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田中利典師の「蔵王供正行/第26日 ゆったりと流れる時間」

2024年04月11日 | 田中利典師曰く
久々に「田中利典師曰く」を紹介する。今回は〈蔵王供正行26日目 「時間」〉(師のブログ 2015.5.26 付)。金峯山寺の職を辞され、自坊に戻られた師は、「やはり世の中から取り残されている感が大きい」とお書きである。
※トップ写真は吉野山の桜。今回からは、2024.4.5の撮り下ろし!

金峯山寺で多忙な要職にあって、数々の大きな仕事をこなして来られた師だからこそ、そのように感じられるのだろうか。このあたりの感覚は、私とは相当違うと感じる。

私はサラリーマン生活から完全リタイヤした今でも、ソムリエの会関係の仕事に追いまくられ、時間の流れは全く変らない。メールも、毎日たくさん来るし、返事も書かないといけない。引っ込むべき田舎もない。そもそも「リタイヤ感」が、全くない。

毎朝、新聞3紙に目を通し(60分)、テレビ欄をくまなくチェックし(30分)、夕方までパソコン作業に追いまくられ、夜は録りためたテレビ番組を見る。まるで在宅勤務をしているサラリーマンと変らない生活だ。私もそろそろどこかで、踏ん切りを付けなければ…。では、全文を以下に紹介する。

「時間」
蔵王供正行26日目(5月26日)。快晴。今日の一日。
5時に起床。
5時40分、第51座目蔵王権現供養法修法 於脳天堂
7時、本堂法楽・法華懺法         於本堂 
9時、第52座目蔵王権現供養法修法    於脳天堂
10時20分、本堂法楽・例時作法     於本堂
11時、連合自治会長来山。
12時半、水行              於風呂場
13時、法楽護摩供修法          於脳天堂
14時、本堂法楽・法華経読誦       於本堂
参拝者0名。後半戦、参拝者がない。

****************

「時間」
前半のお行は時間に追われることが多かった。準備不足のせいである。2週間を過ぎて、事務も整い、また行の時間に体も馴染んできて、少し落ち着いた日程になってきた。とはいえ、もう半分を過ぎたのだから、このあとはあっという間に終わりをむかえることになるのかもしれない。時間を無駄には過ごせない。

行中、なにもしないというわけにはいかない事情もあり、思ったよりは、読書や瞑想をする時間が取れていない。ようやく時間に追われる生活から、開放されたはずだが、なんだか予想したほどは、自由な時間がなくて、あまりいつもとかわらない毎日を過ごしているようにも思う。

確かに言えることがひとつある。やはり世の中から取り残されている感が大きい。鶯がさえずり、蛙が大合唱をする片田舎に籠もると言うことは、そういうことなんだと、ゆったりと流れ出した時間が私に教えてくれている。
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