調査」をするように指示した。調査の内容は、仕入値およびアイテムと在庫数量である。結果ベルトは、178アイテム、389本在庫してあることが分かった。次に、どの程度の頻度で使用しているかを調べさせた。直近1年間で182本の使用である。1か月平均では15.2本である。

この他に、パッド、プラグなども同様に調査し、在庫状況と使用頻度を表にまとめた。この結果を、全スタッフに報告し、感想を聞いたところ、今まで意識していなかったので、在庫の多さにはビックリしたし、在庫している割には使用頻度が低いことに気がついたという。

その意識を持ってもらいつつ、部品の仕入れは、工場長の許可を取ってからというルールにしたら、なんと翌月の仕入金額が従来の額よりも40万円(44%減)も下がった。その翌月には30万も下がっている。

また、メカニックが古い在庫から使用するようになったり、共販の配達者に注文をつけるようになったり、交換を積極的に勧めるようになったりと、部品に対する意識が高まった。

これらは、第三者である私でなければ、指摘できないことだ。いつもと変わらない、在庫の風景が当たり前になっていると、今までの手法、管理や意識などに対して「疑問」が出ない。

この工場でも、私が在庫調査を指示した時に、何でいまさらといった雰囲気に満ち溢れていた。これが諸悪の根源なのだ。売上アップが厳しいのであれば、内なる努力で利益を出すことができる。それがコストダウンである。

最近は、部品を委託在庫している会社が目に付くが、仕入・在庫管理を任せっきりにしていると、仕入値が相手のいいなりになったり、部品庫のスペースが無駄になったり、無駄な在庫があったりと、何かと不都合なことが起こってしまう。使った分しか支払いが発生しないからといって、仕入管理や在庫管理に関与しないのは、コストダウンに対して無責任すぎる。

今一度、仕入値や在庫アイテムと数量が適正であるかを、メカニックを巻き込みつつ、部品商などと一緒に精査して、仕入値の低減と在庫数を極力減らし、仕入れコストを減らし、スペースの有効活用をするのも、師走の仕事ではないだろうか。


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