広島で芝居を楽しむためのブログ

広島での観劇レビューや日々思うこと徒然と。芝居で生の驚き、生の迫力、生の感動を多くの人に知ってもらいたい。

公演名:狭き門より入れ

2009年09月16日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2009年9月15日(火)19:00/広島ALSOKホール
作・演出:
 前川知大 
出演:
 佐々木蔵之介・市川亀冶郎・中尾明慶
 有川マコト・手塚とおる・浅野和之他
感想:
 いきなり、総評です。
ずばり”B”です。
個人的に”ずっぽり”状態でしたし、
さらに佐々木蔵之助にクラクラです。
でも、この舞台に”のるか?””そるか?”は
個人的な趣味趣向がかなり影響します。
トワイライトゾーン的ストーリーなので
好き嫌いは完全にわかれるところでしょうけど。
お得意の”のり”と”勢い”とは
違う毛並みですがこちらも大好物なんです。
さて、脚本と演出ですが
派手さはありませんが手堅い作りです。
王道というかオーソドックスというか
奇をてらわない良い芝居です。
ちなみに導入の最初の5分で
完全にやられちゃいましたねぇ~。
一目で”こいつは自分好みの作品だ!?”と
直感でわかっちゃいました。
そして休憩無しの2時間公演、
ラストまで一気に魅入っちゃいました。
脚本・演出家がほぼ同じ年代だと
同じ時代を同じ年代で生きた者として
同じような感性になるのかもしれませんね。
もう少しシュールでカルトな感覚が好きですが
それだとマニアックなものになってしまい
商業演劇には”のらない作品”になるので
たぶんこの程度で抑えているのでしょう。
また、舞台セットはコンビニという
ワンシチュエーションでなかなかの作りこみ。
個人商店をコンビニ化した何ともいえない
こじんまりとした雰囲気を醸しだしています。
また、BGMやSEも必要最低限で
ものすごくいい感じです。
最近多いの過剰演出は耳障りなだけですから。(笑)
そうそう、役者ですが
これがまた全員が
ものすごくいいんです。
佐々木蔵之介、まさにクラクラです。
やっぱりテレビより数段いいぞ!!
市川亀冶郎、顔が濃い。(笑)
舞台での存在感が違いますね、さすがです。
中尾明慶、なかなか上手です。
この手の演技はなれたものですね。
有川マコト、ふつうです、いい意味で。
癖のあるふつうの人を演じさせると
右に出るもの無し!!
手塚とおる、ちょっと怖いです。
今回も怪演をさらっとやってのけてます。
う~ん、ナイス怖さ!?
浅野和之、おやじです。
小市民を演じさせるとナンバーワン。
強気になびき弱気になびく
まさに小市民ですぇ~。
みなさん、ひと癖もふた癖もある
つわものぞろいのキャスティングですが
舞台を壊すことなく見事に調和しています。
役者の技量なのか!?演出なのか!?
そのへんはわかりませんが
本当に見事なハーモーニーです。
そして、今回の客の入りですが
ほぼ満席状態です。
残念ながら2階席はわかりませんでしたが。
すごい、すごすぎる。
プレイガイドや番宣を見ていると
好調な感じはありましたが
まさかここまでとは。
客層はおねぇちゃん系がた多く
男性やシルバー系は本当に一握りです。
カップル、アベック率以上に低し。
手元で見ているパンフのページや
話に聞き耳をたててみると
蔵之介、明慶ファンで間違いないでしょう。
でも、ミーハーチックな服装は少なく
年齢も高めでシックな感じだったのが
違和感といえば違和感だったかも!?
最後に。
今回の舞台は脚本、演出、役者と
すべてが好みぴったりですから
評価も高めになっちゃっています。
最後がちょっと尻切れトンボかなぁ~なんて
思う部分もありますが
”あれ”は”あれ”でありです。
というか”あれ”しか落としようがない。
久しぶりに舞台を堪能させていただきました。
まさに満足、満足のお芝居でした。