tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

村の恵みを凝縮した「山添プレート」 by 奈良ホテル

2024年01月26日 | お知らせ
月曜日(2024.1.22)、当ブログに〈山添村の野菜がたっぷり、奈良ホテルのプレートランチ、2月29日(木)まで!〉という記事をアップし、「お客さんの少なそうな日に、訪ねてみることにしよう」と締めた。ちょうど水曜日(1/24)に時間が取れたので、午前11時のスタート時間に合わせて、奈良ホテルを訪ねた。


こんな「お品書き」をいただいた



ランチが提供されているのは「メインダイニング」かと思ったが、そこは「準備中」だった。聞いて見ると「ティーラウンジ」だと言うことだったので、そちらに向かった。



早い時間帯だったので、お客さんは1組(2人)だけで、そのあと1人と1組(2人)が入って来られた。「山添プレート」を注文したのは私1だけのようだった。



まずはライスバーガーとピクルスが到着。ライスバーガーにはたっぷりのミンチ肉と村産野菜。ミンチ肉には村産「豆くら味噌」の味がついていた。ピクルスは村特産の「片平あかね」(赤いカブラ)と村産ニンジン。それぞれの葉もピクルスになっていた。木製プレートも、村産材を使っているという凝りようだ。



まもなく、メインの熱々「山添野菜のクリームグラタン」が到着。牛乳でなく豆乳を使用。大きな鶏肉がごろんとたっぷり入っている。ダイコン、ゴボウ、ニンジン、ネギなど、野菜もたっぷりだ。







締めには村産茶葉を使った「茶花(ちゃか)紅茶」。お茶の花(茶花)のフルーティな香りがする。一見、ほうじ茶のように見えるが、ちゃんと紅茶だった。




ティーバッグを取り出すと、こんなにたくさんの茶葉が入っていた、これはおいしいはず!

窓からは遠くに興福寺五重塔、間近には餌を求めるシカの姿があり、なんとも優雅な奈良のひと時を過ごした1時間だった。

外は寒いが、グラタンと紅茶で体はぽかぽか。皆さん、ぜひ奈良ホテルで「山添プレート」を味わってください!
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田中利典師の「修験道の廃絶」(世界遺産登録10周年記念講座)

2024年01月25日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「修験道の廃絶」(師のブログ 2015.3.6 付)、前年に開催された「吉野大峯世界遺産登録10周年記念連続講座 in 東京」の中の〈日本が日本のままで生きている世界遺産「吉野大峯」〉(2014.7.11)の話である。
※トップ写真は、吉野山の桜(2022.4.7 撮影)

明治維新後の神仏分離令・修験道廃止令によって、日本の宗教は大きく変わった。しかも〈これは何も修験だけの問題であったわけではなくて、日本国全体の大きな転換期でありました。私はある種の文化大革命、日本人の精神文化がここで大きく変えられたと思っています〉と持論を展開されている。ぜひ、全文をお読みいただきたい。

「修験道の廃絶」
今から1400年ほど昔、西暦538年、あるいは552年といいますが、仏教が正式に日本に伝わってまいりました。はじめ蘇我氏と物部氏の間で少し神様を祀(まつ)る一派と、仏教を祀る一派が揉(も)めますが、ほとんど揉めたのはこのときだけ。後1300年以上、神様と仏様は仲良くやってまいりました。

神道は仏教が伝わる前は、神道という概念、言葉さえなかったかもしれません。ところが仏教の広大な教義、論理を元に、神道も神道という概念が出てまいりました。あるいは仏教美術、仏教の建物様式を真似て神殿ができたり、あるいは御神像までできたりして、神道は仏教の影響を受けました。

仏教も日本人が受け入れたときに、既に非常に神道を意識していました。その証拠の一つが、仏教が伝来したときに造られた仏像の多くが楠であった。楠というのは霊木信仰であります。

元々日本にあった神信仰に仏教が融合していった。中国や朝鮮には霊木で彫られた仏像というのはほとんどありませんが、日本では最初に造られる仏像の多くは霊木に刻まれている。

神様と仏様はいずれ融合して、神仏習合、神仏混合の宗教を生んで、いわば日本人の精神文化、仲の良い夫婦のような関係でやってきた。その夫婦の間に生まれたのが修験でありました。

ところが明治に、明治維新が成ってすぐ、政府ができたかできないかわからないときに、いち早く出された施策が神仏分離。1300年以上続いた神様と仏様がここで袂を分かちました。

廃仏毀釈という運動がこのあとに生まれるんですが、ややもすると神仏分離によって被害を受けたのは仏教だけのようにいわれますが、実は神道も随分な被害を受けます。

後に出てくる国家神道というヒエラルキーの中に、古い形の神道は改変をされて、地域にあったたくさんの神々が合祀の下に鎮守の杜が壊される。

神道も仏教も大変な被害を受けたのがこの神仏分離の時代でありましたが、いずれにしろ仏教は仏教で純化すれば生き残ることができました。神道は神道で純化すれば生き残ることができた。

ところが修験というのは神仏習合の宗教でありますから、生き残ることはできませんでした。大方の修験寺はつぶされるか、神社になるか。ついには明治5年に修験道廃止令というのが出ます。

金峯山寺も上が山上の本堂で、下が山下の本堂で、全体が金峯山寺というお寺だったんですけども、明治5年の神仏分離、修験道廃止以降、2年間がんばりますが、2年後には吉野の地主神の金峯神社の、山上の本堂は奥宮、山下の本堂は口宮ということで、寺の姿をなくす、寺号をなくしました。

全国にあった山のほとんどは修験信仰でした。熊野は熊野権現、英彦山(ひこさん)は英彦山権現、白山は白山権現、羽黒山は羽黒山権現、富士山は浅間大菩薩(せんげんだいぼさつ)。

神様と仏様が融合した形で、日本のほとんどの霊山は信仰されてきたんですが、そのことごとくが神社となって生き残るか、廃絶するかという時代を迎えたのであります。

これは何も修験だけの問題であったわけではなくて、日本国全体の大きな転換期でありました。私はある種の文化大革命、日本人の精神文化がここで大きく変えられたと思っています。
※吉野大峯世界遺産登録10周年記念連続講座 in 東京世界遺産『吉野大峯』の魅力:演題:日本が日本のままで生きている世界遺産「吉野大峯」(平成26年7月11日 東京SYDホール)講演録より
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當麻寺「練供養」が、国の重要無形民俗文化財に指定!

2024年01月24日 | お知らせ
當麻寺の「聖衆来迎練供養会式(しょうじゅうらいごうねりくようえしき)」が、国の重要無形民俗文化財に指定されることになった、おめでとうございます!発表当日(2024.1.19)のNHK奈良放送局のサイトには、
※トップ写真は、奈良新聞の記事サイトから拝借した

葛城市の當麻寺に伝わる菩薩に扮した人たちが境内を練り歩く伝統行事「練供養」が、新たに国の重要無形民俗文化財に指定されることになりました。

葛城市の當麻寺の「練供養」は、寺の本尊になっている、国宝の曼荼羅を一晩で織り上げたとされる「中将姫」の伝説を再現した平安時代から続く伝統行事です。

毎年、4月に生きたまま仏になったという中将姫の化身の仏像を迎えようと、仮面をかぶって菩薩に扮した人たちが、寺の境内に設けられた長さ100メートルほどの橋の上を練り歩く様子が見どころになっています。

国の文化審議会は、19日、當麻寺の練供養について、▼橋をゆっくりと練り歩く所作に大きな特徴が見られることや、▼地域に伝わる伝説と結びついて行事が発展してきたことが重要だとして、国の重要無形民俗文化財に新たに指定するよう文部科学大臣に答申しました。

県内の重要無形民俗文化財はこれで8件目になります。當麻寺の葛本雅崇住職は、「1,000年以上の歴史を持つ『練供養』が認められてうれしい。保護してきた地域の皆さんとともに、次の世代につなげていく新たなスタートにしたい」と話しています。


1,000年以上の歴史を持つ練供養は、1976(昭和51)年に「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」として文化庁に選択されていたが、やっと国重文に指定されるのだ。遅すぎるようにも思うが、まあ良しとしよう。

今年の練供養は日曜日(4月14日)なので、たくさんの人が訪れることだろう。ぜひマナーを守って見物していただきたい。

画像は奈良新聞(2024.1.20 付)

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田中利典師の「蔵王権現信仰の伝播」(世界遺産登録10周年記念講座)

2024年01月23日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「蔵王権現信仰の伝播」(師のブログ 2015.2.28 付)、前年に開催された「吉野大峯世界遺産登録10周年記念連続講座 in 東京」の中の〈日本が日本のままで生きている世界遺産「吉野大峯」〉(2014.7.11)の話である。
※トップ写真は、吉野山の桜(2022.4.7 撮影)

スキー場としてよく知られている山形の「蔵王」、もとの名前は「刈田嶺(かったみね)」。ここにある刈田嶺神社の寺(神社寺、別当寺)に吉野山の蔵王権現を勧請した(招いた)。そこから山の名前も、「蔵王」と呼ばれるようになったそうだ。このように吉野山・金峯山寺の蔵王権現は全国に勧請され、伝播していった。では、全文を以下に紹介する。

「蔵王権現信仰の伝播」
吉野の権現信仰を中心とする修験信仰は、全国に伝播をいたします。蔵王権現の話をしましたが、蔵王って皆さん読めるでしょう。本当は「ぞうおう」として読みたいところなんです。ただ山形の蔵王が有名だから、みんな蔵王と読める。蔵王のスキー場のおかげなんですが、この蔵王は、山形の蔵王が本家ではなくて、吉野の蔵王が本家なんです。

吉野の蔵王権現さんを山形の刈田嶺(かったみね)神社の別当寺(神社を管理する寺)として勧請した、招いた。そこから山形、福島にまたがるあの地域に権現信仰が広がって、刈田嶺という山の名前さえ蔵王という名前に変わっていくほど広がっていった。大体物事は本家よりも分家のほうが有名になるんですが、この象徴が蔵王であります。

花笠音頭、あの祭に出てくる花の笠がありますね。あの花は何かわかりますか。あの花は山桜なんです。山桜が蔵王権現の御神木だから、花笠音頭の花は山桜なんです。行ったことはないんですが、花笠祭り、このときの山車の先頭は、蔵王権現が出てきます。写真で見ると確かにおられますね。つまり蔵王権現の祭りなんです。

明治に権現信仰が禁止されて、やはりこの山形からも権現信仰の形がなくなるんですけれども、元々は吉野の修験信仰、蔵王信仰が全国に広がった一つの典型的な証が、この山形の蔵王である。

あるいは中部には金峰山(きんぽうざん)という山が長野県と山梨県の両県にまたがり、日本百名山の一つに掲げられておりますが、この金峰山も金峯山(きんぷせん)から権現さんを持って行ってお祀りしてから、あれは金峰山と呼ぶようになったんです。

ほかにも全国にたくさんあります。熊本にやはり金峰山(きんぼうざん)がある。熊本市の人は皆知っています。熊本市を睥睨するようにある山なんですが、ここも元々は飽田山というところに蔵王権現をお迎えしてから金峰山という名前に変わった。

この山はこの3つの峯からなっているんですが、その3つの峯にある中央の土地は吉野という地名で、今もその名前は残っております。全国にこうして広がっていった。その中心は吉野大峯にあったというわけでございます。
※吉野大峯世界遺産登録10周年記念連続講座in東京 世界遺産『吉野大峯』の魅力:演題:日本が日本のままで生きている世界遺産「吉野大峯」(平成26年7月11日 東京SYDホール)講演録より
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山添村の野菜がたっぷり、奈良ホテルのプレートランチ、2月29日(木)まで!(2024 Topic)

2024年01月22日 | お知らせ
金曜日(2024.1.19)の奈良新聞に〈地域共生 地産地消 村産野菜たっぷり 奈良ホテルがランチメニュー「山添プレート」開発〉という記事が出ていた。山添村(奈良県山辺郡)の野菜や味噌などを使ったプレートランチに、村産の茶葉を使った和紅茶がセットされていて@3,500円(税サ込)なのだそうだ。記事によると、
※トップ写真は、奈良新聞の記事サイトから拝借した

奈良市高畑町の奈良ホテル(原田隆太社長)は、山添村産の野菜をふんだんに用いたランチメニュー「山添プレート」を開発した。同村や地元農家の協力を得て企画された地域共生、地産地消を意識した期間限定商品で、20日から提供される。

県内市町村の魅力を発信しようと同ホテルが昨年5月から展開している体験イベント「奈良をつなぐ・チェーンなら」に合わせて考案。ランチ提供は今回が初めてで、同ホテルの栗山遼平シェフが昨年12月に山添村の農家を訪れて素材を吟味し、工夫を凝らして完成させた。

内容は、山添野菜のクリームグラタン▽山添野菜と豆くら味噌(みそ)のライスバーガー▽片平あかねと山添野菜のピクルス―で構成。大和茶で名高い同村の茶葉を使った和紅茶「茶花紅茶」もセットになっている。


15日に同ホテルで開かれた試食会で、山添村の野村栄作村長は「村では大和茶とともに野菜やコメ作りなどにも力を入れ、農業の振興、村の知名度向上を目指している。山添プレートがその起爆剤になれば」と期待を込めてあいさつ。栗山シェフは「今回の料理を通して山添野菜の素晴らしさ、農家の皆さんの野菜づくりへの喜びが伝われば」と話した。

山添プレートは2月29日までの午前11時〜午後3時に、同ホテルティーラウンジで提供。1日10食限定で、料金は3500円(税、サービス料込み)。予約はできない。問い合わせは同ホテルレストラン、電話0742(24)3044。また21日午後2〜5時には、山添村の和紅茶の試飲会が同ホテルロビーで開かれる。入場自由。


大和高原に位置する山添村では、片平あかねなどの野菜やお茶でよく知られている。これらをどういう料理に仕立て上げたのか、興味津々である。お客さんの少なそうな日に、訪ねてみることにしよう。

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