広島で芝居を楽しむためのブログ

広島での観劇レビューや日々思うこと徒然と。芝居で生の驚き、生の迫力、生の感動を多くの人に知ってもらいたい。

公演名:冬の絵空

2008年12月25日 | 観劇レビュー
作・演出:
 小松純也・鈴木勝秀
出演:
 藤木直人・橋本じゅん・中越典子・中村まこと
 片桐仁・伊達暁・新谷真弓・六角慎司
 粟根まこと・加藤貴子・生瀬勝久ほか
日時:
 2008年12月23日 12:00/18:30
場所:
 アステールプラザ大ホール
感想:
 総評は”C+”です。
悪い舞台ではないのですが
決定打に欠けたために
この評価に落ち着きました。
本当は”B-”でも良いですけど。(笑)
昼夜公演だったのですが客入りは
昼は1階席8割、2階席2割程度。
まぁ広島にしては健闘したかなぁ。
もちろん夜は知りませんよ!?
客層ですが藤木直人のファンが”主”で
演劇ファンは”副”でした。
せっかくの時代劇でしたが
おばちゃん及びシルバーカップル層は
いつもより少なかったところが
今回の特徴でした。
舞台セットはメインが”障子10枚”””木”です。
たったそれだけで各場面を作りだす、演出の妙です。
地方公演を見据えてのことだと思ったのですが
実はそうじゃないと思います。
もともとこの舞台は”劇団そとばこまち”ですから
小劇団用の脚本と演出で作られ
さらに再演なども行っているので
シャープで隙がなく完成度が高くなっている作品です。
それを変なデコレートすることなく
作りこまれている今回の舞台はすごいですね。
小劇団のものを下手につつきまわし
こわしちゃうのが通例ですが。
ストーリーは大変わかりやすく面白い。
テンポも2時間半を感じさせない
心地よい緩急があり、かつ。スピーディーなものでした。
舞台衣装も時代劇ですから着物ですが
某劇団のような派手派手ではなく
オーソドックスタイプなのがこの芝居にマッチ。(笑)
さて、こんなにも誉めているにもかかわらず
どうして”C”に甘んじているのか!?
最初にも書きましたが”パンチ”や”毒”がないんです。
それは脚本や演出はすごいと思うんですが
なんとなく全体的ぼんやりしている感じです。
そのため芝居に対していまいち”乗れない”んです。
ありていに言えばアニメの”ドラえもん”かなぁ。(笑)
話的にも見せ方的にも最低限のレベルはクリアしている。
しかし、子供達のように指折り数え
毎週楽しみにしてわくわくしながら
テレビを見られるかといえば、答えは”ノー”。
それと同じなんです。
小説だから、マンガだから、アニメだから、
映画だからそして、芝居だから
見ることのできる”夢”ってあるじゃないですか。
それが今回の舞台にはなかったような気がします。
最後になりますが演者も悪くなかったんですよ。
藤木直人、役者としては???ですし、
さらに主役としても???ですね。(笑)
まぁ企画の段階で想定内でしょうし
観客も折込済みの事項でしょうから
ある意味”オッケー”なのでしょう。
生瀬、橋本はやっぱり上手ですねぇ。
でも主役を喰わないように手加減気味!?
そのため全体的に舞台がぼやけたのかなぁ。
ちなみに片桐仁はいつもどおりです。
芝居しているような芝居をしていないような
本当に”いつもの”感じです。
それにしても一番の問題は女優でしょう!?
中越典子、新谷真弓、加藤貴子。
可もなく不可もなく萌えもなく。
このへんも舞台がぼやけた原因でしょうか!?
という感じの舞台でした。
年末にはふさわしい忠臣蔵で
十分合格点の舞台であり
一年を締めくくるにはよかったと思います。
正直あんまり期待してなかったんですけど
けっこう面白かったんだなぁ、これが。(笑)