tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

平成20年度の奈良県予算と県政の課題

2008年02月28日 | 奈良にこだわる
ずいぶん堅苦しいタイトルをつけてしまった。これは2/25(月)、奈良ホテルで開かれた時事通信社の会員制講演会(内外情勢調査会奈良支部 2月懇談会)の演題である。

荒井知事が講師を務めるのは2度目だが、今回は初めて、自らが編成する初の予算を直接説明するという趣旨で、参加者もいつもより多い約150人が集まった。

20年度予算は、2年ぶりの対前年度比減少で、前年度と同様、基金を150億円取り崩すなど厳しい財政運営を迫られている。重点投資分野は妊婦死産問題や平城遷都1300年祭に関連し、医療や観光など。
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/nara/080221/nar0802210330002-n1.htm

すでに、このブログでも話題になっていたが、県立医大付属病院(橿原市)と県立3病院の整備に充てるため、東京の「代官山iスタジオ」を売却し、売却益のうち約40億円で基金を新設する。知事は「代官山(周辺に集まる層)は若者に偏っている」とコメントしていた。もっと幅広い層が集まる場所に同スタジオの機能を移す、ということだろう。
http://www.shibukei.com/headline/5028/

観光については、平城遷都1300年祭の関連予算は約25億円で、うち約10億4400万円を負担金として事業協会に拠出する。知事は「平城宮跡周辺は、奈良のランドマーク、いや日本のランドマークにしたい」とも語った。

また奈良市の若草山周辺を中心にバリアフリー化を進めるため約5億3600万円、渋滞緩和のため観光客に公共交通機関への転換を促す「パーク・アンド・バスライド」のシミュレーション事業費などで約3億3700万円、市町村などと連携した大型観光キャンペーン費用として約1900万円を盛り込んだ。

知事は、2010年に日本で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)にも触れ、各国の要人に「2010年祭の祝典に参加してほしいと思っている」と語る。「しかし、この会議自体を奈良に誘致するのはムリだと分かっている。何しろ泊まるところがないから」と言ってから、あわてて「いや、こんな立派なホテル(=奈良ホテル)の中でそんなことを言うのは、大変失礼なのですが…」と自分でフォローしていた。

また先日、中国の国務委員・唐氏が奈良を訪れ、中国から日本へ渡った高僧・鑑真和上が創建した唐招提寺などを訪ねたことに言及。唐氏が「奈良には、中国で失われたものが残っている」「古いものをとても大事にしている」と語ったことを引き合いに、四月に訪日する「胡錦濤国家主席が(大阪経由で)奈良に立ち寄られるかも知れない」と示唆した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008021702088207.html

締めくくりに知事は「私は口べたで、気の利いたことも言えないし、オチも付けられないので退屈されたことでしょう」と謙遜されていたが、とても実のある講演会だった。

約30ページ・フルカラーの配布資料は、レーダーチャートで主要5分野(暮らし、健康・福祉、環境、経済、財政)における奈良県の実力(強み・弱み)を分かりやすく示し、予算説明の部分でも、左ページに現状(レーダーチャート)、右ページにこれに対応した20年度予算の項目と金額、という風に、極めて論理的・合理的に組み立てられていた。だから、予算にもメリハリがついている。

確かに語り口こそ平板で、基本的には原稿を見ながらのお話だが、ちゃんと項目も計数も知事の頭の中に入っていて、それを誤りなく分かりやすく話してくれている、ということが聴衆に伝わり、とても好感が持てる講演会であった。
コメント (11)
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