tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

吉野材モデルハウス「吉野サロン2」「堺サロン」見学会( by 奥野浩設計工房 2012Topic)

2012年03月13日 | 奈良にこだわる
3月3日(土)に開かれた「第5回 地域づくりシンポジウム」で、久しぶりに奥野浩さんにお会いした。奥野さんは「奥野浩設計工房」(堺市西区鳳北町3-140)を運営される1級建築士である。今井町町並み保存会会長の若林稔さんを通じ、以前からお付き合いさせていただいている。その奥野さんから、こんなメールをいただいた。

吉野材のモデルハウス「吉野サロン2」「堺サロン」が、間もなく完成します。
堺サロン 3月10・11日、24・25日 
※吉野サロン2(吉野MIX) 3月17・18日、31日、4月1日

の完成見学会を実施します。吉野材をふんだんに使った住宅を「吉野STYLE」と名付け、総2階の「CUBE」、平屋の「FLAT」、その組み合わせの「MIX」に整理して、お客様がイメージしやすくした規格住宅です。吉野サロン2が「MIX」、堺サロンが「FLAT」になります。

平成20年に「ひとときネット」を立ち上げ、22年度奈良県緑の産業再生プロジェクト補助事業で「吉野STYLE」をまとめ、23年度同補助事業で「堺サロン」(事業主体:ひとときネット)と、「吉野MIX」(事業主体:南大和高度化木材協同組合)を建てた事になります。改めて奈良県のお世話になっていることを痛感いたしました。吉野の山にお金が戻るように、頑張って木材を使っていきたいと思います。



堺サロンの内装

添付していただいたパンフレット《吉野STYLE「CUBE」「FLAT」そして「MIX」》には、《建築家の住宅は、出来るまでイメージも金額も分らない!その人に対する信頼で成り立っていました。でもそれは時代遅れではないか?お客様本位の家づくりではないだろう! と言うわけで、「吉野杉をふんだんに使って、この仕上げで、これくらいの工事金額です。」と、説明できるように、私が参加する家づくりのチーム「ひとときネット」で整理したのが「吉野STYLE」です》とある。

何しろ当ブログの記事ネタは、整理が追っつかないほど溜まっているので、ブログで紹介しようと思っているうちに「堺サロン」見学会の前半(3/10~11)が終わってしまった。遅ればせながら、ここにトップに載せたパンフレットのPDFデータを貼りつけておく。

奥野さんが目ざしているのは「環境にやさしい家づくり」である。HPの「設計に対する考え方」によると

自然と人間が対峙するのではなく、自然のサイクルに「ひと」が組み込まれるような「家づくり」を目指しています!

自然を活かす。
四季の美しい日本では、1年の半分以上は光と風をコントロールすることで快適な住まいを計画できると考えています。庇を出すことで日差しを調整し、あわせて、家の中に風の通り道を計画し、窓の開閉で通風をコントロールすれば、化石燃料に過剰に依存することなく生活できると思います。

自然を守る。
私たちは、山と海をつなぐ自然環境の調和の中で暮らしています。海外の森をむやみに伐採して周るのではなく、近くの山の木で家を建て植林を行い、この平野の自然を守ることを考えています。また、解体後、元の環境にもどり易いように、可能な限り自然素材を使用します。

自然を育む。
60年育った木で家を建て、山に苗木を植えます。その家で60年以上生活出来れば、次の家の木が育ちます。安心して年を取れるように、太い木材を昔ながらの「仕口・継手」で組み上げ、バリアフリーに配慮し、家族の変化に対応し改造できるように構造壁の配置に気を使った家を設計します。

HPには奥野版「雨ニモマケズ」が掲載されている。いつも優しく微笑んでいる奥野さんの心根や人生観がよく出た詩(?)なので、ここに紹介しておく。

雨にも負けず 風にも負けず/雪にも夏の暑さにも負けぬ/丈夫な家を設計し/欲は無く 決してイカラズ/いつも静かに笑っている/一日にそば2枚と 少しのご飯を食べ(酒だけは十分に飲み)/鳳神社の北の集落の中の 小さな家に住み/東にアレルギーの子供あれば/行って杉と土の家を造り/南に車椅子の母があれば/行って動きやすい家に直し/みなに設計屋のおっさんと呼ばれ/ほめられもせず 苦にもされず/そういうものに 私はなりたい

木の家:奈良・生駒の家 ~建築家がつなぐ森と住まい~

いただいたメールには、上記YouTubeへのリンクが貼られていた。《林野庁が作っているホームページで、こんなビデオも作ってもらっています。恥ずかしいのですが、もしよろしければ見てやってください》とのこと。動画の説明には《「山と町をつなぐパイプ役になりたい」という建築家と、納得できる家づくりを願った建て主が選んだのが「CM方式分離発注」。奈良吉野の製材所も加わって、家づくりのため­の熱いチームができた。個性的な製材所のシーンも必見、奈良の山と町の物語》とある。

3/10の堺サロンの見学会は、大盛況だったようだ。奥野さんのブログ「ほろ酔い建築家の世迷い言」によると、《初日、たくさんの方に足を運んでいただき、非常に忙しい1日を過ごすことができました。本当にありがとうございました。皆様、何か面白い物を持って帰ってくれたでしょうか?》。

《自然のサイクルに「ひと」が組み込まれるような「家づくり」》を目ざす奥野さん、これからも良いお家をお建てください。皆さん、ぜひ完成見学会に足をお運びください!
コメント (3)
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