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苦情こそクレームの本命!

2009年12月15日 | CS全般


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備工場や中古車販売店での苦情を減らすことです。

クレームを観察すると、「苦情=コンプレイン(不都合、不具合)」と「弁済=クレーム(返品、修正費用、保証等金銭的な処理を伴うもの)」に分けることができる。苦情とは、不平、不満、文句などである。昨日のある整備工場で起きた「保有していいないクルマの車検案内が来るのでクルマを変えてほしい」ということが、まさに苦情だ。

弁済とは、何らかの対価が伴うケースだ。整備ミスで、再整備をする、あるいは説明不足で誤解があり、そのために何らかの代償を伴った場合などだ。一般的に、苦情も弁済も「クレーム」として扱っているが、私たちの理解としては、クレームには二つあることを覚えていて欲しい。

発生した際は、どちらも誠心誠意対応するので、分ける必要がないように思えるが、苦情は、どちらかといえば、軽く扱われて、その場だけの対応で終わるケースが多い。また、お客さまに原因を持って行きがちだ。

細かいお客だとか、うるさいお客、何時ものお客、などとお客さまの性格に原因があるがごとくあしらう。これでは、苦情を宝の山にすることはできない。私は、弁済よりも苦情が大事だと思っている。

その理解の根本は、苦情が爆発したのが弁済になるケースが多いからだ。小さな苦情が積りに積ってくると、ある出来事が起爆剤になって、一気に弁済になる。ちょうど雪崩が起きるようなものだ。だから、苦情には弁済よりも注意と配慮が必要なのだ。

また、苦情を伝えてくれるお客さまは、基本的にその後も取引をする前提だが、弁済は、その後の取引を望んでいない場合が多い。発生時の対応に苦情も弁済も差があってはならないが、苦情のお客さまは、その会社に対して友好的で、もっと良くなって欲しいと応援してくれている、ありがたいお客さまなのだ。

もう一つ理由を挙げると、弁済は「事後対処型」で、発生したものに対応する場合が多い。緊急性が高く、業務を混乱させ、他のお客さまに迷惑をかけてしまう。しかし、苦情は「事前対策型」で、事前に不満などが出ないように手を打つことが可能だからだ。

日常的に発生する苦情を、一つでも少なくする事前対策をすることで、弁済を少なくし全体のCSを高めることになる。だから、こんな小さなこと、たわいもないこと、と思わないで、お客さまだったらどう感じるだろうか、どう思うだろうかとアンテナを張り巡らし、小さな改善を積み重ねていくことがCSにとって何よりも大事である。


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