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整備工場の売上アップ策!

2009年11月13日 | 経営・オピニオン全般


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備工場の売上アップ対策です。

整備工場の整備売上高は、ここ2年前年割れの状況だ。その要因は、整備白書では、新車販売の低迷と、燃料の高騰などによる節約意識だとしている。私は、これに価格競争と整備需要の掘り起こし不足があると推測している。

白書でいう新車販売と節約意識という、いわば外部要因よりは、業界内の価格競争と需要の掘り起こしである内部要因の方が、整備売上が低迷している要因として大きく作用していると考えている。

それを示す根拠は、上記のグラフである。工場当たりの保有台数は、平成10年以降毎年増加していて、平成19年では、一工場当たり889台、平成10年比104%、34台も増加している。

しかし、入庫台数は、右肩下がりの傾向である。特に、平成14年からは、保有台数を下回る入庫台数となっている。これは、1年間、整備取引が無かったことを意味している。

整備単価は、年によって上下を繰り返しているものの、平成19年では前年と比べ3千円近くも単価が下がっている。傾向的には入庫台数と同様で、右肩下がりである。平成19年では、平成10年と比べて実に1万1千円も下がっている。

売上の要素は、「数=顧客数」と「単価=商品」と「回数=頻度」の3つがある。この3要素の掛け算で売上高となる。残念ながら、グラフを見る限り、入庫台数、整備単価は、下がっているし、回数も推測だが、平成14年から18年までは下がっていると云える。

この3要素の内、整備工場でどうすることも出来ないのが、入庫台数のもとになる保有台数だ。残念ながら保有台数は、この2年ほど減少している。その全部が貨物車だが、2010年以降は乗用車も減少するという予測も出ている。

3要素のうち入庫台数が期待できなければ、単価と回数に期待するほかない。が、整備単価は、車検を中心にますます厳しくならざるを得ない。それは、取引台数を増やすためには、他社の取引客を引き寄せなければならなず、どうしても価格競争になっていまう。

ということは、残るは回数を増やすこと、つまり取引頻度を上げることが、整備売上を維持し高める唯一残された道ということになる。取引回数を増やすには、既存客である顧客に対して入庫の呼びかけをすることだ。

入庫を待っていたのでは、入庫回数は増えない。呼び込みなくして入庫回数は増えない。呼び込みは、投網を掛けるように、顧客を単なる「台数」として捉える、画一的、平均的な呼び込みではなく、一人ひとりのお客にあった呼び込みを、働きかけなければ、動いてくれない。

したがって、従来の期日管理であった顧客管理の内容を、期日管理も含めて未入庫内容を把握し、その内容とタイミングをはかって、呼び込みを行うことである。そんなこと面倒だ、手間がかかる、人手がない、などといい訳を云っていては、整備売上はじり貧になること間違いない。それは、倒産や転業を覚悟しなければならないのである。

まずは、『オイル交換の時期が来ましたよー、○○様のエンジンには、このオイルがベストマッチです。このオイルで燃費の節約をしませんかー』、と呼び込みをするところから始めてはいかがだろうか。そして、順次他のメンテナンス商品やニーズ商品に広げていくことだ。

こうした活動を行ったら、明日から入庫回数が増えるかといえば「ノー」だ。地道に根気よく繰り返し活動することで、じわじわと効果が出てくる。漢方薬だと思っていて間違いない。継続こそ力なり、その事が問われているといもいえるのだ。


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