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山城町上狛(木津川市)の精霊(しょうらい)踊り、存続ピンチ!

2021年08月15日 | お知らせ
京都新聞(2021.8.12付)に〈「精霊踊り」存続危機 木津川の府無形民俗文化財 保存会休止 高齢化、担い手不足〉という記事が出ていた。上狛(かみこま=京都府木津川市山城町)の伝統芸能の話である。詳細は記事の画像を見ていただきたいが、要は〈毎年8月14日に行われていたが、踊りを継承する「しょうらい踊り保存会」が2018年から活動を休止しており、500年以上前から伝わる伝統芸能が存続の危機にある〉ということだ。
※トップ写真は木津川市のHPから拝借した

人口減少や担い手の高齢化などで、伝統芸能の継承が難しくなってきていることに加え、近年はコロナ禍で行事を中止するケースも増えている。口伝(くでん)などで継承される無形文化財は、一旦途絶えると復活するのは困難だ。

しかし最近は「関係人口」(地域と多様に関わる協力者)の力を借りて、存続の努力をする地域も増えてきた。ノウハウを持つお年寄りがお元気なうちに、何とか手を打っていただきたいものである。最後に、この京都新聞の記事を読まれた方が「歴史探訪京都から~旧木津川の地名を歩く会~」というブログに精霊踊りのことを詳しく紹介されていたので、ここに抜粋しておく。

京都新聞朝刊の記事「精霊踊り存続危機」を読んで、とても驚き、そしてものすごく惜しく思っています。このニュースを読まれた方が検索されたのか、2012年8月14日に山城町上狛で「精霊踊り」を見学した記事を幾人もの方が読んでくださったようです。それはこちらです。

このお祭りに一人見学で付いて歩いた時、初盆を迎えた家の前で、最年長のシンボチと呼ばれる大団扇を持った男性が「天国からようこそ里帰りされました。わずか4、5日の間のことですがゆっくりしてください。精霊踊りの一節を仕り候。な~むあみだぶつ。やい、よいとこせ~」と朗々と口上を述べられました。その時、何と表現したら良いのかわからないほど「良いなぁ~」と思ったことが、9年経った今でも忘れられない感動でした。良い伝統行事だなぁと思っていたのですが、後継者難から存続の危機に面しているとのこと。ちっとも知らずにいただけに、驚きました。

私が「木津川の地名を歩く会」を率いながら、郷土史に関心を持っていた頃は山城地方にも中世から続く宮座が残っていましたが、今はどうなのでしょう?その頃でさえ、同じ木津川市内のある宮座行事がサラリーマン化や少子化の影響で存続が危ぶまれたことがありましたが、それからどうなったかなぁ?と気になってきました。

精霊踊りを見た翌日、奈良県大柳生の太鼓踊り(奈良県指定無形民俗文化財)が見納めになると知って「一度途切れたら、復活は至難の業だ。それは大変だ」と思い、大柳生を訪ねました。その時いろいろ教えて下さった地元の世話役さんから、その後「中学生達が伝統を引き継ごうとしている」と教えて貰って本当に良かったと嬉しく思ったものです。中学生達がこの祭のことを勉強しようと取り組んだ日のことはこちらで書きました。山城町の精霊踊りも何とか伝統の灯を消さないで済む方法はないものでしょうか。消えてしまうには、何とも惜しい素晴らしい伝統行事です。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (木方)
2021-08-20 18:59:05
今舞とか踊りとかとても気になっています。
上狛って地図で見たことありとても気になる文字だったのでそこでこの時期踊りの文化継承が出来ている事が素敵ですし、凄いなあと思いました。
継承には、上からではなく自然にその中に入る経験を経て自分から取り組みたいとの意志が生まれた結果が繋がっている事実。色々な壁は今回のようにコロナみたいに突然出てくるかもしれませんが、必ず後ろ姿を見てその意志が続くのだと思っています。文字ではない継承の方がきっと身体に入り込むのでしょうし、今どきの方法にも少し手を貸して貰いながら繋がっていくと信じています。この記事をきっかけに応援し続けますね、遠くからですがこちらはもっと勉強しますね。
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小中学校などと (tetsuda)
2021-08-22 05:26:35
木方さん、コメントありがとうございました。上狛には木津川の水運を利用した古くからの茶問屋街があり、福寿園など約40軒が並んでいます。

それにしても「天国からようこそ里帰りされました。わずか4、5日の間のことですがゆっくりしてください」という口上は、何ともユーモラスですね。

> 踊りの文化継承が出来ている事が素敵ですし、凄いなあと思いました。

保存会が活動を休止したというのは、痛いです。地元小中学校などとタイアップして、ぜひ受け継いでいただきたいものです。
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