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鈑金需要の構造的変化とこれからの経営の方向性!

2009年11月20日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、鈑金需要の構造的変化と経営の方向性です。

交通事故発生件数のピークは平成16年の952千件です。その後の推移は以下のとおり。

平成17年  933千件(前年比98.0%
       18
年  886千件(同  94.9%
       19
年  832千件(同  93.9%
       20
年  766千件(同  92.1%

平成20年の766千件は、平成16年度と比べると約20%のダウン。社会的に見れば事故件数が減っていることは、喜ばしいことだが、BP店においては仕事量である「需要の減少」だ。

これから先、事故件数は増えるかと言えば疑問だ。むしろ減る可能性が高いと言わざるをえない。その根拠は、「保有台数が減る」「ITSの発達」「走行安全支援装置の普及(ITSの一部)」により、構造的に減ることになる。

昨日発売された2台目ニッサンフーガでは、LDP(車線逸脱防止支援システム)、LDW(車線逸脱警報)、FCW(前方車輌接近警報)、インテリジェントブレーキアシスト、カーナビからのカーブ情報を検証し、必要に応じてアクセルペダルを押し戻すことでドライバーの減速操作をサポートする「インテリジェントペダル」や、車両の挙動を安定させるVDCシステムを利用して安定感のあるコーナリングを実現する「コーナリングスタビリティーアシスト」など、数々の走行安全支援装置やITS装置が標準またはオプション設定されている。

ITSは、情報通信技術により、人と道路と車両とをネットワーク化して交通事故や渋滞などの道路交通問題の解決を、目的に構築する新しい交通システムだ。政府は「IT新改革戦略」に基づいて、2008年度までに官民連携した当システムの大規模な実証実験を行い、効果的なサービス・システムのあり方について検証を行うとともに、事故削減への寄与度について定量的な評価を行っている。

そして、需要の大本である「保有台数」が減少している。現在は、貨物車だけが減少しているが、2010年を境に乗用車も減少に転じると自販連は予測している。人口の減少や若者の免許保有率の減少などからしても、保有台数が減少する確率は高いと思う。

事故率が同じとしても、保有台数が減れば事故件数は減る。以上の減少要因に加えて、新車ディーラーのさらなるBP内製化の拡張と、内整化率のアップ、整備工場によるBPの内製化などにより、元請けからの仕事の減少も気になるところだ。

内憂外患、難問山積の中でこれからのBP店は、「多角経営」が一つの方向性ではないだろうか。その一つが「認証資格」の有効活用だ。コンプライアンスや元請けからの要請などにより「認証資格」を取得した工場は、認証資格を「飾り」としてではなく、需要開拓の「武器」として有効化すべきだ。

現に、あるBP店では、二つあった工場のうちBP作業を一つの工場に集約し、空いたもう一つの工場を認証取得をして整備工場に衣替えした。その結果、月間約20台の車検を中心に2名で工賃生産性1,000千円を上げている。BP工場当時の生産性よりは、低いものの、社長は向上させていく自信を見せている。

経営の多角化には人材確保・育成や機械設備の問題と、直需客の開拓など容易いことではないが、3年から5年の計画を持って進めることだ。多角化といっても全ての機能を自社で保有することではなく、自社が窓口となって近場の整備工場や中古車販売店、新車ディーラーを使って仕事をこなしていくことで十分だ。

いずれにしても、BP需要減少が確実になることが予想されている以上、早めの対策が必要だ。その対策の一つとして経営の多角化がある。BP専門工場でも構わない。言えることは、従来の経営手法が続かないことだ。そのことを踏まえた、経営のかじ取りが必要なのだ。


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