11/29(土)、恒例の「京都食べ歩き同好会」秋の会が開かれた。今回の訪問先は左京区吉田山周辺だった。食事の前に、まずは紅葉名所・真如堂(しんにょどう)へ。このお寺を訪れるのは、初めてだ。
参道の民家の紅葉も見事だ
吉田山荘(料理旅館)の庭
お寺を紹介する愉快なHPがある。「苦沙彌(くしゃみ)のInternet僧坊」という、真如堂塔頭(たっちゅう)の副住職さんによる「非公式ホームページ」である。《真如堂の縁起、雑文集、仏教歳時記、 京都ご利益巡り・お薦めスポットの紹介》など、盛りだくさんな内容である。
奈良の皆さん、興福寺五重塔ではありません
奈良の皆さん、法華寺本堂ではありません
このHPには、《秋は住んでいる私でさえビックリするほどの人出ですが、それ以外の季節は、犬の散歩の人が往来するようなのんびりとしたお寺》とある。たまたまこの日の夜にお会いしたichiroさん(奈良女子大名誉教授)は京大の学生時代、境内が通学路で、よくここでのんびり昼寝されていたそうだが、オフシーズンにはさぞ静かなお寺なのだろう。
《正式には鈴聲山(れいしょうざん)真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)といい、比叡山延暦寺を本山とする天台宗のお寺です。真正極楽寺とは、「極楽寺という寺は多いけれど、こここそが正真正銘の極楽の寺である」という意味。一般には「真如堂」と呼ばれていますが、それはもともとは本堂の呼び名でした》。
《永観2年(984)、比叡山の戒算上人かいさんしょうにんが、比叡山常行堂のご本尊阿弥陀如来(慈覚大師作)を東三條女院(藤原詮子。円融天皇の女御・一條天皇の御母)の離宮があった現在の地に移して安置したのが、真如堂の始まりです》。
《紅葉するのは、桜やカエデ・モミジ、銀杏など、色も様々な赤色や黄色。常緑樹の緑と相まって、素晴らしい光景です。また、朝日や夕日、特に紅葉が夕日を浴びる時がもっとも美しい瞬間です。境内の紅葉のピークは年によっても違いますが、11月20日過ぎ。日を追うに従って、紅葉は本堂の前から裏に移っていきます。本堂の裏などは12月10日頃まで紅葉が楽しめます。「今年の紅葉はどうですか?」「見頃はいつですか?」とよく聞かれますが、なかなか予測できるものではありません。本当に美しい紅葉が見られるのは、10年に1度程度。毎年、見頃も前後します。毎年見ている紅葉でも、本当に「わぁー」と声を上げたくなる瞬間があるものです》。
http://kusyami.com/today/index_today.html
幸いこの日は、「わぁー」と声を上げたくなるような見事な紅葉だった。ちょうど紅葉のピーク時期に出くわしたのだ。紅色の深さが、他とは違う。集中的に植えられたカエデやモミジの量感が、見ている者を圧倒する。京都も、今年は紅葉の当たり年だったのだ。
思い出したのは、山口百恵主演の「赤いシリーズ」のタイトルだ。「赤い迷路」「赤い運命」「赤い衝撃」…。とにかくこの赤、紅、朱を見ていただきたい。
京都に来ると、つい奈良と比較してしまう。写真には写していないが、この日はものすごい人出だった。狭い境内に人があふれているので、押しくらまんじゅうをしながら見物するような案配になる。樹木も、きちんと計算されて植えられている。
奈良の寺はだだっ広くて、樹木も無造作に植えられている感じなので(モミジなどに限定せず、いろんな樹種が混じっている)威圧感がないのだ。ここにも「雅(みやび)の京都」と「俚(さとび)の奈良」というコントラストが出ていて面白い。
※奈良・正暦の紅葉(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/5e6795a249fcba9445a3b735f355704e
つまり、人為的で手のこんだ精密な美しさ(雅)と、自然で素朴な中にある優美さ(俚)の違いである。古今・新古今と万葉集の違いのようなものだ。
このあとは、美味しい料理をいただいた。続きは次回に…。
参道の民家の紅葉も見事だ
吉田山荘(料理旅館)の庭
お寺を紹介する愉快なHPがある。「苦沙彌(くしゃみ)のInternet僧坊」という、真如堂塔頭(たっちゅう)の副住職さんによる「非公式ホームページ」である。《真如堂の縁起、雑文集、仏教歳時記、 京都ご利益巡り・お薦めスポットの紹介》など、盛りだくさんな内容である。
奈良の皆さん、興福寺五重塔ではありません
奈良の皆さん、法華寺本堂ではありません
このHPには、《秋は住んでいる私でさえビックリするほどの人出ですが、それ以外の季節は、犬の散歩の人が往来するようなのんびりとしたお寺》とある。たまたまこの日の夜にお会いしたichiroさん(奈良女子大名誉教授)は京大の学生時代、境内が通学路で、よくここでのんびり昼寝されていたそうだが、オフシーズンにはさぞ静かなお寺なのだろう。
《正式には鈴聲山(れいしょうざん)真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)といい、比叡山延暦寺を本山とする天台宗のお寺です。真正極楽寺とは、「極楽寺という寺は多いけれど、こここそが正真正銘の極楽の寺である」という意味。一般には「真如堂」と呼ばれていますが、それはもともとは本堂の呼び名でした》。
《永観2年(984)、比叡山の戒算上人かいさんしょうにんが、比叡山常行堂のご本尊阿弥陀如来(慈覚大師作)を東三條女院(藤原詮子。円融天皇の女御・一條天皇の御母)の離宮があった現在の地に移して安置したのが、真如堂の始まりです》。
《紅葉するのは、桜やカエデ・モミジ、銀杏など、色も様々な赤色や黄色。常緑樹の緑と相まって、素晴らしい光景です。また、朝日や夕日、特に紅葉が夕日を浴びる時がもっとも美しい瞬間です。境内の紅葉のピークは年によっても違いますが、11月20日過ぎ。日を追うに従って、紅葉は本堂の前から裏に移っていきます。本堂の裏などは12月10日頃まで紅葉が楽しめます。「今年の紅葉はどうですか?」「見頃はいつですか?」とよく聞かれますが、なかなか予測できるものではありません。本当に美しい紅葉が見られるのは、10年に1度程度。毎年、見頃も前後します。毎年見ている紅葉でも、本当に「わぁー」と声を上げたくなる瞬間があるものです》。
http://kusyami.com/today/index_today.html
幸いこの日は、「わぁー」と声を上げたくなるような見事な紅葉だった。ちょうど紅葉のピーク時期に出くわしたのだ。紅色の深さが、他とは違う。集中的に植えられたカエデやモミジの量感が、見ている者を圧倒する。京都も、今年は紅葉の当たり年だったのだ。
思い出したのは、山口百恵主演の「赤いシリーズ」のタイトルだ。「赤い迷路」「赤い運命」「赤い衝撃」…。とにかくこの赤、紅、朱を見ていただきたい。
京都に来ると、つい奈良と比較してしまう。写真には写していないが、この日はものすごい人出だった。狭い境内に人があふれているので、押しくらまんじゅうをしながら見物するような案配になる。樹木も、きちんと計算されて植えられている。
奈良の寺はだだっ広くて、樹木も無造作に植えられている感じなので(モミジなどに限定せず、いろんな樹種が混じっている)威圧感がないのだ。ここにも「雅(みやび)の京都」と「俚(さとび)の奈良」というコントラストが出ていて面白い。
※奈良・正暦の紅葉(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/5e6795a249fcba9445a3b735f355704e
つまり、人為的で手のこんだ精密な美しさ(雅)と、自然で素朴な中にある優美さ(俚)の違いである。古今・新古今と万葉集の違いのようなものだ。
このあとは、美味しい料理をいただいた。続きは次回に…。